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== パラドックスの一覧 ==
=== 哲学 ===
*; [[ゼノンのパラドックス]]
: [[無限]]とその分割に関するパラドックス。最も有名なものは下記の「アキレウスとカメのパラドックス」。他のものについてはリンク先記事を参照。
: [[カメ]]を追いかけてカメのいた地点にたどり着いても、その時点でカメはさらに先に進んでいるため永久にカメに追いつくことはできない。
*; [[探求のパラドックス]]
: 探求の対象が何であるかを知っていなければ探求はできない(さもなくばそれは顔も名前も知らない人を探すようなものである)。しかし、それを知っているならば既に答えは出ているので探求の必要はない。[[プラトン]]が[[メノン (対話篇)|メノン]]にて指摘した。
*; [[グルーのパラドックス]]
: [[アメリカ合衆国|アメリカ]]の哲学者[[ネルソン・グッドマン]]の考えた[[帰納]]にまつわるパラドックス。同じデータからは複数の帰納が可能である。
*; [[全能の逆説]]
: 全能者は自分が持ち上げることができないほど重い石を作る事ができるか?
*; [[砂山のパラドックス]](ソリテス・パラドックス)
: 砂山から数粒の砂を取り除いても砂山だが、数粒取り除く操作を何度もくり返し、最終的に一粒だけ残ったものも「砂山」と呼べるか。
*; [[ハゲ頭のパラドックス]]
: ハゲ(ここでは「髪の薄い人」の意)に数本の毛を追加してもハゲである。毛を追加する操作を何度も繰り返す事で、全ての人がハゲだと分かる。砂山のパラドックスの起源とされる。
*; [[テセウスの船]]
: 度重なる船の修理で部品交換を繰り返しているうちに、船ができた当初あった部品は全て無くなった。現在の船は最初の船と同一のものか。
*; [[現象判断のパラドックス]]
: 心身問題に関わるパラドックス。[[ルネ・デカルト]]の時代以来続く、心的なものと物理的なものとの間の相互作用に関わる困難についてのパラドックスの現代版。
<!--
*; [[カラスのパラドックス]]
: [[帰納]]にまつわるパラドックス。
「ペンペルのカラス」として他所で表に載っているので、削除。
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=== 数学・記号論理学 ===
*; [[バナッハ=タルスキーのパラドックス]]
: 球を5個以上に分割して組み立てなおすと、もとの球と同じ大きさの球が2個できる、というもの。[[選択公理]]の不自然さを指摘したもの。
*; [[ヘンペルのカラス]]
: カラスを1羽も見る事無く「カラスは黒い」を証明できる、というもの。[[対偶論法]]の不自然さを指摘したもの。
*; [[抜き打ちテストのパラドックス]]
: 「期間内に抜き打ちテストを行う」という特に間違ってなさそうな言説から矛盾を導く。このパラドックスを解消するには[[様相論理]]を必要とする。
*; [[トムソンのランプ]]
: 今から1秒後にランプをつけ、その1/2秒後にランプを消し、さらにその1/2<sup>2</sup>秒後にランプをつけ…というように1/2<sup>n</sup>秒毎にランプのon/offを切替えると、全部で2秒経過したときランプはついているか。
*; [[すべての馬は同じ色]]
: 数学的帰納法をもとにした擬似パラドックス。
 
==== 自己言及パラドックス関連 ====
*; [[ラッセルのパラドックス]]
: 自分自身を要素としない[[集合]]の集合は、自分自身を含んでいるか。
*; [[ベリーのパラドックス]]
: 「19文字以内で記述できない最小の[[自然数]]」は何か?(「」内の文章自体が19文字であることに注意)
*; [[自己言及のパラドックス|嘘つきのパラドックス]]
: 「この文章は嘘である」。ゲーデルはこれを「この命題は証明出来ない」という命題に改めて、第一不完全性定理を導いた。
*; [[カリーのパラドックス]]
: 「この文章が正しいならばAである」(Aが真でない場合、矛盾する)
*; [[床屋のパラドックス]]
: ある村の床屋は自分で髭を剃らない村人全員の髭だけを剃ることになっている。それではこの床屋自身の髭は誰が剃るのか。
*; [[例外のパラドックス]]
: 「[[例外]]のない規則はない」という規則に例外はあるか。(例外があると仮定しても、無いと仮定しても自己矛盾する)
*; 張り紙禁止のパラドックス
: 「この壁に張り紙をしてはならない」という張り紙は許容されるか。
*; [[リシャールのパラドックス]]
:
*; [[ブラリ=フォルティのパラドックス]]
: 「全ての[[順序数]]の集合」を仮定すると、それ自身が順序数であることから矛盾が生じる。
*; [[ワニのパラドックス]]
: 「自分の行動を当ててみろ」という襲撃者に対し、たった一言でその動きを完ぺきに制御してしまう。自己言及型のパラドックスの1つ。
*; [[自動点灯ライトのパラドックス]]
:
*; [[相対主義#相対主義の自己矛盾|相対主義のパラドックス]]
: 相対主義は「相対主義を認めない」も許容するのか。あるいは「どの主張も絶対的に正しくない」という相対主義の主張は絶対的なのか。
 
==== 無限の濃度に関するもの ====
*; [[ガリレオ・ガリレイ|ガリレオ]]のパラドックス
: ほとんどの[[自然数]]は[[平方数]]ではないにもかかわらず、自然数 ''n'' を平方数 ''n''<sup>2</sup>に対応させると、自然数全体と平方数全体とは1対1対応する。
*; [[ダフィット・ヒルベルト|ヒルベルト]]の[[無限ホテルのパラドックス]]
: 無限に部屋のある[[ホテル]]は、満室であってもそれぞれ ''n'' 番目の客室の客に ''n'' + ''m'' 番目の客室に移ってもらうことにより、さらに ''m'' 人の客を泊めることができる。無限の客がやってきても、元いた客に ''2n'' 番目の客室に移ってもらうことにより入室可能。
: これら2つは一見真のパラドックスに見えるが、実は擬似パラドックスにすぎず、数学的に正しい事実を述べている。[[濃度 (数学)|濃度]]を参照。
*; スコーレムのパラドックス
: 下降型[[レーヴェンハイム-スコーレムの定理]]によると、[[公理的集合論|ZF 集合論]]も可算モデルを持つことになるが、ZF 集合論の中には非可算集合が存在する。このことは一見不合理のように見えるので、スコーレムのパラドックスと呼ばれる。しかし、これは実際はパラドックスではなく、形式体系内での集合概念と、メタ理論内の集合概念の違いをはっきり認識していないと不可解に見えるというに過ぎない。
 
==== 確率論関連 ====
* [[誕生日のパラドックス]] - 何人の人が集まると、その中に同じ誕生日の2人がいる[[確率]]が50%以上となるか。
:* 何人[[陽性人が集まるパラドックス]] - 検査で[[陽性]]であったその中実際同じ誕生日の2人が感染している[[確率]]が50は何%以上となるか。
* [[モンティ・ホール問題]] - 3つのドアの選び方。
* [[陽性のパラドックス]]
: 検査で[[陽性]]であったとき、実際に感染している確率は何%か。
* [[モンティ・ホール問題]]
: 3つのドアの選び方。
* [[3囚人問題]]
:
* [[サンクトペテルブルクのパラドックス]]
:* [[シンプソンのパラドックス]] - 集団を2つに分けた場合にある仮説が成り立っても、集団全体では正反対の仮説が成立することがある。
:
* [[シンプソンのパラドックス]]
: 集団を2つに分けた場合にある仮説が成り立っても、集団全体では正反対の仮説が成立することがある。
これらは全て擬似パラドックスに過ぎない。
 
=== 物理 ===
* [[ダランベールのパラドックス]]
:
 
==== 宇宙論関連 ====
[[画像:Boyle'sSelfFlowingFlask.png|right|250px|thumb|ボイルのフラスコ]]
*; [[オルバースのパラドックス]]
: 宇宙が一様かつ十分に大きければ、一つの星の光は僅かでも総和として夜空は太陽面のように明るく輝くはずだというパラドックスである。光の速度が有限であり、また宇宙やその年齢が夜空を星で埋め尽くすほどには大きくないため、前提が成立しないことが明らかとなった<ref name="Harrison">{{cite book|和書
| author=エドワード・ハリソン (Edward Harrison)
147 ⟶ 140行目:
| publisher=地人書館 | year=2004 | month=11 | isbn=4-8052-0750-7
}}</ref>。
*; [[フーゴ・フォン・ゼーリガー|ゼーリガー]]のパラドックス
: 宇宙が一様かつ無限であれば1つの星の重力は僅かでも総和として地球はあらゆる方向から無限に強く引かれるはずだというパラドックスだが膨張宇宙の発見により回避された。
*; [[フェルミのパラドックス]]
:
 
==== 相対性理論関連 ====
*; ガレージのパラドックス
: 物体が高速で動けば、その長さは縮む([[ローレンツ収縮]])。静止する人から見ると、高速で走る車は長さが縮み、車と同じ長さのガレージに収まる。高速で走る車内から見ると、高速で動くのは前方のガレージを初めとする周りのもの全てであり([[相対性理論]]より)、それらは空間ごと縮む。車の長さは不変のため、ガレージには収まらない。<!--出典不明のため以下の記述はコメント化--><!--実際には、車の先頭が停止してから順次後方が停止する場合、その波動が光速で移動したとしても、ひしゃげることになるので、車は結局潰れる。車の外から見る場合と中から見る場合とで潰れるタイミングが違って見えるだけである。なお、相対論においては絶対的な同時性が存在しないため、剛体は存在し得ない。-->
*; [[双子のパラドックス]]
: 双子の片方が光速に近い速度で宇宙を旅行してから地球に帰ってきたときに、彼は地球に残してきた兄弟よりも若くなっているか年をとっているか([[ウラシマ効果]])。
*; [[ゲーデル解]]
: [[一般相対性理論]]における[[アインシュタイン方程式]]の厳密解の一つ。[[時空]]の回転と[[宇宙項]]を仮定した場合に得られるもので、時間旅行が理論的に可能になる。
 
==== 量子力学関連 ====
* [[アインシュタイン=ポドルスキー=ローゼンのパラドックス|EPRのパラドックス]]
:
* [[シュレーディンガーの猫]]のパラドックス
:
 
=== 経済学・社会科学 ===
* [[グロスマン・スティグリッツのパラドクス]]
:
* [[囚人のジレンマ]]
:
* [[投票の逆理]](コンドルセのパラドックス)
* [[陽性投票行動のパラドックス]]
:
* [[投票行動のパラドックス]]{{en icon}}
:
* [[アビリーンのパラドックス]]
:* [[エレベーターのパラドックス]] - [[エレベーター]]はいつも一方にばかり動いているように見える。
:
* [[エレベーターのパラドックス]]
: [[エレベーター]]はいつも一方にばかり動いているように見える。
* [[イノベーションのジレンマ]]
:
* [[コモンズの悲劇]]
:
* [[:en:Braess's paradox|ブライスのパラドックス]]{{en icon}}
* [[倹約のパラドックス]]<ref>{{Citebook|和書|author=ポール・クルーグマン|authorlink=ポール・クルーグマン|coauthors=[[ロビン・ウェルス]]|others=[[大山道広]]・[[石橋孝次]]・[[塩澤修平]]・[[白井義昌]]・[[大東一郎]]・[[玉田康成]]・[[蓬田守弘]]訳|year=2009|month=4|title=クルーグマン マクロ経済学|publisher=東洋経済新報社|isbn=978-4-492-31397-8|pages=p. 333}}</ref> - 景気が悪くなるとその対策として皆が倹約するが、その結果として需要が減り、さらに景気が悪化する、というもの。倹約という不景気対策が逆に自体を悪化させるのがパラドックスたる所以である。([[合成の誤謬]]も参照。)
:
:* [[ギッフェン財|ギッフェン・パラドックス]] - 普通は値段が上がれば需要が落ちるのに、ある種の財([[ギッフェン財]])では値段が上がると、かえって需要が増える。
* [[倹約のパラドックス]]<ref>{{Citebook|和書|author=ポール・クルーグマン|authorlink=ポール・クルーグマン|coauthors=[[ロビン・ウェルス]]|others=[[大山道広]]・[[石橋孝次]]・[[塩澤修平]]・[[白井義昌]]・[[大東一郎]]・[[玉田康成]]・[[蓬田守弘]]訳|year=2009|month=4|title=クルーグマン マクロ経済学|publisher=東洋経済新報社|isbn=978-4-492-31397-8|pages=p. 333}}</ref>
* [[レオンティエフの逆説]]<ref>{{Citebook|和書|author=ポール・クルーグマン|authorlink=ポール・クルーグマン|coauthors=[[ロビン・ウェルス]]|others=[[大山道広]]・[[石橋孝次]]・[[塩澤修平]]・[[白井義昌]]・[[大東一郎]]・[[玉田康成]]・[[蓬田守弘]]訳|year=2007|month=10|title=クルーグマン ミクロ経済学|publisher=東洋経済新報社|isbn=978-4-492-31383-1|pages=p. 499}}</ref> - アメリカの資本が優れている事から、アメリカの輸出品は輸入品よりも[[資本集約的]]であると想像されるが、実際は逆である。
: 景気が悪くなるとその対策として皆が倹約するが、その結果として需要が減り、さらに景気が悪化する、というもの。倹約という不景気対策が逆に自体を悪化させるのがパラドックスたる所以である。([[合成の誤謬]]も参照。)
* [[ギッフェン財|ギッフェン・パラドックス]]
: 普通は値段が上がれば需要が落ちるのに、ある種の財([[ギッフェン財]])では値段が上がると、かえって需要が増える。
* [[レオンティエフの逆説]]<ref>{{Citebook|和書|author=ポール・クルーグマン|authorlink=ポール・クルーグマン|coauthors=[[ロビン・ウェルス]]|others=[[大山道広]]・[[石橋孝次]]・[[塩澤修平]]・[[白井義昌]]・[[大東一郎]]・[[玉田康成]]・[[蓬田守弘]]訳|year=2007|month=10|title=クルーグマン ミクロ経済学|publisher=東洋経済新報社|isbn=978-4-492-31383-1|pages=p. 499}}</ref>
: アメリカの資本が優れている事から、アメリカの輸出品は輸入品よりも[[資本集約的]]であると想像されるが、実際は逆である。
* [[乗数効果#貯蓄のパラドックス|貯蓄のパラドックス]]
:
 
=== [[サイエンス・フィクション|SF]] ===
*; [[親殺しのパラドックス]]
: [[タイムマシン]]で過去に行き、自分が生まれる前の自分の親を殺したとき、自分は産まれてこないことになる。またそうなると自分が居ないために親が殺されない。さらに、親は殺されないため自分は生まれてくる。という循環ができる([[タイムトラベル]]参照)。
<!--
*; [[タイムマシンのパラドックス]]
: タイムマシンで過去に旅をすると、その途中でタイムマシンの製造過程を通過するためタイムマシンは分解してしまう。
-->
 
=== 未分類 ===
* [[料金紛失トリック|料金の紛失のパラドックス]] - 擬似パラドックス。というよりも単なる論理パズル。
: 擬似パラドックス。というよりも単なる論理パズル。
* [[寛容のパラドックス]]<!--←色々検索した結果、Susan Mendusの「Paradox of Toleration」というのがあるらしいので、おそらくこれの事。-->
:
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パラドックスとは言いがたい
*鶏が先か、卵が先か
:下記解説も独自研究の疑いがある
単純に生物学的な問題として捉えれば、結論はハッキリしており「卵」が先である。しかし、それをさらに遡り、物理生成にまで立ち入ると、ついには宇宙生成論にまで拡大する話となり、なかなか奥深いパラドックスといえる。
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「願い事のパラドックス」は2chで「1度だけ願いをかなえてあげると言われて「願いを2度に増やしてくれ」と答える事」という趣旨の解説を発見。
でも、これを「願い事のパラドックス」という名前で呼ぶのは定着してるのでしょうか?
 
* [[情報化社会のパラドックス]]
:
* [[願い事のパラドックス]]
:
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