「貴賤結婚」の版間の差分

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'''貴賤結婚'''(きせんけっこん、[[ラテン語]]:Matrimonium morganaticum , [[英語]]:morganatic marriage)とは、[[配偶者]]同士の間で、所属する社会的・経済的階層ないし法的身分という観点から見た場合、大きく上下の隔たりが存在する[[婚姻]]の形態。'''卑賤結婚'''、'''左手結婚'''<ref>通例では婚礼において花婿が指輪を花嫁の右手に嵌めるが、身分違いの結婚の場合は逆の左手に嵌める決まりである。</ref>の呼称も散見する。特に彼らが属する社会において、一般に対等だと認められないため、夫婦の両方又は一方、ないし夫婦の間に出生する子供には法的・社会的[[ペナルティ]]が科せられる。
 
貴賤結婚が大きな問題となるのは、君主国において王位継承権者の配偶者の身分を厳しく制限する法律が存在する場合である。特に、キリスト教文明圏であるヨーロッパの君主国での結婚形態は[[一夫一婦制]]であるため、君主やその親族の身分の釣り合いのとれた対等結婚が重視されていた。しかし19・20世紀になると、ヨーロッパでは王族や貴族階級の間に[[友愛結婚]]の概念が浸透するようになり、君主や王族が身分の低い相手を配偶者に選ぶ例が続出した。20世紀後半までに、君主国の多くで身分制度が弛緩するとともに、王族の配偶者の身分上の資格が問題になることは少なくなった。