「炭素星」の版間の差分

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Remington (会話 | 投稿記録)
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炭素星は、複数の天体物理学的機構によって説明される。McClureは<ref>[http://adsabs.harvard.edu/cgi-bin/nph-bib_query?bibcode=1985JRASC..79..277M&db_key=AST&data_type=HTML&format=&high=4422f74cc711450 Robert D. McClure: The carbon and related stars]</ref>、古典的炭素星と、質量の小さい非古典的炭素星に分類した。
 
スペクトル型'''C-R'''や'''C-N'''に属する古典的炭素星では、寿命が尽きかけた[[漸近巨星分枝星]]の内部で[[ヘリウム]]を原料とする[[原子核合成]]、特に[[トリプルアルファ反応]]が起こって炭素が豊富に生産されたと考えられる。これらの[[核融合]]生成物は、対流によって恒星の表面に運ばれる。通常、この種の漸近巨星分枝星は[[水素]]を燃料とするが、1万年から10万年でヘリウムを燃やすようになる。この段階で、恒星の光度は増大し、炭素等の恒星内部で作られた物質が表面に上昇してくる。光度が増大するため、恒星は膨張して、[[ヘリウム融合]]が終了し、水素の燃焼が再び始まる。恒星からの質量の流出が大きくなり、恒星は熱い[[白色矮星]]になって、大気は[[原始惑星雲]]の物質となる。
 
スペクトル型'''C-J'''や'''C-H'''に属する非古典的炭素星は、巨星と白色矮星からなる[[連星]]を形成していると考えられている。現在観測される恒星は、伴星由来の炭素に富んだ物質を吸収したものであると考えられている。[[恒星の進化]]の段階は比較的短く、これらの恒星のほとんどは白色矮星になって生涯を終える。質量転移が終わってかなり時間を経た姿を見ているのであり、観測される過剰な炭素は赤色巨星の内部で作られたものではない<ref>R. McClure, Journal of the Royals Astronomical Society of Canada, vol 79, pp. 277-293, December 1985</ref>。このモデルでは、[[s過程]]元素である炭素と[[バリウム]]の強いスペクトルを持つ[[バリウム星]]の起源も説明できる。このような恒星は、炭素を自身の内部で生成する漸近巨星分枝星と区別するために「外因性」炭素星と呼ばれることがある。これらの「外因性」炭素星の多くは明るくなく、また自身で炭素を生成するほどの温度を持っていない。・そのため、連星になっているということが発見されるまで、炭素の起源は謎であった。