「交響曲第5番 (マーラー)」の版間の差分

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[[スケルツォ]](力強く、速すぎずに)、[[ニ長調]] 3/4拍子、自由なソナタ形式
 
拡大されたソナタ形式のスケルツォで全曲の中でも最長の楽章。この楽章単独で第2部となっている。第1、2楽章から一転して楽しげな楽想で、4本のホルンの特徴的な信号音の導入に促されて木管が第1主題(スケルツォ主題)を出す。第1主題が変奏されながらひとしきり発展した後、レントラー風の旋律を持つ第2主題(第1トリオ)が「いくぶん落ち着いて」ヴァイオリンで提示される。これは長く続かず、すぐに第1主題が回帰する。まもなく、展開的な楽想になり「より遅く、落ち着いて」と記された長い第3主題部(第2トリオ)へ入ってゆく。主題を変奏しながら進行し、最後はピッツィカートで扱われる。そこから第2主題が顔を出して展開部へ入る。展開部は短いが、ホルツクラッパーが骨の鳴るような音を出すなど効果的に3つの主題を扱う。提示部と同様に再現部も開始する。第1主題の再現後、第2主題、第3主題も混ざり合わさって劇的に展開し、展開部が短いのを補っている。その後、第2主題が穏やかに残り、提示部と同様に第3主題による静止部分がきて、やはり最後はピッツィカートで扱う。コーダは華やかなもので最後にホルンの信号音が出て曲を閉める。
 
全曲の構成は、この長大なスケルツォ楽章を中心として各楽章が対称的に配置されており、マーラーは、この手法を[[交響曲第7番 (マーラー)|第7番]]でも使用することになる。