「失楽園」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
MastiBot (会話 | 投稿記録)
m r2.6.4) (ロボットによる 変更: ml:പാരഡൈസ് ലോസ്റ്റ്
6行目:
『'''失楽園'''』({{Lang|en|''Paradise Lost''}} [[ユリウス暦]]1667年)は、[[イギリス]]の[[17世紀]]の詩人、[[ジョン・ミルトン]]による[[旧約聖書]]の『[[創世記]]』をテーマにした壮大な[[初期近代英語]]の[[叙事詩]]。[[ヤハウェ]]に叛逆して一敗地にまみれた[[堕天使]]の[[ルシファー]]の再起と、ルシファーの人間に対する嫉妬、およびルシファーの謀略により楽園追放に至るも、その罪を自覚して甘受し楽園を去る人間の姿を描いている。『失楽園』に対応する作品として『[[復楽園]]』(楽園回復)もある。[[ダンテ・アリギエーリ]]の『[[神曲]]』とともに、キリスト教文学の代表作として知られる。
 
ミルトンは[[悪魔学]]の専門家ではなかったが、その当時に見られた[[悪魔]]に対する様々な説を総合した独自の解釈を作中に盛り込んだ。ミルトンによる解釈はその後の[[キリスト教]]に影響し、殊にルシファーに関する逸話に大きな影響を与えた。ミルトンの詩の中では、ルシファーはヤハウェの偉大さを知りつつ、服従よりも自由に戦って敗北することを選ぶ、一種の英雄として描かれる<ref>本作は[[清教徒革命]]のあとで執筆されており、そしてミルトンは共和派、すなわち自由のために絶対君主たる王と戦った側であった。</ref>
 
一方、人間[[アダム]]は、[[イヴ]]の誘惑によって[[禁断の果実]]を食べてしまう弱い存在ではあるが、いったんは神の命令に背くものの、自ら罪を犯したことを認め、悲哀を胸に抱いて己の罪の報いを自らの意思によって引き受ける、偉大な魂の持ち主として描かれる。