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en:Cyclic model 00:06, 7 March 2011 より
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{{Physical cosmology}}
#転送 [[Wikipedia:削除された悪ふざけとナンセンス/サイクリック宇宙論 (2010年11月)]]
 
'''サイクリック宇宙論''' (cyclic universe theory) は、[[宇宙]]は無限の自律的な循環に従うとする[[宇宙論]]である。例えば、1930年に[[アルバート・アインシュタイン]]が簡潔に考えを示した[[振動宇宙論]] (oscillating universe theory) は、[[ビッグバン]]によって始まり[[ビッグクランチ]]によって終わる振動が[[永遠]]に連続する宇宙を理論化した。ビッグバンとビッグクランチの間、宇宙は[[:en:metric expansion of space|膨張]]してゆき、その後、[[物質]]の[[重力]]による引力によって再び収縮し崩壊して、[[:en:Big Bounce|ビッグバウンス]](大きな反発)が起こる。
 
== 概要 ==
1930年代、理論物理学者、とりわけ[[アルバート・アインシュタイン]]は、[[:en:metric expansion of space|膨張宇宙モデル]]に代わる(永続的な)サイクリック宇宙モデル(循環宇宙モデル)の可能性を考察していた。しかし、1934年に[[:en:Richard C. Tolman|リチャード・トルマン]]は、サイクリック宇宙モデルの初期の試みは[[熱力学第二法則]]に従ってエントロピーは常に増大するというエントロピー問題のため失敗していることを示した<ref name="Tolman 1934">
{{cite book
|author=R.C. Tolman
|title=Relativity, Thermodynamics, and Cosmology
|publisher=Dover
|location=New York
|origyear=1934
|year=1987
|id={{LCCN|34032023}}
|isbn=0486653838
}}</ref>。トルマンの成果は、宇宙の連続するサイクルは次第に長く大きくなっていくことを示唆した。外挿によって時間を遡っていくと、現在の宇宙より前の宇宙は、そのサイクルはより短く、大きさはより小さくなっていく。このことは理論的に困難な状況として何十年も解決されずにいたが、21世紀初期に[[暗黒エネルギー]]成分の発見を契機に、論理的整合性を持つサイクリック宇宙論が提唱された<ref name="Frampton 2006">
{{cite arXiv
|author=P.H. Frampton
|title=On Cyclic Universes
|eprint=astro-ph/0612243
|class=astro-ph
|year=2006
}}</ref>。
 
新しいサイクリック宇宙モデルの一つは、初期の[[エキピロティック宇宙論]]モデルから派生した[[ビッグバン|宇宙の創成]]の[[ブレーンワールド|ブレーン宇宙論]]モデルである。これは2001年に[[プリンストン大学]]の[[:en:Paul Steinhardt|Paul Steinhardt]]および[[ケンブリッジ大学]]の[[:en:Neil Turok|Neil Turok]]によって提唱された。その理論は、一度のみならず何度も繰り返し存在する宇宙を記述している<ref name="Steinhardt, Turok 2001a">
{{cite arXiv
|author=P.J. Steinhardt, N. Turok
|title=Cosmic Evolution in a Cyclic Universe
|eprint=hep-th/0111098
|class=hep-th
|year=2001
}}</ref><ref name="Steinhardt, Turok 2001b">
{{cite arXiv
|author=P.J. Steinhardt, N. Turok
|title=A Cyclic Model of the Universe
|eprint=hep-th/0111030
|class=hep-th
|year=2001
}}</ref>。その理論は、"[[宇宙定数]]"として知られる宇宙の膨張を加速しているエネルギーの不思議な反発的性質はなぜ標準的な[[ビッグバン]]モデルによって予測されているよりも小さいオーダーの大きさであるのかを潜在的に説明する。
 
これとは異なる[[:en:phantom energy|ファントムエネルギー]]の概念に基づくサイクリック宇宙モデルが2007年に[[ノースカロライナ大学チャペルヒル校]]のLauris Baumおよび[[:en:aul Frampton|Paul Frampton]]によって提唱された<ref name="Baum, Frampton 2007">
{{cite arXiv
|author=L. Baum, P.H. Frampton
|title=Entropy of Contracting Universe in Cyclic Cosmology
|eprint=hep-th/0703162
|class=hep-th
|year=2007
}}</ref>。
 
== Steinhardt&ndash;Turokモデル ==
このサイクリック宇宙モデルでは、二つの平行な[[:en:orbifold|オービフォールド]]平面または[[M理論|M-ブレーン]]はより高次元の空間の中で周期的に衝突する<ref name="Paul J. Steinhardt, Neil Turok 2004">
{{cite arXiv
|author=P.J. Steinhardt, N. Turok
|title=The Cyclic Model Simplified
|eprint=astro-ph/0404480
|class=astro-ph
|year=2004
}}</ref>。われわれに可視的な四次元宇宙はこれらのブレーンの内の一つに横たわっている。その衝突は、収縮から膨張への反転または直後に[[ビッグバン]]が続いて起こる[[ビッグクランチ]]に対応する。今日われわれが見る物質および放射は、ブレーンの前に作られた[[量子ゆらぎ]]によって決定付けられたパターン中での直近の衝突の間に発生したことになる。最終的に宇宙は今日われわれが観測している状態に到達し、何億年も先の未来に再び収縮を開始する。[[暗黒エネルギー]]はブレーン間の力に対応し、[[磁気単極子|磁気単極子問題]]、[[地平線問題]]および[[平坦性問題]]を解決する決定的な役割を担う。そして、このサイクルは過去と未来が無限に連なる。その解は[[アトラクター]]であり、宇宙の完全な歴史の情報を含んでいる。
 
[[:en:Richard C. Tolman||リチャード・トルマン]]が示したように、初期のサイクリック宇宙モデルは宇宙が不可避の[[熱力学]]的な[[熱的死]]を経験するということから破綻していた<ref name="Tolman 1934" />。しかし、新しいサイクリック宇宙モデルは膨張していくサイクルを持ち[[エントロピー]]が増大するのを妨げることによってこの問題を回避している。しかしながら、このモデルには主要な問題が存在する。とりわけ、衝突するブレーンは[[弦理論]]学者によって理解されていない。また、[[:en:scale invariance|スケール不変]]スペクトルがビッグクランチによって破壊されるかどうかは誰も知らない。さらに、[[宇宙のインフレーション]]のように[[仮想粒子|真空のゆらぎ]]を生成するために必要な力の一般的な特性([[エキピロティック宇宙論]]のシナリオではブレーン間の力)が知られている一方で、その力に関する[[素粒子物理学]]からの候補はない
<ref>{{cite book
|author=[[Peter Woit|P. Woit]]
|title= Not Even Wrong
|year= 2006
|publisher= Random House
|location= London
|isbn= 97800994488644
}}</ref>。
 
== Baum–Framptonモデル ==
2007年のこの新しいサイクリック宇宙モデルは、パラメータ'''w'''を通して、[[圧力]]と[[密度]]に関わる暗黒エネルギーの状態の方程式に関して新規の技術的な仮定を設定する<ref name="Baum, Frampton 2007" /><ref name="Baum, Frampton 2006">
{{cite journal
|title=Turnaround in Cyclic Cosmology
|author=L. Baum and P.H. Frampton
|journal=Physical Review Letters
|volume=98 |pages=071301
|year=2007
|doi=10.1103/PhysRevLett.98.071301
|id={{arXiv|hep-th/0610213}}
|pmid=17359014
|issue=7
}}</ref>。それは、現在を含む宇宙のサイクルの中で、常に'''w''' < −1([[:en:phantom energy|ファントムエネルギー]]と呼ばれる条件)であることを仮定する。(対照的に、Steinhardt–Turokは'''w''' >= −1を仮定している。)Baum–Framptonモデルでは、[[:en:Big Rip|ビッグリップ]]の10<sup>-24</sup>秒以前に宇宙の反転が起こり、結果的に一つの区画だけがわれわれの宇宙として保持されたとする。この宇宙の区画は[[クォーク]]、[[レプトン]]または[[ゲージ粒子]]を含まず、[[暗黒エネルギー]]だけを含む。それゆえ、そのエトロピーは0になる。この非常に小さい宇宙の収縮の[[断熱過程]]では、エントロピーは常にゼロで、宇宙の反転の前に崩壊する[[ブラックホール]]などの物質は存在しない。宇宙が"無に還る"というアイデアはこのサイクリック宇宙モデルの中心の新しいもので、[[QCD相転移]]や[[電弱対称性]]の回復などの[[相転移]]の問題と同様に、過剰な[[:en:structure formation|宇宙の構造形成]]やブラックホールの拡散や膨張のような収縮期における問題に直面する多くの困難を避けることができる。これらの問題は、[[熱力学第二法則]]の破れを単純に避けるために、望んでいない反発力を生成する傾向が強く見られる。この画期的な'''w''' < −1の条件は、真に無限循環のサイクリック宇宙論にとって、エントロピー問題のために論理的に必須であろう。それでもなお、さらに多くの技術的に支援する計算がそのアプローチの一貫性を保証するために必要である。このモデルは[[弦理論]]からアイデアを借りているが、弦や[[多次元]]を導入する必要はない。ただし、そのような思索は理論の内部整合性を調査する最も迅速な方法を与えるであろう。Baum–Framptonモデルの'''w'''の値は任意に−1に近付けることができるが、それよりは小さくないといけない。
 
== 脚注 ==
{{reflist}}
 
== 関連項目 ==
* [[宇宙論]]
* [[振動宇宙論]]
* [[:en:Big Bounce|ビッグバウンス]]
* [[宇宙定数]]
* [[:en:Conformal Cyclic Cosmology|共形サイクリック宇宙論]]
* [[:en:Hindu_units_of_measurement#Reckoning_of_time_for_Brahma|ヒンズー教の時間循環]]
 
== 参考文献==
*{{cite book
|author=P.J. Steinhardt, N. Turok
|title=Endless Universe
|publisher=Doubleday
|location=New York
|year=2007
|isbn=9780385509640
}}
*{{cite book
|author=R.C. Tolman
|title=Relativity, Thermodynamics, and Cosmology
|publisher=Dover
|location=New York
|origyear=1934
|id={{LCCN|34032023}}
|year=1987
|isbn=0486653838
}}
*{{cite journal
|author=L. Baum and P.H. Frampton
|title=Turnaround in Cyclic Cosmology
|journal=Physical Review Letters
|volume=98 |pages=071301
|year=2007
|id={{arXiv|hep-th/0610213}}
|doi=10.1103/PhysRevLett.98.071301
|pmid=17359014
|issue=7
}}
*R. H. Dicke, P. J. E. Peebles, P. G. Roll and D. T. Wilkinson, "Cosmic Black-Body Radiation," ''Astrophysical Journal'' '''142''' (1965), 414. This paper discussed the oscillatory universe as one of the main cosmological possibilities of the time.
*S. W. Hawking and G. F. R. Ellis, ''The large-scale structure of space-time'' (Cambridge, 1973).
 
== 外部リンク ==
* [http://feynman.princeton.edu/~steinh Paul J. Steinhardt], Department of Physics, Princeton University
* [http://www.physics.unc.edu/~frampton Paul H. Frampton], Department of Physics and Astronomy, The University of North Carolina at Chapel Hill
*[http://xstructure.inr.ac.ru/x-bin/theme3.py?level=1&index1=79522 Cyclic universe on arxiv.org]
*[http://www.edge.org/video/dsl/turok07.html "The Cyclic Universe": A Talk with Neil Turok]
*[http://www.youtube.com/watch?v=pEIj9zcLzp0 Roger Penrose - Cyclical Universe Model]
 
{{DEFAULTSORT:さいくりつくうちゆうろん}}
[[Category:宇宙論・宇宙物理学]]
[[Category:弦理論]]
 
[[bn:কম্পনশীল মহাবিশ্ব]]
[[en:Cyclic model]]
[[es:Modelo cíclico]]
[[fr:Modèle cyclique]]
[[it:Universo oscillante]]
[[he:יקום מחזורי]]
[[pt:Modelo cíclico]]
[[sv:Cykliska modellen]]