「中根中」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Mimosa5 (会話 | 投稿記録)
m アメリカの黒人差別には関係するけれど、あきらかに「日本のレイシズム」についての記事ではない。
西方 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目:
'''中根中'''(なかね なか、[[1870年]] - [[1945年]]?)は、日本人の[[黒人運動]]指導者。第二次世界大戦以前のアメリカで主に活動した。
 
==経歴==
現在の[[大分県]]杵築市に生まれる。[[関西学院]]に進学し、後にキリスト教徒となる。若い頃は浪費癖がひどく、教会も除名された。日本の妻の他に愛人もいたといわれる。大借金を残して[[カナダ]]へ渡り、白人女性と結婚する。後にアメリカの[[タコマ (ワシントン州)|タコマ]]に移住するが、もとからの浪費癖が災いして生活が破綻し、再び借金を残して失踪する。
 
7 ⟶ 8行目:
この間に黒人女性と結婚する。さらに立て続けに組織を設立して活動していたために[[連邦捜査局|FBI]]によって国外退去を命じられ、日本へ帰国するもすぐにカナダへ渡り、そこから代理としての妻を通してアメリカの組織を遠隔的に運営していった。
 
中根らの運動は一見順調に思われたが、組織の中心で中根を支えた妻が活動資金を使い込んで放蕩に明け暮れるようになりその活動が行き詰るようになる。中根は組織を立て直すためにアメリカに再び入国するが、[[1939年]]に逮捕される。FBIの取調べでは「サトハタ・タカハシ」他複数の偽名を使い、嘘を並べ立てたといわれる。
FBIの取調べでは「サトハタ・タカハシ」他複数の偽名を使い、嘘八百を並べ立てたといわれる。
 
こうして、中根の野望は一見して瓦解したようだったが、中根が獄中にいる[[1943年]]、デトロイトで黒人の大暴動が発生している。これは中根の活動に起因すると言われており、アメリカの兵器生産拠点であったデトロイトを3日間、機能停止状態に陥れた。
15行目:
また、上述の妻らとは別にさらにもう1人の黒人女性と愛人関係にあったとされる。
 
==研究==
日本では一般には知られていなかったが、黒人史の研究者レジナルド・カーニーや[[出井康博]]による下記の著書で初めてその人生の大部分が明らかにされた。これは現在、中根に関する日本語によるほぼ唯一の書籍である。出井は同時期のアメリカにおいて、日本政府によってその活動資金を提供された工作員・[[疋田保一]]が煽動したとされる黒人運動と比較し、この中根の運動は私財を投じその個人の才覚と努力によってなされた点について高く評価している。
 
==参考文献==
*レジナルド・カーニー「20世紀の日本人―アメリカ黒人の日本人観 1900‐1945」五月書房1995年。(原著Reginald Kearney, African American views of the Japanese: solidarity or sedition?:State University of New York Press,1998)
*出井康博 『日本から救世主(メシア)が来た』、[[新潮社]]、2001年、ISBN 4104468010
**文庫版 『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』<[[講談社]]プラスアルファ文庫>、2008年、 ISBN 9784062812368
27 ⟶ 29行目:
 
==関連項目==
*[[全米黒人地位向上協会]]
*[[人種差別]]
**[[人種的差別撤廃提案#人種暴動]]