「ディヴェルティメント K.137」の版間の差分

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3つのディヴェルティメント中、もっとも風変わりな作品。両半分に反復記号のついた3つの楽章は、緩-急-急([[ストレット]]型)となっており、モーツァルトには非常に珍しい形式である。[[古典派]]ではこの楽章配列の常として、全楽章[[変ロ長調]]のままになっている。冒頭楽章のアンダンテは第1楽章には珍しい、3/4拍子をとっており、旋律の大まかな形式は第1曲K.136と同じといえるが、無伴奏の第1ヴァイオリンのみの弱音から始まり、唐突な2小節目の[[フォルテ]]の[[トゥッティ]]は意外な[[ハ短調]]を響かせている。[[カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ]]なら珍しくもないこの開始方法は、モーツァルトではこの曲のみといえる。安定した主和音は8小節目ようやく登場するが、そこでも激しい強弱の対比が加わる。第1、第2ヴァイオリンがほぼ対等に扱われているアレグロ・ディ・モルトの第2楽章がこの複雑なニュアンスの憂いを吹き払い、ヴィオラとチェロが目立つアレグロ・アッサイの第3楽章で全曲は上機嫌に閉じられる。第2楽章の展開部では提示部の素材が使われておらず、[[セグヴェンツ]]で転調的に動いている。こうしたものは後のディヴェルティメントでも使われることとなる。[[ディヴェルティメント第17番 (モーツァルト)|ディヴェルティメント第17番]]第1楽章はその典型的な例。
 
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