「チャハル・モンゴル語」の版間の差分

[[モンゴル国]]ではハルハ・モンゴル語が標準語とされているが、中国ではこの言語がモンゴル語の標準語となっている。

[[SIL]]では''周辺モンゴル語'''（[[英語]]：''Peripheral Mongolian''，[[ISO 639-3|ISO 639-3コード]]：{{SIL|mvf}}）と定義付けされているが、中国国内のモンゴル語三大方言の一つであり、地理分布が最も広い方言である。[[内蒙古自治区|内蒙古自治区人民政府]]は[[1980年]][[3月31日]]に《モンゴル語基礎方言標準音とモンゴル語の書き表し方》を発表し、内蒙古自治区の[[シリンゴル盟]][[正藍旗]]の発音を[[チャハル・モンゴル語]]として中国におけるモンゴル語の共通語とした。

正藍旗の標準チャハル方言は[母音]]の長短により，語義を区別している。短母音は {{IPA|a}}、{{IPA|ə}}、{{IPA|ɛ}}、{{IPA|i}}、{{IPA|ɪ}}、{{IPA|o}}、{{IPA|ɔ}}、{{IPA|œ}}、{{IPA|ɞ}}、{{IPA|u}}、{{IPA|ʏ}} の11であり、中でも {{IPA|ɛ}}、{{IPA|ɪ}}、{{IPA|œ}}、{{IPA|ɞ}}、{{IPA|u}}、{{IPA|ʏ}}は多音節詞の第一音節には絶対に現れず、連続音として現れる。。{{IPA|a}}、{{IPA|ə}}、{{IPA|i}}、{{IPA|o}}、{{IPA|ɔ}}の5つの短母音は多音節語のあとに続く場合、母音は弱母音となり {{IPA|a̯}}、{{IPA|ə̯}}、{{IPA|i̯}}、{{IPA|o̯}}、{{IPA|ɔ̯}}となる。。

長母音は {{IPA|aː}}、{{IPA|əː}}、{{IPA|eː}}、{{IPA|ɛː}}、{{IPA|iː}}、{{IPA|ɪː}}、{{IPA|oː}}、{{IPA|ɔː}}、{{IPA|œː}}、{{IPA|ɞː}}、{{IPA|øː}}、{{IPA|uː}} の12があり長短母音のそれぞれに対応している。。しかし {{IPA|eː}} と {{IPA|øː}}の長母音はないので10の長母音は单音節または多音節語の中にあらわれるが制限を持たない。。

8の複合母音は（{{IPA|ɞe}}、{{IPA|ue}}、{{IPA|ʏɪ}}、{{IPA|yi}}）、その後ろに（{{IPA|ɞa}}、{{IPA|uə}}、{{IPA|iɔ}}、{{IPA|iu}}）4つが来る。。

基本[[子音]]は {{IPA|b}}、{{IPA|p}}、{{IPA|m}}、{{IPA|ɸ}}、{{IPA|w}}、{{IPA|d}}、{{IPA|t}}、{{IPA|n}}、{{IPA|l}}、{{IPA|r}}、{{IPA|s}}、{{IPA|d͡ʒ}}、{{IPA|t͡ʃ}}、{{IPA|ʃ}}、{{IPA|j}}、{{IPA|ɡ}}、{{IPA|k}}、{{IPA|ŋ̩}}、{{IPA|x}} の19である。。顎化子音は {{IPA|bʲ}}、{{IPA|mʲ}}、{{IPA|dʲ}}、{{IPA|tʲ}}、{{IPA|nʲ}}、{{IPA|lʲ}}、{{IPA|rʲ}}、{{IPA|ɡʲ}}、{{IPA|ŋʲ}}、{{IPA|xʲ}} の10であり，語頭に現れることはない。このほか感嘆詞にあらわれる[[吸気音]] {{IPA|[s‹]}}、{{IPA|[t͡s‹]}} が2つある。