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'''張 翼'''（ちょう よく、? - [[264年]]）は、[[中国]]の[[後漢]]末期から[[三国時代 (中国)|三国時代]]の武将。犍為郡武陽の人。[[字]]は'''伯恭'''。[[前漢]]三傑の一人[[張良]]の子孫。高祖父[[張晧]]は後漢の[[司徒]]を、曽祖父[[張綱]]は[[広陵]][[太守]]を務めた名門の出身である。[[張微]]の父、張存の祖父。『[[三国志 (歴史書)|三国志]]』[[蜀]]志に伝がある。

[[漢]]の名臣の末裔であり、自身は[[蜀]]（蜀漢）に仕えた武将で、。[[蜀漢の滅亡|蜀滅亡]]まで生きた。、蜀滅亡後の成都の争乱において死去した。

[[231年]]、庲降都督、綏南中郎将として南中方面を鎮守したが、法に厳格であったため、異民族の反発を買っていた。

しかし、法に厳格であったため、異民族の反発を買っていたため、[[233年]]、異民族の劉冑の反乱が勃発すると（『三国志』蜀志「後主伝」）、職務に耐えないとみなされて中央に召喚されることになった。張翼は後任者のために、ぎりぎりまで前線に留まり、兵糧の準備など軍備を充実させたため、後任の[[馬忠 (蜀漢)|馬忠]]はそれに頼って異民族の反乱を平定できた。[[諸葛亮]]はこの話を聞き、張翼に信頼を寄せた。

[[255年]]、[[衛将軍]][[姜維]]が北伐を計画すると、これに強く反対したが容れられず、張翼も鎮南大将軍として姜維の北伐に従軍する。姜維は洮水で[[魏 (三国)|魏]]の[[雍州]][[刺史]]の[[王経]]をさんざんに破ったが、張翼はこれ以上の戦争の継続に反対し、戦果に傷がつかないうちに撤退をすべきだと述べた。姜維は大いに腹を立てたが、張翼はなおも反対しを続けた。結局、姜維は狄道城に籠った王経を包囲したが結局下すことはできなかった。姜維はこのとき以来、張翼のことを内心では不快に思っていたが、北伐の際にはいつも従軍させたため、張翼も仕方なくそれに従った。

[[263年]]夏、魏の[[蜀漢の滅亡|蜀侵攻]]が開始される。沓中に駐屯していた姜維が魏の[[トウ艾|鄧艾]]と対峙する中、[[鍾会]]の軍が漢中から蜀に攻め入ってくると、右車騎将軍[[廖化]]、輔国大将軍の[[董厥]]と共に迎撃に赴くが（『三国志』蜀志「後主伝」、及び「姜維伝」）、味方の[[蒋舒]]の裏切りにより、陽安関がすでに破られたため、沓中、陰平から敗走してきた姜維と共に[[剣閣]]に籠って鍾会に強く抵抗した。しかし、陰平から迂回してきた鄧艾の強行軍により[[成都]]が降伏させられたため（『三国志』蜀志「後主伝」）、張翼は姜維と共に鍾会に降参し、随行して成都に戻った。

翌264年正月、姜維と鍾会は鄧艾を罪に落とした上で、魏将を皆殺しにしてクーデターを起こそうとしたが、[[胡烈]]ら魏将の反撃にあって殺害された。このときの混乱に張翼も巻き込まれて殺害されている。

子の張微は学問に熱心にう打ちこ込み、広漢太守となったという（『華容国志』）。

小説『[[三国志演義]]』では[[劉璋]]配下の武将として登場する。劉備が[[入蜀合戦 (214年)|入蜀]]を開始すると、[[卓膺]]と共に[[劉カイ|劉璝]]らが守備する雒城の救援部隊として派遣されるが、守将の1人の[[張任]]が捕らえられ卓膺が降伏すると、なおも抵抗しようとする劉璝を殺害し雒城を開城して降伏する。

その後は劉備に仕え、諸葛亮に従い蜀漢の武将として南征や北伐に参加する。諸葛亮の没後も蜀漢の有力武将として転戦するが、姜維とは特に不仲にはなってたという描写はない。最期は蜀滅亡後の混乱で死去した蜀漢の人物の1人として名が挙がる。