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{{出典の明記|date=2011年3月}}
{{Redirect|芋虫|江戸川乱歩の小説|芋虫 (小説)}}
[[画像:Theretra_nessus_larva.jpg|thumb|200px|[[ヤマノイモ]]の葉を食べる[[キイロスズメ]]の幼虫]]
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== 語源 ==
'''イモムシ'''は、'''芋虫'''の意で、{{要出典範囲|元来は[[サトイモ]]の葉につくセスジスズメやキイロスズメ、[[サツマイモ]]の葉につくエビガラスズメなどの[[芋]]類の葉を食べる[[スズメガ科]]の幼虫を指す言葉である|date=2011年3月}}。決してイモのような風貌なのでイモムシなのではない。{{要出典範囲|伝統的な日本人の食生活においてサトイモやサツマイモは[[穀物]]に次ぐ重要な主食作物であった。そのため、これらの葉を食害する巨大なスズメガ科の幼虫は、農村で農耕に携わる日本人にとって非常に印象深い昆虫であった。そのため、イモムシが毛の目立たないチョウやガの幼虫の代名詞として定着するに至ったと考えられる。|date=2011年3月}}
 
== 特徴 ==
{{要出典範囲|
イモムシと呼ばれるチョウ、ガの幼虫は、普通、円筒形の体をしている。[[頭部]]は丸っぽく、あごは下を向き、触角は短い。触角のそばに小さな単眼が約6個並んでいる。胴体は胸部と腹部の区別なく続く。胸部の下面には3対の歩脚がある。歩脚は短い。腹部の下面には各体節ごとに一対の疣足がある。疣足は節がなく、短い円筒形で先端には爪が多数あって引っ掛かるようになっている。腹部は10節あり、最初の2節には疣足がなく、その後の体節から4対、2節おいて最後の体節に一対の疣足がある。腹部の側面には各体節に1対ずつの気門が並んでいる。足はほぼ体の下にあり、体の断面は円形に近い。
 
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歩く時は体を波打つように動かす。多くのものは植食性で、葉をかじる。緑色か黒っぽい糞をする。糞は円筒形。口(下唇)から糸を出すものが多く、種類によって、[[蛹]]になる時に[[まゆ]]を作ったり、葉をつないで巣を作ったりする。
 
全身に毛や刺が多いものは[[ケムシ]](毛虫)と呼ばれる。ただし、明確な区別はできない。また、全身が緑色がかったものは'''アオムシ'''(青虫)と呼ばれる。|date=2011年3月}}
 
== 習性 ==
{{出典の明記|section=1|date=2011年3月}}
イモムシは多くが植食性で、それぞれの種が、決まった範囲の植物を食べる。それぞれの種が餌とする植物を'''食草'''(しょくそう)と言う。{{要出典範囲|親は普通、食草を探して、そこに産卵する。孵化してからは、その上で食べてさえいればよく、そのため移動能力が低い体つきをしていると思われがちだが、実際には、かなりの距離を移動するイモムシは少なくない。[[ヒョウモンチョウ]]の仲間は[[スミレ]]を食草にしており、これは小さくてすぐに食べ尽くすので、イモムシは自力で新しい株を探さなければならない。ヨトウムシ([[ヨトウガ]]および近縁種の幼虫)も、大発生して畑から畑へと移動することが知られる。これはいわゆる[[飛蝗]]と呼ばれる[[バッタ]]に見られる[[相変異 (動物)|相変異]]とほぼ同様の現象である。どちらかというとケムシの部類であるが、[[ヒトリガ科]]の幼虫には地表の様々な草本を摂食するものが多く知られており、地表をかなりの速度で移動してはそこに生えている植物を食べる行動を繰り返すものがよく見られる。
 
少数ながらも肉食性の種類も存在しており、例えば[[ゴイシシジミ]]は[[アリマキ]]を捕食する。
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実際に毒をもつものもある。マダラチョウ類は食草に有毒植物を選び、その体内に毒成分を蓄積する。
 
また、体の側面に黒と黄色や白の同心円の模様を持つものがある。これは[[眼状紋]]と言われ、鳥にとっては猛禽を想像させるため、脅かす効果があるとも言われるが、よく分かっていない。しかし、実験室内で[[ムクドリ]]などを用いた実験では、確かに眼状紋が鳥の忌避反応を引き起こす場合があることが示されているという報告もあり、実際に種によって刺激を受けるとこの模様を誇示する行動が見られるのは確かである。たとえば、[[アケビコノハ]]の幼虫は真っ黒な体に側面に眼状紋を並べた細長いイモムシであるが、指でつついたりすると体の前半分を持ち上げて曲げ、そうすると目玉が2つ並んだ部分がひどくはっきり見える。また、スズメガの幼虫では、体の前の方に1対の眼状紋を持つものがあり、刺激すると、体をやや縮め、前半身を激しく左右に振る動作をする。この場合、体をやや縮めることで眼状紋がある部分が幅広くなり、[[マムシ]]の頭を想像させるとも言われる。|date=2011年3月}}
 
== 目立つイモムシ ==