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== 概要 ==
2部構成で描かれた、日常ファンタジーアニメ。前半の'''田菜編'''(1-12話)は夏の田舎町が、後半の'''横浜編'''(13-26話)ではその2年後の都会の冬が、それぞれ舞台になっている。現代日本に現れた正体不明の物体'''マテリアルフェアリー'''の起こす事件と、彼らに関わった少年少女たちの触れ合い、すれ違い、そして成長を描く。
 
造形デザインの[[佐藤眞人]]が主宰するアトリエ『[[絶対少年 (アトリエ)|絶対少年]]』に基づくタイトルであり<ref>{{Cite web
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}}.</ref>、[[ボーイズラブ]]ものなどではない。出演声優の[[鈴木真仁]]も1997年に『[[絶対少年 (アルバム)|絶対少年]]』という同名のタイトルのCDを出しているが、このアニメとの関係はない。
 
原案は監督の[[望月智充]]と、シリーズ構成・脚本を手掛ける[[伊藤和典]]。佐藤眞人のデザインした世界観を元にトイズワークスの加藤智が同社を設立して間もない頃に立てた、構想5年の企画であった<ref>{{Cite web
|url=http://www.toys-works.com/diary/2005/02/5_1.html
|title=構想5年…ってヤツだね
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|date=2005-02-14
|accessdate=2008-04-14
}}.</ref>。シリーズ構成・脚本の[[伊藤和典]]が最初WEB連載小説化を考えたが実現せず、その後、アニメ企画として実現した。監督には、伊藤の希望が採用されて[[望月智充]]が起用され、かつてともに[[魔法少女アニメ|魔法少女もの]]『[[魔法の天使クリィミーマミ]]』で日常ファンタジーを手掛けたコンビとなった。伊藤和典は3部作で企画を考えたといい、第3部は、もしあるなら劇場版でと発言している<ref name=as20050822>{{Cite web
|author=小川びい
|url=http://www.style.fm/as/13_special/mini_050822.shtml
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}}.</ref>。しかし放送はNHK-BSのみ、DVDも大きなヒットをしたとは言えない、など、作品の知名度は低いままであり、その後、第3部製作に関するアナウンス等はない。
 
前半と後半の間に2年が経過し、舞台雰囲気キャラクターが一新される。田菜編のキャラクターが切り捨てられたと感じた視聴者からは、一部で戸惑いの声あった。望月監督は「田菜編あってこその横浜編であり、2部構成になっている事に意味はある。最後まで観てもらえると、2部構成になっている意味も含めて、分かってもらえる何かがあるんじゃないかな」と語っている<ref name=as20050823>{{Cite web
|author=小川びい
|url=http://www.style.fm/as/13_special/mini_050823.shtml
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}}.</ref>。
 
制作にあたって、伊藤は往年のNHK「[[少年ドラマシリーズ]]」風の良質の[[ジュブナイル]]を、望月は「[[世界名作劇場|カルピス名作劇場]]」を、それぞれ意識していたと発言している<ref name=as20050823 />作品のテンションをあくまで日常生活的な低さに設定するなど、"現在の日常の日本"という現実感を重視した点が、他のアニメ作品との違いとなっているという(人物描写などにおいて)<ref name=as20050822 />
 
他に微妙作画や凝ったアングルよる人物作画の(直接的ではない)エロティックな作画や、意図的に鮮やかさを抑えられ色調の美術の中に、抑え目の柔らかい色調のキャラクターを、同じく抑えた色調の美術の中に配置し、そこに[[伊藤真澄|七瀬光]]作曲の歌詞の無いコーラスを多用したBGMが流れるというゆったりした雰囲気作りなども、特色と言える。<ref name=as20050822 /><ref name=as20050823 />
 
関連して、[[浜崎達也]]著、[[戸部淑]]イラストによる[[外伝]]小説『絶対少年 〜神隠しの秋〜穴森』がバンダイビジュアルの携帯サイトに毎日無料配信されたほか、同著者・イラストによる[[小説化]]作品が[[電撃文庫]]([[メディアワークス]]刊)発売されている。浜崎は横浜編で脚本にも参加している。
 
== あらすじ ==
'''田菜編'''
自分がこれから何をしたいのか見出せず、不登校の生活が続く少年・逢沢歩。母親に勧められた歩は、離婚した父親の住む町へと行き、父親のもとで一夏を過ごすことになる。進んで同意したわけではなかったが、母親から交換条件として[[マウンテンバイク]]を買ってやるとまで言われれば、行かないと言えるほどの積極的理由もない、そんな歩だった。やって来た田菜は、山と水田と民家がポツポツとある小さな盆地。母には小さい頃一度来たことがあると言われたが、その記憶のない歩には、今までいた場所と何も変わらない、何もない場所にしか思えなかった。だが、それはとんでもない間違いだった……。
 
母親の勧めで、離婚した父親のもとで一夏を過ごす事になった不登校の男子中学生・逢沢歩。やって来た田菜は、何もなさそうな退屈な田舎町だった。だが、不思議な子供わっくんや空飛ぶ謎の発光体たちとの出逢いが、そんな日常をじわじわと変えてゆく。なぜか歩に対して積極的な2人の少女や、発光体を追うTVレポーターら、田菜の人々との触れ合いの中、やがて猫踊りの祭りの夜、常識を超えた大事件が起きる。歩もまた、重大な決断を迫られる……。
 
'''横浜編'''
 
2年後。少年少女の間で『幽霊』の噂が流行する横浜。孤独に毎日を過ごしていた不登校の女子高生・谷川希紗は、ある日不思議な光る飛行物体を拾い、名前を付けて部屋でいっしょに生活し始める。やがて、世話焼きのうるさい優等生・理恵子や、ただ一人優しく見守ってくれる成基らも事件に関わりだす中、希紗の心を引き裂くような出来事が起きるが……。物語は、横浜上空の大事件でフィナーレを迎える。
 
{{ネタバレ}}
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; 逢沢歩(あいざわ あゆむ)
: 声 - [[豊永利行]](1-12話に登場)
: 田菜の父のもとでひと夏を過ごすためにやって来た、無口な不登校の、無口な男子中学生。積極的に人と関わりたいと思うタイプではなく、友達もいない。いつもマウンテンバイクで移動する。背は小さめで、美紀の姉の美佳には初対面時「なかなか可愛いじゃん」と言われている。謎の子供わっくん、そして'''どっしる'''と'''しっしん'''の2体のマテリアルフェアリーと出会い、不思議な経験をすることになる。
; 深山美紀(みやま みき)
: 声 - [[三橋加奈子]](1-12話に登場。横浜編では16、18-20、26話に登場)
: 地元田菜の中学生。深山三姉妹の次女。マイペースで余裕ある性格。ちょっと歩が気になっているらしい。家は深山商店という酒屋で、ときどき配達や店番もしている。三姉妹そろって毎年地元の'''猫おどり'''([[絶対少年#作中用語|後述]])に参加しており、現在も仮装用の猫衣装をっている
; 深山美玖(みやま みく)
: 声 - [[斎藤千和]](1-2、4-12話に登場)
: 深山三姉妹の末妹。小学生。まだ小さいくせに生意気で、人を見下すような、妙に年かさな口調。いつもリバーシブルのカエルのぬいぐるみを抱えている。実は一度神隠しにあったことがあるらしく、不思議な感覚と知識の持ち主。
; 阪倉亮介(さかくら りょうすけ)
: 声 - [[桜塚やっくん|斎藤恭央]](1-12話に登場。横浜編では22話に台詞のみ登場)
: 美紀と同じ田菜の中学生で、幼馴染み。謎の老[[三毛猫]]'''オカカ婆'''を、伝説存在かつ自分のライバルとして追い続けている。最初は歩を「ボク」と呼んでからかい気味に扱う。いつもスクーターで移動している。
; 海野潮音(うんの しおね)
: 声 - [[清水愛]](1-12話に登場)
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; 須河原晶(すかわら あきら)
: 声 - [[松本美和]]
: 地元の39CTV(サンキュー ケーブルテレビ)の名物レポーター。不思議な発光体事件に対して、田舎の小ローカル局社員に過ぎない自分の閉塞感を打ち破り、ひいては「世界がより開けたものであって欲しい」という自分の希望を証明してくれる可能性を感じ、ネタとして追い始める。身分居所はローカルでも、若いマスコミ人らしく野心と好奇心旺盛。ただその分、歩たち事件の関係者からは敬遠されがち。
; 深山美佳(みやま みか)
: 声 - [[鈴木真仁]](10-12話に登場)※10話は台詞のみ
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; 大和理絵子(やまと りえこ)
: 声 - [[佐土原智子]](13-26話に登場)
: 希紗の幼馴染みで友人の女子高生。携帯などの通称〝りえぞー〟。真面目な優等生・いい子タイプとして生きているが、そのせいで敬遠されることもある。周囲に見放され気味の希紗にひとりだけ構い続け、逆に当人からはうざがられているのも、その一例。偶然、希紗と前後してマテリアルフェアリーを目撃し、事件に関わってゆく。小早川成基が好きで、成基が希紗を気遣う様子に嫉妬する。親切や善意を相手に押し売りしていることに気付かず、やがて自分の好意や努力が報われないことに苛立ちはじめ、〝いい子〟を棄てて感情的な面を見せるようになってゆく。
: 情緒的で一貫しないその行動や人格描写は、ある意味では、アニメのテンプレ的ではない生々しさとも言える。それは理絵子だけではなく『絶対少年』の人物の多くに共通する描かれ方である。
; 真壁正樹(まかべ まさき)
: 声 - [[甲斐田ゆき]](14-22、24-26話に登場)
: 希紗たちの同級生の、小柄な男子高校生。携帯などの通称〝マッキー〟。無口ではないが、気弱でコミュニケーション下手。いつも、ひとりで携帯ゲームで遊んでいるかメールをチェックしている。理絵子に片思いしているが、理絵子からは、好き嫌い以前に、つきまといや連メールなど、そのいじいじした態度と無神経さにイラつかれている。理絵子発光体の目撃をほのめかしたこととされさらに希紗のブンちゃんを目撃したことで、事件に関わってゆくことになる。理絵子、そして他のキャラ同様、クライマックスにかけて成長と変化を見せてゆくキャラでもある。
; 小早川成基(こばやかわ しげき)
: 声 - [[櫻井孝宏]](14-22、24-26話に登場)
: 希紗たちの幼馴染みで同級生の、大柄な男子高校生。希紗と同じく学校にはほとんど出ないが、それは、真剣に[[棋士 (将棋)|プロ棋士]]を目指して将棋を指している[[奨励会|奨励会員]]だからである。理絵子をはじめほとんどの相手に対してそっけない態度をとるが、希紗に対してだけは、その弱さを感じ取って温かく見守っている。希紗が初めて自分からブンちゃんを自分から見せた相手。だが中盤ある事件で希紗を傷付けた責任を感じ、希紗との間にも距離ができてしまう。
; 羽鳥次郎(はとり じろう)
: 声 - [[郷田ほづみ]]
: 偶然、理絵子といっしょに光(マテリアルフェアリー)を目撃した、浮浪者兼画家。その場の壁に〝Trust Yourself〟と記した大きなアートを残した男。その後理絵子と再会してふたりの体験したこと出来事について語り合い、年の離れた友人になる。実は、田菜編のある人物と旧知の間柄でもある。
; 逢沢歩(あいざわ あゆむ)
: 声 - 豊永利行(16、18-20、22、23-26話に登場)※23話は台詞なし。
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: 自分の意志で空中をふらふらと飛ぶ、バレーボール大くらいの発光体。暖色系の色をしている。近づくと、不思議な形のオブジェのような、それぞれの真の姿を現わす。いつでも誰にでも見えるわけではなく、見えない人には見えない。最初見えなかった人にしだいに見え始めることもあるし、全ての人に見えるようになることもある。子供が比較的目撃しやすい。カメラなどの撮影機械では、基本的に記録できない。動物には見えており、その瞳に映った像でならば、人間や機械にも確認できる。そしてその存在と行動には、なんらかの理由や意味があるように見える。どっしる・しっしん・ポーちゃんが属する。
; マテリアルイーヴル
: マテリアルフェアリーとほぼ同じ様な発光体で、寒色系の色。フェアリー、イーヴル、ともに名づけたのは須河原晶で、「イーヴル」が悪をあらわすことから、劇中でこのに批判もある様子。ブンちゃんが属する。一般的なサイズとは著しく異なるものも存在する。
; 猫おどり
: 作中、田菜で行われる夏祭りの催し。女の子たちが[[猫耳]]や猫しっぽなど猫の仮装をして踊りを競うという、いかにもアニメ的な絵面のお祭りだが、田菜のイメージ元となった丹那盆地のある[[函南町]]で実際に行われている祭りである([[猫おどり]]を参照)。ただ、実在の祭りはアニメと完全に同内容というわけではない。参加者も、女の子に限らず老若男女誰でもOK。
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* [http://www.style.fm/as/13_special/mini_050822.shtml WEBアニメスタイル 特別企画(前編)]
* [http://www.style.fm/as/13_special/mini_050823.shtml WEBアニメスタイル 特別企画(後編)]
* [http://www3.nhk.or.jp/anime/bs_anime/guesttalk.html NHKアニメワールド 衛星アニメ劇場 ゲストトーク・プレイバック] - 声優インタビュー。本作関連は第1回(豊永利行)・4回(小林晃子)・5回(甲斐田ゆき)。
 
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