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この性質を利用して、消化管内に取り込まれた放射性Srの体外排泄に関する研究が数多く行われ、ヒトでの実験においても、顕著な効果が認められている。
 
Hespらは、アルギン酸ナトリウム10gを用し、20分後に<sup>85</sup>Srを飲むと、体内残留率が1/8になることを報告している <ref> Hasp, R and Ramsbottom, B: Nature, 1341-1342(1965)</ref>。
 
また西村らは、ラットを用いた動物実験において、アルギン酸をあらかじめ10日間投与して予備飼育した後に<sup>85</sup>Srを投与すると、<sup>85</sup>Srの体内残留率が顕著に減少することを見出した <ref> 西村義一,魏仁善,金絖崙,渡利一夫,今井靖子,稲葉次郎,松坂尚典, RADIOISOTOPES, 40, 244-247(1991)</ref> 。さらに、アルギン酸の予備投与期間が長いほど<sup>85</sup>Srの体内残留率が低くなることから、アルギン酸を日常的に摂取しておくことで、放射性ストロンチウムの体内取り込みを低減させる、防護剤としての役割を果たせることを示唆している。