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Nasqn (会話 | 投稿記録)
m 一部の「小さき」が「小さな」と、文語体から口語体に変わったので、それに対応する箇所の「大いなる」を「大きな」へ変更
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以上二点の魔術書、およびその原典である「ソロモンの鍵」と「レメゲトン」(もしくは第一部の「ゴエティア」)は、今日それぞれ『ソロモンの大きな鍵』『ソロモンの小さな鍵』という通称でも呼ばれている。
 
===ソロモンの大鍵===
{{main|ソロモンの大いなる鍵}}
今日『ソロモンの大鍵』という名で知られる書物は、[[マグレガー・メイザース]]によって大英博物館にあった“ソロモンの名を冠する7種類の断章”を基に内容を再構成したグリモワールである。
基になったグリモワールも15世紀前後のものとみられており、オリジナルはすでに失われている。
よってオリジナルのグリモワールがソロモン本人の著作かどうかも定かではない。
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===ソロモンの小さな鍵===
{{main|レメゲトン}}
「ソロモンの小さな鍵」は4種または5種の魔法書を合本した[[グリモワール]]「[[レメゲトン]]」もしくはその第一部「[[ゴエティア]]」の呼称である。20世紀初頭にアレイスター・クロウリーによって公刊されたが、これは「レメゲトン」のうち「ゴエティア」のみ収録している。この『ソロモン王のゴエティアの書』の元になったのは、マグレガー・マサースが大英博物館所蔵のレメゲトンの稿本から作成した私家版で、魔術史家フランシス・X・キングによれば、アラン・ベネットからクロウリーに譲られたものであるという。英訳とされているが、基になった写本も英語で書かれているため転写か校訂というべきである。
 
「レメゲトン」は「悪霊のはたらきによる業」である「ゴエティア」と「善天使のはたらきによる業」である「テウルギア」に関する魔術書を集めたもので、現在、大英図書館に17世紀から18世紀のいくつかの英語の稿本が保管されている。第一部の「ゴエティア」は[[ヨーハン・ヴァイヤー]]の『[[悪魔の偽王国]]』および[[レジナルド・スコット]]によるその英訳との関連性が指摘されている。クロウリーの『ソロモン王のゴエティアの書』の現行版『ゴエティア ソロモン王の小鍵』の編者ハイメニーアス・ベータの序文によれば、ドイツ語圏で「レメゲトン」と呼ばれた選集は、第一部に「ゴエティア」ではなく「ソロモンの鍵」を収録していたという。そのためドイツの学者たちは「ゴエティア」についてほとんど言及していない。第2部「テウルギア・ゴエティアの術」は[[ヨハンネス・トリテミウス|トリテミウス]]の『ステガノグラフィア』からの影響が指摘されている。第三部以降のタイトル「パウロの術」「アルマデルの術」「アルス・ノトリア」はいずれも、[[ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ|アグリッパ]]の『学問のむなしさと不確かさについて』の中でテウルギアに属する術名として列挙されている。「アルマデル」と「アルス・ノトリア」はレメゲトンとは別個の古くからのソロモン系魔術書としても存在している。