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出典不明で怪しい記述をコメントアウト。出典を用いて少し加筆。
Igitur (会話 | 投稿記録)
web出典・無出典等をより信頼できる情報源に置き換え見直し(まだ途中。オーガズム観の歴史が掴めるよう改稿予定) / 加筆修正多謝!引き続き大胆にお願いします(私も大胆にやりますので
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{{性的}}
{{Otheruses|欧州語で「オーガズム」「オルガスムス」「オルガスム」等々の表現で呼ばれる性的で生理的・理的な身の現象や感覚<!-- ここはシンプルにいきましょう -->|それを名称として用いた作品等々など}}
<!-- 訳語メモ
intercourse: 「性交」。性行為より狭義で、陰茎を膣に挿入して行うことのみを指しています。
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anal/anus: 肛門/アナル …基本的に「肛門」ですが、[[アナルセックス]]などでは「アナル」としました。
このあたりは趣味の範疇。とりあえずリンク先の記事名に合わせています。
 
「クリトリス」「ペニス」で加筆していただいた部分を一旦「陰核」「陰茎」に統一させていただきましたが、「クリトリス」「ペニス」に統一しても構いません。
-->
<!-- 項目名について
「オーガズム」で立項されていますが、各種辞書や事典では独語由来の「オルガスムス」が見出しとなっていることが多いようです。一般に使われているのは「オーガズム」だと思われますが。
-->
<!-- 翻訳・加筆TODOメモ
(メモはここに残していますが、打ち合わせが必要な場合はノートに場を移しましょう。)
* 男性のオーガズムの基本的な記述がなく、マルチプルオーガズムだけが詳細になっています。
* 男性のオーガズムの基本的な記述がなく、マルチプルオーガズムだけが詳細になっています。男性のオーガズムについて加筆し、「両性共通の部分」と「どちらかの性だけに当てはまる部分」の区別も明確にしていった方が良さそうです。
* 文化的側面が西洋に偏っています。文化史としてまとめ上げるのはなかなか大変ですが。
* 文化的側面が西洋(とインド)に偏っています。文化史としてまとめ上げるのはなかなか大変ですが、東洋・日本・イスラーム・アフリカなどにも目配りすべきです。
* 動物のオーガズムやオーガズムの文化に関してはドイツ語版の方が優れています。
* 「現在の知見」と「歴史的経緯」を分離して体系的な記述にまとめ直せるかもしれません。
* 節構成は全体として「科学的→文化的」としたいと思います。将来的には医学的・生理学的→生物学的→社会学的→文化・文学的という流れにし、「人間がオーガズムをどう捉えてきたか」の変遷を追う記述にしていきたいと思っております。
 
* discovery.com, about.com, 'Go Ask Alice!' などは情報源としてどのくらい信頼できるのか? これらのサイトのみを情報源にする記述は避け、可能ならより信頼できる情報源に置き換えた方が良さそうです。(こうしたサイトの記述の大半は少数の主要な研究の聞き書きや寄せ集めのようです。生理学的な記述はM&J、統計などはキンゼイやハイトのものを直接参照した方が良いでしょう。)
* Gスポットと女性の射精(潮吹き)の話を加筆するべきか? {{Harvnb|ドレント|2005|pp=114-119}}にある程度記述があるが、「事実に則した情報は、世界中を探してもそれほど多くはない。」(p.119)とあるので信頼できる記述を作るのは現段階では困難か。
* 「社会がオーガズムをどう考えてきたか」を軸に通時的な記述をする節があると良い。女子割礼、タントラ、中国、ヒステリー治療、バイブレーターの歴史、性革命(キンゼイ報告、M&J、ハイト・リポート)、フェミニズム、エソロジー……
-->
'''オーガズム'''({{lang-en-short|orgasm}})・'''オルガスムス'''({{lang-de-short|Orgasmus}})とは、累積的な性的緊張からの突然の解放である。生理的な反応こと大半は男女共通であり<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=31,241-247}}</ref>全身の骨格筋の収縮、過度呼吸、心悸亢進、および骨盤まわりの[[筋肉]]のリズミカルな[[痙攣]]収縮を伴い<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=336-337}}</ref>、強い[[快感]]を生んだ後に弛緩状態に至るもののことであり<ref name="health.discovery.com">{{cite web|title=Orgasm| publisher=Health.discovery.com| accessdate=21 April 2010|url=http://health.discovery.com/centers/sex/sexpedia/orgasm.html}}</ref>、また一面。他方喜びを感じ、ゆだねるという[[心理]]な経験であり、その時、[[心]]もっぱら自分解放個人頂点の主観な体だけに向けが見られてい<ref>{{Harvnb|J.サドック|A.サドック|2004|p=750}}</ref>。{{仮リンク|マスターズとジョンソン|en|Masters and Johnson}}定義した4段階の{{仮リンク|ヒトの性反応周期|en|Human sexual response cycle|label=性反応周期}}は「オーガズム期」は「高原期」と「後退期」の間にる<ref name="health.discovery.com" /><ref>{{Harvnb|ドレント|2005|p=91}}</ref>。{{lang-grc|οργασμός }}(「熟する」「満ちる」)を語源とし、'''オルガスム'''({{lang-fr-short|Orgasme}})、'''アクメ'''({{lang-fr-short|acmé}})、'''オルガズモ'''({{lang-it-short|Orgasmo}})、'''オルガスミ'''({{lang-fi-short|Orgasmi}})などとも言う<!-- 最後の2つはまず聞かないような? -->。日本語では'''性的絶頂'''とも
<!--
ここまでは他の文献ともそう矛盾しませんが、以下は(素敵な文章ですけれど)突出しており主張が強いように思われましたので一旦コメントアウトします。たとえば後出の「不本意なオーガズム」や、「女性の感情中枢は実質上停止しほぼ昏睡に近い状態が生み出される。」といった記述と矛盾しています。またこの記事はオーガズム全般を扱いますが、これは女性限定の話のように思われます。医学的に取り扱えない体感・心理については文化・文学の領域かもしれません。M&Jや各種リポートなどを俯瞰しつつ慎重に記述を進めてゆきましょう。
以下、出典の英語の原文と照らし合わせて検証してみたが、出典に書かれていることと異なったことを表示している。出典偽装の疑い。文意がかなり異なるし、「ヒトの」などという書き方もしていない。「ヒト」という言葉を乱発するのは、一部のウィキペディアンにありがちな独自研究の典型。
 
また一面では、喜びを感じ、ゆだねるという[[心理]]的な経験であり、その時、[[心]]はもっぱら自分の個人的な体験だけに向けられているものである<ref name="health.discovery.com" />。
激しい快感により特徴付けられる、{{仮リンク|ヒトの性反応周期|en|Human sexual response cycle}}における{{仮リンク|高原期|en|plateau phase}}のピークである<ref name="health.discovery.com">{{cite web|title=Orgasm| publisher=Health.discovery.com| accessdate=21 April 2010|url=http://health.discovery.com/centers/sex/sexpedia/orgasm.html}}</ref>。-->
-->
{{lang-grc|οργασμός }}(「熟する」「満ちる」)を語源とし、'''オルガスムス'''({{lang-de-short|Orgasmus}})、'''オルガズモ'''({{lang-it-short|Orgasmo}})、'''オルガスム'''({{lang-fr-short|Orgasme}})、'''アクメ'''({{lang-fr-short|acmé}})、'''オルガスミ'''({{lang-fi-short|Orgasmi}}) などとも言う。日本語では'''性的絶頂'''とも。
 
オーガズムは[[男性]]と[[女性]]が共に経験するものであり、不随意もしくは自律的な[[大脳辺縁系]]により支配されており、[[性器]]<!-- primary sexual organ: 'primary' 訳出せず -->と[[肛門]]を取り囲む下部[[骨盤]]筋群<!-- lower pelvic muscles -->の高速な{{仮リンク|筋収縮|en|muscle contraction}}のサイクルを伴う<ref name=health.discovery.com/>。オーガズムの間には[[脳波]]のパターンにはっきりとした変化が現れ、このことはオーガズムの反応における辺縁系の重要性を示している<ref name=health.discovery.com/>。<!-- オーガズムには他にもしばしば身体の複数部分での筋肉の[[痙攣]]や全身の[[多幸感]]などの不随意運動を伴い、またしばしば体の動きや発声<!-- 喘ぎ声 -->も見られる。-->男性においてと女性の脳<!-- (パートナーによりもたらされる)-->オーガズムの間に類似した変化を見せ、脳活動のスキャンは[[大脳皮質]]の大部分での[[射精代謝]]活動の低下至る辺縁系での代謝活動の無変化もしくは増大を示す<ref name="Georgiadis">{{Cite journal|author=Georgiadis JR, Reinders AA, Paans AM, Renken R, Kortekaas R |title=Men versus women on sexual brain function: prominent differences during tactile genital stimulation, but not during orgasm |journal=Human Brain Mapping |volume=30 |issue=10 |pages=3089–101 |year=2009 |month=October |pmid=19219848 |doi=10.1002/hbm.20733}}</ref>
 
男女のオーガズムの生理的な相違点としては[[射精]]および{{仮リンク|不応期|en|refractory period (sex)}}の存在がある。男性においては、オーガズムは一般的に[[射精]]へと至り<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=191}}</ref>、オーガズム後しばらくは再びオーガズムに到達できない{{仮リンク|不応期|en|refractory period (sex)}}がある<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=30}}</ref>。不応期にはしばしばリラックス感が伴い、これは[[神経ホルモン]]である[[オキシトシン]]と[[プロラクチン]]の放出によるものとされている<ref>{{Cite journal|author=Exton MS, Krüger TH, Koch M, ''et al.'' |title=Coitus-induced orgasm stimulates prolactin secretion in healthy subjects |journal=Psychoneuroendocrinology |volume=26 |issue=3 |pages=287–94 |year=2001 |month=April |pmid=11166491 |doi=10.1016/S0306-4530(00)00053-6}}</ref>。女性はオーガズムを比較的長時間維持することができ、オーガズム直後の性的刺激により再度オーガズムに戻ることができる<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=129}}</ref>。
オーガズムは性的刺激に対する生理学的な自律反応である。オーガズムの間には[[脳波]]のパターンにはっきりとした変化が現れ、このことはオーガズムの反応における辺縁系の重要性を示している<ref name=health.discovery.com/>。
<!--
出典の英語のサイトや論文2点の原文を確認してみたが、以下の日本語のようには書かれていない。Igiturさんが翻訳元として利用したウィキペディア英語版がすでに出典偽装したり、独自研究を織り込んでいる疑いが濃厚。
 
オーガズムは通常、男性では[[陰茎]]の、女性では[[陰核]]の刺激によりもたらされる<ref name=health.discovery.com/><ref name="O'Connell">{{Cite journal|author=O'Connell HE, Sanjeevan KV, Hutson JM |title=Anatomy of the clitoris |journal=The Journal of Urology |volume=174 |issue=4 Pt 1 |pages=1189–95 |year=2005 |month=October |pmid=16145367 |laysummary=http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/5013866.stm Time for rethink on the clitoris -|laysource=[[BBCニュース|BBC News]] |laydate=11 June 2006 |doi=10.1097/01.ju.0000173639.38898.cd}}</ref>。刺激は自身によるもの([[オナニー]])でもパートナーによるものでもよく、後者は挿入を伴う[[性交]]でも伴わない[[ペッティング]]やその他の[[性行為]]でも良い。さらには、パートナー同士で同時に互いの性器を愛撫したり、挿入を伴う性交を行ったり、その他のリズミカルな性器同士の接触を行ったりすることで同時にオーガズムを迎える場合もある。-->
 
{{仮リンク|不応期|en|refractory period (sex)}}として知られるオーガズム後の期間にはしばしばリラックス感が伴い、これは[[神経ホルモン]]である[[オキシトシン]]と[[プロラクチン]]の放出によるものとされている<ref>{{Cite journal|author=Exton MS, Krüger TH, Koch M, ''et al.'' |title=Coitus-induced orgasm stimulates prolactin secretion in healthy subjects |journal=Psychoneuroendocrinology |volume=26 |issue=3 |pages=287–94 |year=2001 |month=April |pmid=11166491 |doi=10.1016/S0306-4530(00)00053-6}}</ref>。男性と女性の脳は(パートナーによりもたらされる)オーガズムの間には類似した変化を見せ、脳活動のスキャンは[[大脳皮質]]の大部分での一時的な[[代謝]]活動の低下と辺縁系での代謝活動の無変化もしくは増大を示す<ref name="Georgiadis">{{Cite journal|author=Georgiadis JR, Reinders AA, Paans AM, Renken R, Kortekaas R |title=Men versus women on sexual brain function: prominent differences during tactile genital stimulation, but not during orgasm |journal=Human Brain Mapping |volume=30 |issue=10 |pages=3089–101 |year=2009 |month=October |pmid=19219848 |doi=10.1002/hbm.20733}}</ref>。
 
[[File:Podkowiński-Szał uniesień-MNK.jpg|thumb|300px|{{仮リンク|ヴワディスワフ・ポドコヴィンスキー|en|Władysław Podkowiński}}{{訳語疑問点|date=2011年5月}}画『エクスタシー』(1894)。オーガズムを描いている。]]
 
== 定義 ==
「オーガズム」は生理学的・医学的には男女いうもに生殖器周辺筋肉の素早くリズミカルで強力な収縮通常および心拍数・呼吸数・血圧の増大や瞳孔の拡散<!-- 瞳孔の拡散ブラックリッジドレントにあり、『カプラン』にはない快感 -->などを特徴として定義されてい<ref>{{仮リンHarvnb|J.サドック|ヒトの性反応周期A.サドック|en2004|Human sexual response cycle|labelpp=性反応周期750-752}}における</ref><ref>{{仮リンHarvnb|ブラッリッジ|高原期2005|en|plateau phasepp=395-397}}のピークとして定義されている</ref name><ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp="health.discovery.com"252-253}}<!-- ほか至るところ --></ref>。だが、「オーガズム」の定義にはばらつきがあり、心理的・社会的要素もある<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=126,191}}</ref>ため、一貫した分類をどう行うかのコンセンサスは得られていないと考えられている<ref name=levine_orgasm>{{Cite journal|author=Levine, R.J.|year=2004|title=An orgasm is... who defines what an orgasm is?|journal=Sexual and Relationship Therapy|volume=19|pages=101–107 |doi=10.1080/14681990410001641663}}</ref>。例えば学術誌『臨床心理学レビュー』では少なくとも26のオーガズムの定義がリストアップされている<ref name=mah_&_binik>{{Cite journal|author=Mah K, Binik YM |title=The nature of human orgasm: a critical review of major trends |journal=Clinical Psychology Review |volume=21 |issue=6 |pages=823–56 |year=2001 |month=August |pmid=11497209 |doi=10.1016/S0272-7358(00)00069-6}}</ref>。
[[Gスポット]]のみの刺激により得られる女性のオーガズムや、数分間やさらには1時間も続く引き延ばされた・連続的なオーガズム<!-- 略: demonstration of -->といった種類の性感を厳密な意味で「オーガズム」と分類すべきかについては議論がある<ref>{{Cite book| author = Schwartz, Bob | title = The One Hour Orgasm: A New Approach to Achieving Maximum Sexual Pleasure | publisher = Breakthru Publishing | month = May | year = 1992 | isbn = 0942540077}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref>。この問題はオーガズムの臨床的な定義を軸とするものであるが、こうしたオーガズムの見方が単に生理学的なものである一方で、[[心理学]]的・[[内分泌学]]的・[[神経学]]的な「オーガズム」の諸定義もある<ref name=levine_orgasm/>。こうしたケースでは、経験される感覚は主観的なものであり、オーガズムの特徴である不随意の収縮は必ずしも関与する必要はない。しかしながら、両性が経験する感覚は極めて快いものであり、しばしば全身で体感され、超越的<!-- transcendental: 「小さな死」ですね -->とも呼ばれる心的状態をもたらし、{{仮リンク|血管充血|en|vasocongestion}}とそれに結び付いた快感は、収縮を伴う完全なオーガズムのそれと比肩しうるものである。例えば、現代における諸発見は射精と男性のオーガズムを区別することを支持するものとなっている<ref name=mah_&_binik/>。この理由のため、これらを厳密な意味でオーガズムと定義すべきかを巡っては両方の立場からのさまざまな見解がある。<!-- 段落頭と重複しているので省略していいか? -->
<!--
以下の文章だが、<要ページ>タグが貼りつけられている、ということは、つまり誰かが「出典に書かれていない疑いがある」「出典偽装が行われている可能性がある」と疑義を示したが、その後正しくページを提示できる者がいない、ということ。偽装が疑われる文章は表示しないほうがよい。
 
[[Gスポット]]のみの刺激により得られる女性のオーガズム<!-- [[潮吹き]]とした方がいいか? -->や、数分間やさらには1時間も続く引き延ばされた・連続的なオーガズム<!-- 略: demonstration of -->といった種類の性感を厳密な意味で「オーガズム」と分類すべきかについては議論がある<ref>{{Cite book| author = Schwartz, Bob | title = The One Hour Orgasm: A New Approach to Achieving Maximum Sexual Pleasure | publisher = Breakthru Publishing | month = May | year = 1992 | isbn = 0942540077}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref>。この問題はオーガズムの臨床的な定義を軸とするものであるが、こうしたオーガズムの見方が単に生理学的なものである一方で、[[心理学]]的・[[内分泌学]]的・[[神経学]]的な「オーガズム」の諸定義もある<ref name=levine_orgasm/>。こうしたケースでは、経験される感覚は主観的なものであり、オーガズムの特徴である不随意の収縮は必ずしも関与する必要はない。しかしながら、両性が経験する感覚は極めて快いものであり、しばしば全身で体感され、超越的<!-- transcendental: 「小さな死」ですね -->とも呼ばれる心的状態をもたらし、{{仮リンク|血管充血|en|vasocongestion}}とそれに結び付いた快感は、収縮を伴う完全なオーガズムのそれと比肩しうるものである。例えば、現代における諸発見は射精と男性のオーガズムを区別することを支持するものとなっている<ref name=mah_&_binik/>。この理由のため、これらを厳密な意味でオーガズムと定義すべきかを巡っては両方の立場からのさまざまな見解がある。<!-- 段落頭と重複しているので省略していいか? -->
臨床の文脈では、オーガズムは通常性行為の間に起こる関係する筋肉の収縮、ならびに心拍数、血圧、呼吸の速度・深さの変化の特徴的なパターンによって厳密に定義される<ref name=M&J/>。-->
 
== オーガズムへの到達 ==
<!-- [[ファイル:OrgasmTime.jpg|thumb|right|男女のオーガズムに達するまでの時間の概念的な比較:青い線が男性、赤い線が女性]] この画像自体が独自研究ではないかと思われるためコメントアウト -->
=== 総論 ===
<!-- 女性特有の部分については次の「女性のオーガズム」節に再出しますので大幅に簡略化しました。 -->
男性がオーガズムに到達する最も一般的な方法は[[陰茎]]の{{仮リンク|性的刺激|en|sexual stimulation}}、女性のそれは[[陰核]]の刺激である<ref name=health.discovery.com/><ref name="O'Connell"/><ref name="womenshealth.about.com">{{cite web|first=Tracee|last=Cornforth|title=The Clitoral Truth|publisher=[[About.com]]([[All About]])|date=17 July 2009|accessdate=21 April 2010|url=http://womenshealth.about.com/cs/sexuality/a/clitoraltruthin_2.htm}}</ref><ref name="www.sexualhealth.com">{{cite web|first=Robert|last=Birch |title=Did you orgasm?|publisher=Sexualhealth.com|date=16 November 2007|accessdate=21 April 2010|url=http://www.sexualhealth.com/article/read/women-sexual-health/orgasm/486/}}</ref>。だが、男性と女性では、オーガズムのありかたや、それに至るのに適した行為は、かなり異なっている<ref name="www.sexualhealth.com" />。男性にとっては、ペニスを膣に入れて動かす性行為は自分がオーガズムに達するにはちょうどよいが、大半の女性にとってはその行為はオーガズムに達するには適していない<ref name="womenshealth.about.com" />。
<!-- TODO: === 男性のオーガズム === も作成 -->心理学的・生理学的な性的刺激による静脈の鬱血や筋緊張の増大からの解放としてオーガズムが引き起こされる<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=126,191}}</ref><ref>{{Harvnb|J.サドック|A.サドック|2004|p=750}}<!-- M&Jを引いています--></ref>。男性がオーガズムに到達する最も一般的な方法は[[陰茎]]の{{仮リンク|性的刺激|en|sexual stimulation}}、女性のそれは[[陰核]](クリトリス)の刺激である<ref name=health.discovery.com/><ref name="O'Connell">{{Cite journal|author=O'Connell HE, Sanjeevan KV, Hutson JM |title=Anatomy of the clitoris |journal=The Journal of Urology |volume=174 |issue=4 Pt 1 |pages=1189–95 |year=2005 |month=October |pmid=16145367 |laysummary=http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/5013866.stm Time for rethink on the clitoris -|laysource=[[BBCニュース|BBC News]] |laydate=11 June 2006 |doi=10.1097/01.ju.0000173639.38898.cd}}</ref><ref name="O'Connell"/><ref name="womenshealth.about.com">{{cite web|first=Tracee|last=Cornforth|title=The Clitoral Truth|publisher=[[About.com]]([[All About]])|date=17 July 2009|accessdate=21 April 2010|url=http://womenshealth.about.com/cs/sexuality/a/clitoraltruthin_2.htm}}</ref><ref name="www.sexualhealth.com">{{cite web|first=Robert|last=Birch |title=Did you orgasm?|publisher=Sexualhealth.com|date=16 November 2007|accessdate=21 April 2010|url=http://www.sexualhealth.com/article/read/women-sexual-health/orgasm/486/}}</ref>。<!-- 女性においては[[スキーン腺]]、男性においては[[前立腺]]と呼ばれている内分泌腺も性的刺激において重要であり、これらは[[相同]]構造<!- structures: 「器官」の方がいい? ->である。一般的には、これらの領域は[[Gスポット]]と呼ばれている{{要出典|date=2011年7月}}。: 全ての人に重要なわけではないですし、どの程度重要なのかは検証が必要なので一旦コメントアウトします。 -->
 
陰茎を膣に挿入して行う性交でオーガズムに達する女性は全体のおよそ35%にすぎないという調査もある<ref name="www.sexualhealth.com" /><!-- TODO: ウェブサイト出典は独自解釈の混じった孫引きのようなものが目立ちます。元となった調査(恐らくハイト・リポート?)を引用した方が良いでしょう。 -->(後述)。女性は[[乳首]]、[[子宮]]({{仮リンク|子宮オーガズム|en|uterine orgasm}})、その他の[[性感帯]]の刺激によってもオーガズムが得られることがあるが、これは比較的稀である<ref name="Otto">Otto, Herbert A. (1988) New Orgasm Options: Expanding Sexual Pleasure.</ref>。
男性においては、ペニスを膣に入れて動かす性行為は、自分がオーガズムに達するにはちょうどよい圧と刺激をもたらしてくれる<ref name="womenshealth.about.com" />。また男性は[[オーラルセックス]]([[フェラチオ]]をしてもらうこと)、[[肛門]]([[アナルセックス]])を用いた性交、もしくは[[オナニー]]によって充分な刺激を得ることができる。これは通常[[射精]]を伴う。男性が射精することなくオーガズムに達すること(「[[ドライオーガズム]]」として知られる)も、オーガズムに達することなく射精することもある。[[夢精]]、[[遅漏]]、{{仮リンク|無オーガズム症|en|Anorgasmia}}の射精などが後者の例である。
 
女性においては、大まかに言えば、多くの女性がクリトリスへの刺激を必要とする<ref name="womenshealth.about.com" />とは言える。だがより詳細に見ると、15%ほどの女性は一度もオーガズムを経験したことがなく<ref name="www.sexualhealth.com" />、10%の女性は独りで[[マスターベーション]]している時にしかオーガズムに達しない<ref name="www.sexualhealth.com" />。女性の過半数が、男性と過ごしつつオーガズムに達しはすると言っても、(それはべつに、自分の膣に男性のペニスが入った形での性交のおかげというわけではなく)男性が自分のクリトリスを擦ったり舐めてくれたりしている時、あるいはバイブレータを用いてくれている時にしかオーガズムに達しないのである<ref name="www.sexualhealth.com" />。
膣での性交でオーガズムに達する女性は全体のおよそ35%にすぎず、これはつまり、65%の女性は膣にペニスが入る性交だけではオーガズムに達することは無い、ということを意味している<ref name="www.sexualhealth.com" />。
<!--
出典が無い記述。
 
男女ともに、物理的な刺激のほか、夢の中でのように心理的な興奮のみによってもオーガズムに達することがある<ref name=womenshealth.about.com/>。男性は射精することなくオーガズムに達すること(「[[ドライオーガズム]]」として知られる)も、オーガズムに達することなく射精することもある。[[夢精]]、[[遅漏]]、{{仮リンク|無オーガズム症|en|Anorgasmia}}の射精などが後者の例である。
しかも(というか、出典も無いまま、男が自分の思いこみで書いているからか?必然というか)、いきなりわざわざ「膣による性交」を挙げるというのは、方向的には間違ったことを主張している。ほぼ誤情報。男の側にありがちな幻想。
 
膣による性交、
-->
(なおクリトリスへの刺激の例としては、例えば[[クンニリングス]]、オナニー、[[ペッティング]]全般、また[[バイブレータ (性具)|バイブレータ]]や{{仮リンク|性的な電気刺激|en|erotic electrostimulation}}などが挙げられるかも知れない。)[[乳首]]、[[子宮]]({{仮リンク|子宮オーガズム|en|uterine orgasm}})、その他の[[性感帯]]の刺激によってもオーガズムが得られることがあるが、これは比較的稀である<ref name="Otto">Otto, Herbert A. (1988) New Orgasm Options: Expanding Sexual Pleasure.</ref>。物理的な刺激のほか、夢の中でのように心理的な興奮のみによってもオーガズムに達することがある<ref name=womenshealth.about.com/>。
<!-- (nocturnal emission for males or females) 女性の"nocturnal emission"はどう訳せばいいのか?「夢濡」? -->
性的刺激において重要となるのは女性においては[[スキーン腺]]、男性においては[[前立腺]]と呼ばれている内分泌腺であり、これらは[[相同]]構造<!-- structures: 「器官」の方がいい? -->である。一般的には、これらの領域は[[Gスポット]]と呼ばれている。
<!-- 情報源がなく、内容もマニュアル的で、記事全体から見ても必然性に乏しいので訳出せず
* (特に女性の)オーガズム障害の一番の解決策はマスターベーションという旨の情報源が多く存在するのでその方向で再編成すれば意味のある記述にできるかもしれません。
 
=== オーガズム・コントロール ===
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=== 女性のオーガズム ===
<!--
完全な脊髄損傷の女性が膣と子宮頸部への刺激によりオーガズム反応を起こすという研究もあるようです<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|pp=402-404}}</ref>。
現在の記述は陰核に偏りすぎているかもしれません(膣オーガズムに偏りすぎるよりは良いのですが)。
-->
女性のオーガズムが、恐らくは人為的に、2つの異なったものとして分類されることがあるために、
女性のオーガズムを巡る議論は複雑なものとなっている――[[陰核]]のオーガズムと膣(Gスポット)のオーガズムである。
 
膣オーガズムという概念を単独の現象として初めて主張したのは[[ジークムント・フロイト]]であった。1905年にフロイトは、陰核のオーガズムは純粋に思春少女<!-- adolescent: 後出のpubertyとどちらも「思春期」 -->の現象であり、思春期<!-- puberty -->に到達するとすぐに膣オーガズム、すなわち陰核への刺激なしで得られるオーガズムへと移行してゆくのが成熟した女性の適切な反応であると述べた。フロイトはこの基本前提に何ら証拠を示すことはなかったが、この理論の影響は大きなものであった。フロイトの説は男性の陰茎を女性の性的満足の中心に据え、多くの女性たちは陰核への刺激がほとんどもしくは全くなしで膣での性交のみを通じてオーガズムに達することができなかった時に不適切感を覚えるようになった<ref name="www.goaskalice">{{cite web|title=Difference between clitoral and vaginal orgasm|publisher=Go Ask Alice!|date=23 December 1994 (Last Updated/Reviewed on 28 March 2008)|accessdate=21 April 2010|url=http://www.goaskalice.columbia.edu/0469.html}}</ref>
<!-- 左の脚注では記述を完全にはカバーせず。ドレントはほぼ全てカバーするが、「1905年」という年号は要確認(『性理論に関する3つのエッセイ』?)--><ref>{{Harvnb|ドレント|2005|pp=162-167}}</ref>。
 
フロイトの見解とは対照的に、女性の大部分は陰核への刺激によって、もしくは何らかの形での陰核刺激の補助によってのみオーガズムに達することができ、その後の研究<!-- 単に"research"とありますが補いました -->は陰核の刺激が女性がオーガズムに達する最も簡単な方法であるということを支持している<ref name="O'Connell"/><ref name=womenshealth.about.com/><ref name="www.sexualhealth.com"/><ref name="Frank JE">Frank JE, Mistretta P, Will J. Diagnosis and treatment of female [[性機能障害|sexual dysfunction]]. ''American Family Physician''. (2008);77:635. PMID: 18350761</ref><ref name="Chalker">{{cite book |last=Chalker |first=Rebecca |year=2000 |title=The Clitoral Truth |url=http://www.sevenstories.com/Book/index.cfm?GCOI=58322100427350 |publisher=Seven Seas Press |pages=1 |isbn=1-58322-473-4}}</ref><ref name="Big O">{{cite web|title=Dissatisfied, ladies? Tips to reach the Big O Climax is possible for every woman, and men can help them get there!|publisher=[[MSNBC]]|date=November, 02, 2007|accessdate=April 10, 2011|url=http://today.msnbc.msn.com/id/21597671}}</ref><ref name="Shere Hite">{{cite web|author={{仮リンク|シェア・ハイト|en|Shere Hite|label=Shere Hite}}|title=Shere Hite: On female sexuality in the 21st century |publisher=''[[インデペンデント|The Independent]]''|date=April 30, 2006|accessdate=April 10, 2011|url=http://www.independent.co.uk/news/people/profiles/shere-hite-on-female-sexuality-in-the-21st-century-475981.html}}</ref><ref name="Dinitia Smith">{{cite web|first=Dinitia|last=Smith|title=A Critic Takes On the Logic of Female Orgasm|publisher=''[[ニューヨーク・タイムズ|The New York Times]]''|date=May 17, 2005|accessdate=April 10, 2011|url=http://www.nytimes.com/2005/05/17/science/17orga.html?_r=1}}</ref>。{{仮リンク|ゲイル・サルツ|en|Gail Saltz}}は「女性はオーガズムに達するまでに平均で20分間の刺激と興奮を必要とする。男性はこれより遥かに短い時間しかかからない。女性は男性よりも幅広いものを刺激として感じ、またどのような刺激が最も良く機能するかを正確に定義するのも困難である<!-- 訳語やや固い。いろいろな感じ方があり、どうすれば(されれば)一番気持ち良いかをなかなか把握できないということです。 -->。性交だけによってオーガズムに達することができるのは女性のうち20%のみであり、大多数の女性は何らかの直接的な陰核への刺激を必要とする。」<ref name="Big O"/> これは陰核に6000以上もの[[神経繊維]]があるためである<ref name="Chalker"/>。陰核は[[蹄鉄]]のような形で膣を取り囲んでおり<ref name=womenshealth.about.com/>、陰唇に沿い、肛門の方へと伸びる「脚」(陰核脚)を有している<ref name="WWw.goaskalice">{{cite web|title=Doin' the butt — objects in anus?|publisher=Go Ask Alice!|date=7 October 1994 (Last Updated/Reviewed on 26 March 2010)|accessdate=22 April 2010|url=http://www.goaskalice.columbia.edu/0195.html}}</ref>。{{仮リンク|尿道海綿体|en|urethral sponge}}<!-- [[海綿体]]にリダイレクトされてしまう…{{仮リンク}}の弱点です -->が膣の「天井」に沿って走っており、膣を介してこれを刺激することが可能であるが、膣そのものには女性に快感やオーガズムを引き起こす機構は存在していないと考えられている<ref name=womenshealth.about.com/>。<!-- Negating clitoral legs, : 意味を取れず、出典にもないので割愛 -->膣に挿入された陰茎、指、[[張形]]などと接触するのは陰核の一部、尿道海綿体だけである。「陰核の尖端と、これもまた非常に敏感な部分である小陰唇とは、性交中には直接の刺激は受けない。」<ref name=womenshealth.about.com/> [[エルンスト・グレフェンベルグ|グレフェンベルグ]]・スポット、通称[[Gスポット]]は[[恥骨]]の背後にあり[[尿道]]を取り巻く小さな領域であり、膣壁の[[解剖学における方向の表現|前部]](腹側)から触れることができる。このスポットの大きさにはかなりの個人差があるようである。こうした膣の内側の刺激から得られるオーガズムは「膣の」オーガズムと呼ばれる。
 
1966年に、{{仮リンク|マスターズとジョンソン夫妻|en|Masters and Johnson}}は性的刺激の段階に関する極めて重要な研究を公刊した<ref name=M&J>{{Cite book|author=Masters, W.H., & Johnson, V.E.|title=Human Sexual Response|year=1970|publisher=Little, Brown and Company|location=Boston}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref>。この著作では男女の双方が扱われており、また先行する[[アルフレッド・キンゼイ]]のもの(1948, 1953年)とは異なりオーガズム前後の[[生理学]]的な段階を決定しようと試みている。陰核と膣のオーガズムは同じ身体的な段階を持っているとされている<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=70}}</ref>。どちらの種類のオーガズムも陰核の刺激が主要な源になっていると夫妻は論じた<ref>{{cite web| title=Masters and Johnson | url=http://health.discovery.com/centers/sex/sexpedia/mandj.html | publisher=The Discovery Channel | accessdate=28 May 2006 |archiveurl = http://web.archive.org/web/20060518002107/http://health.discovery.com/centers/sex/sexpedia/mandj.html <!-- Bot retrieved archive --> |archivedate = 18 May 2006}}</ref>。陰核の大きさに関する近年の諸発見もまた、陰核の組織が膣の内部に大きく広がっていることを示している。この発見は陰核のオーガズムと膣のオーガズムが別のものであるとする従来の主張を無効化しうる可能性がある<ref name="O'Connell"/>。陰核と膣との繋がりは、陰核が女性のオーガズムの「源」<!-- seat -->であるという見解を補強するものである。今日では、大半の人々が「陰核」という言葉から思い浮かべる小さな目に見える部分よりも遥かに広く陰核の組織が広がっていることが明らかとなっている。これらの研究の中心的な研究者であるオーストラリアの[[泌尿器科学]]者ヘレン・オコネル<!-- /オ[ーゥ]?コー?ン?ネル/ ->は、膣による性交時の陰核の内部部分への刺激を考慮すると、この<!-- 陰核と膣との-->絡み合った関係がGスポットとされている部分<!-- conjectured G-Spot -->と膣オーガズム体験に対する生理学的な説明となると主張している<ref name="O'Connell"/>。「膣壁は、実のところ、陰核なのです。膣の側壁の表皮を取り除けてみれば、陰核の球状部分が現れます。三角の、三日月形<!-- the the bulbs of the clitoris—triangular, crescental masses of erectile tissue: 球状で三角で三日月形…? 要画像 -->をした勃起性の組織です。」とオコネルは説明する。陰核は亀頭部分だけなのではなく、「小さな丘」だというのである<ref name="O'Connell"/>。女性の一部は他の女性に比べより広範囲な陰核組織を持っている可能性があり、それゆえに多くの女性が陰核の外部部分への直接的な刺激によってのみオーガズムに達することが出来る一方で、性交を通じた陰核のより広範な繊維への刺激だけで充分にオーガズムを得られる女性もいるのだと考えられる<ref name="O'Connell"/>。
 
{{仮リンク|無オーガズム症|en|Anorgasmia}}は十二分な性的刺激を受けた後でもオーガズムに達するのが常に困難である状態であり、個人的な悩み<!-- personal distress -->の原因となる。これは男性よりも女性に遥かに一般的に見られる<ref>{{cite web|url=http://www.mayoclinic.com/health/anorgasmia/DS01051 |title=Mayo Clinic; Womans Health|publisher=Mayoclinic.com |date= |accessdate=2010-11-23}}</ref>。女性の約15%がオーガズムに達するのに困難があると報告しており、またアメリカ合衆国の女性の10%は絶頂に達したことがない<!-- 15%の方の母集団は? --> <ref name="Frank JE"/><ref>Giustozzi AA. Sexual dysfunction in women. In: Ferri FF. Ferri's Clinical Advisor 2010. St. Louis, Mo.: Mosby; 2009. [http://www.mdconsult.com/das/book/body/169332872-5/912912390/2088/600.html#4-u1.0-B978-0-323-05609-0..00028-9--s2040_12318.]</ref>。Sexualhealth.comのロバート・バーチ<!-- 信頼できる情報源? -->は「標本調査に基づく統計がしばしばそうであるように、女性のオーガズムに関する数字は誰が調査され、誰が報告を行ったかによって結果にばらつきがあります。しかしながら、女性の恐らくは15%ほどは一度もオーガズムを経験したことがなく、最大で10%ほどの女性は一人で自慰をする時にしかオーガズムに達することができないようです。」と述べている<ref name="www.sexualhealth.com"/>。{{仮リンク|ドリュー・ピンスキー|en|Drew Pinsky}}はこう述べている<!-- よく合衆国のテレビに出る学者らしい。とりあえず「ですます」で訳しましたが、どんな口調の人なのか確かめて調整したいところです。 -->――
 
{{Quotation|男性と女性では「配線」が違っていて、さらには女性同士でも互いに違った配線がされているのです。しばしば女性たちは、絶頂のある種の標準に達することができていないために自分に欠陥があるかのように感じるようです。男性たちは、女性を絶頂させる<!-- イかせる -->ために何が必要なのかについて概括的な理解しかしていない<!-- generalize 意訳 -->ためにさらに事態を悪化させています。男性たちはしばしば女性たちが皆同じであると信じていて、何かが1人の女性に対して上手く行ったと思うとその方法を親密になった他の女性全てに適用しようとし、これが大きな問題の1つとなっています。女性たちの50-60%は性交を通じてオーガズムに達したことがなく、絶頂するには陰核の刺激を必要とします。30%は性交を通じて安定してオーガズムを得ることができます。10%は性交でオーガズムに達し、さらに連続的なオーガズムも得られる場合があります。5%は真の複数回(マルチプル)のオーガズムを性交を通じてのみ得ることができ、この範疇に入る女性はオーラルセックスを心地良く感じないのが普通です<ref name="Big O"/>。}}
<!-- TODO: 調査はなるべく孫引きでなく元の調査を出典とする。それが無理ならできるだけ信頼できる情報源を使用すること。sexualhealth.com出典の記述はできるだけ早くキンゼイやハイトの調査に置き換える。 -->
<!-- ピンスキーと重複が多いのでコメントアウトしました。さらに再編を進めても良いと思います。
女性においては、大まかに言えば、多くの女性が陰核への刺激を必要とする<ref name="womenshealth.about.com" />とは言える。だがより詳細に見ると、15%ほどの女性は一度もオーガズムを経験したことがなく<ref name="www.sexualhealth.com" />、10%の女性は独りで[[マスターベーション]]している時にしかオーガズムに達しない<ref name="www.sexualhealth.com" />。女性の過半数が、男性と過ごしつつオーガズムに達しはすると言っても、<-- (それはべつに、自分の膣に男性の陰茎が入った形での性交のおかげというわけではなく) とまでは書いてないようです ->男性が自分の陰核を擦ったり舐めたりしている時、あるいはバイブレータを用いている時にしかオーガズムに達しないのである<ref name="www.sexualhealth.com" />。
膣での性交でオーガズムに達する女性は全体のおよそ35%にすぎず、これはつまり、65%の女性は膣に陰茎が入る性交だけではオーガズムに達することは無い、ということを意味している<ref name="www.sexualhealth.com" />。
(なお陰核への刺激の例としては、[[クンニリングス]]、オナニー、[[ペッティング]]全般、また[[バイブレータ (性具)|バイブレータ]]や{{仮リンク|性的な電気刺激|en|erotic electrostimulation}}などが挙げられる)
-->
 
女性のオーガズムは平均して約20秒ほど続き<ref>{{Cite journal|last=Levin|first=Roy J.|coauthors=Gorm Wagner|title=Orgasm in women in the laboratory—quantitative studies on duration, intensity, latency, and vaginal blood flow|journal=Archives of Sexual Behavior|year=1985|page=439|volume=14|issue=5|doi=10.1007/BF01542004|url=http://www.springerlink.com/content/x7x308040h745x78/|accessdate=10 August 2010}}</ref>、膣、子宮、肛門を含む骨盤領域の筋肉の一連の収縮からなると推測されている。一部の女性では、当人がオーガズムが始まったと報告した直後にこれらの収縮が始まり、約1秒の間隔で、最初は徐々に強く、後には徐々に弱くなりながら継続することがある。規則的な収縮に続いて、不規則な間隔で数回の追加的な収縮もしくは震えが起こる場合もある。オーガズムに達したと報告するが、骨盤領域の収縮は全く観察されない場合もある<ref>{{Cite journal|last=Bohlen|first=Joseph G.|coauthors=James P. Held, Margaret Olwen Sanderson and Andrew Ahlgren|title=The female orgasm: Pelvic contractions|journal=Archives of Sexual Behavior|year=1982|page=367|volume=11|issue=5|doi=10.1007/BF01541570|url=http://www.springerlink.com/content/u2146228wwp46614/|accessdate=10 August 2010}}</ref>。
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=== 自然発生 ===
オーガズムは、何ら直接的な刺激を受けることなく自然発生的に起こる<!-- seeming to: ように見える -->こともある。性的な夢の中でオーガズムが起きることも時折ある([[夢精]]を参照<!--。{{仮リンク|ロビン・ベイカー|en|Dr [[nocturnalRobin emission]]はBaker}}によれば女共通です性の80%、日本語版の[[夢精]]は男を経験し<ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|p=268}}</ref>、女は20歳までついてのみの記事な10%、生涯では40%が夢食い違いあり--のオーガズムを経験する<ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|p=268}}</ref>
 
<!-- 夢精以外の -->この種のオーガズムが初めて報告されたのは[[脊髄損傷]](SCI)を持つ人々であった。[[脊髄損傷]]はある種の感覚の喪失や自己知覚の変容をもたらすことが非常に多いが、[[性的興奮]]や性欲などといった性的感覚<!-- sexual feelings: 「性感」 -->が失われるわけではない。ゆえに、一部の人々は心的な刺激のみによってオーガズムを発動させることができるのである。
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=== 不本意なオーガズム ===
オーガズムは[[強姦]]や[[性的暴行]]の際のような強制された性的接触の結果としても起こる場合があり、被害者非難の<!-- 態度の -->内在化<!-- 被害者なのに自分で自分を責めてしまうことです -->により引き起こされる[[羞恥心|恥の感情]]にしばしば結び付<ref>[http://books.google.com/books?id=bN34gRTCa0AC Nancy Tuana, Rosemarie Tong, ''Feminism and Philosophy'', Westview Press, (ISBN 0-8133-2213-8, 9780813322131), 1995]{{Page needed|date=August 2010}}</ref><ref>[http://www.anugrahaa.com/downloads/Fr.%20D.J.Antony%20-%20Trauma%20Counselling.pdf] D. John Anthony, "Trauma Counseling", Anugraha Publications, Tamil Nadu, India, Sep. 2005.</ref>、精神的な苦痛となりうる<ref>{{Harvnb|ドレント|2005|p=184}}</ref>。押し付けられた性的接触を経験しオーガズムを経験した人の割合は非常に低いが、羞恥心や困惑のために過少報告されている可能性もある。不本意なオーガズムは性別<!-- gender -->に関係なく起こり得る<ref>{{Cite journal|author=Levin RJ, van Berlo W |title=Sexual arousal and orgasm in subjects who experience forced or non-consensual sexual stimulation – a review |journal=Journal of Clinical Forensic Medicine |volume=11 |issue=2 |pages=82–8 |year=2004 |month=April |pmid=15261004 |doi=10.1016/j.jcfm.2003.10.008}}</ref>。
 
=== 不応期とマルチプル・オーガズム ===
女性や、比較的稀ではあるが男性も<ref name=dunn>{{Cite journal|author=Dunn ME, Trost JE |title=Male multiple orgasms: a descriptive study |journal=Archives of Sexual Behavior |volume=18 |issue=5 |pages=377–87 |year=1989 |month=October |pmid=2818169 |doi=10.1007/BF01541970}}</ref>、{{仮リンク|不応期|en|refractory period (sex)}}がないかあっても非常に短く、最初のオーガズムを迎えたすぐ後に第2のオーガズムやさらに多くのオーガズムを経験する場合がある。最初のオーガズムに続く連続した絶頂は刺激が蓄積してゆくにつれさらに強烈もしくは快感の強いものになり得る。一部の女性は、絶頂に達した後では陰核と乳首が非常に敏感になるため、さらなる刺激は最初は苦痛ともなる。
 
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=== 生理的反応 ===
==== 段階と周期 ====
マスターズとジョンソン夫妻は1960年代初頭に女性382人と男性312人の観察に基づき{{仮リンク|ヒトの性反応周期|en|Human sexual response cycle|label=性反応周期}}の先駆的な研究を行った。生殖器へと血液が急速に流れ込むにつれ興奮が起こる興奮期に始まり、生殖器が完全に興奮した状態が継続する高原期に達し、オーガズム(絶頂期)へと至り、最後には血液が生殖器から離れる後退期を迎えるという周期(サイクル)を示した<ref>{{Cite book| publisher = Little, Brown | isbn = 0316549878, 9780316549875 | page = 366 | last = Masters | first = William H. | coauthors = Virginia E. Johnson, Reproductive Biology Research Foundation (U.S.) | title = Human Sexual Response | year = 1966}}</ref>。
 
1970年代には、{{仮リンク|ヘレン・シンガー・カプラン|en|Helen Singer Kaplan}}がこの周期に性欲を付け加え、性欲が性的興奮に先行するのであると主張した。カプランは、不安、防衛、意思疎通の失敗といった感情<!-- 的要素 -->が性欲を妨げ、従ってオーガズムも妨げることがあることを指摘している<ref>{{Cite journal|author=Kaplan HS |title=Hypoactive sexual desire |journal=Journal of Sex & Marital Therapy |volume=3 |issue=1 |pages=3–9 |year=1977 |pmid=864734}}</ref>。
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==== 男性 ====
男性はオーガズムの際には肛門括約筋、前立腺、および陰茎の諸筋肉の急速でリズミカルな収縮を経験する
{{出典の明記|section=1|date=2011年5月}}
男性はオーガズムの際には肛門括約筋、前立腺、および陰茎の諸筋肉の急速で<ref>{{Harvnb|ブラックズミカルな収縮を経験するッジ|2005|pp=395-397}}</ref>。[[精子]]が[[精巣]]から[[精管]]を上り[[前立腺]]へと輸送され、[[精嚢]]からの分泌液と共に[[精液]]として知られる液体となる。前立腺は精液の構成要素の1つとなる分泌液を作り出す。括約筋と前立腺の収縮により、蓄えられた精液は陰茎の尿道口から体外へと送り出される。この過程には3-10秒かかり、快感を生み出す。
 
射精後には通常{{仮リンク|不応期|en|refractory period (sex)}}があり、その間は男性は再度オーガズムに達することはできない。不応期の続く時間は年齢やその他の個人的要因により1分未満から数時間までの幅がある<ref>{{Harvnb|J.サドック|A.サドック|2004|p=749}}</ref>。
通常、歳を取るにつれ、男性が射精する精液の量は減少し、オーガズムもまた短くなる。このことは一般的には快感の強さには影響せず、ただ持続時間だけが短くなるのである。
 
射精後には通常{{仮リンク|不応期|en|refractory period (sex)}}があり、その間は男性は再度オーガズムに達することはできない。不応期の続く時間は年齢やその他の個人的要因により1分未満から数時間までの幅がある。
 
===== 感覚 =====
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==== 女性 ====
典型的な女性のオーガズムは男性のものよりも遥かに長く続く<ref>{{Cite news| title = Women fall into 'trance' during orgasm | work = Mark Henderson | publisher = Times Online | date = 20 June 2005| url = http://www.timesonline.co.uk/tol/life_and_style/health/article535521.ece | accessdate = 7 March 2007 | location=London}}</ref>。オーガズムに先立ち、陰核の勃起と膣の開口部の湿潤が起きる。皮膚への[[血液|血流]]増加により身体の大部分が赤みを帯びる{{仮リンク|紅潮 (生理学)|en|Flushing (physiology)|label=性的紅潮}}を呈する女性もいる。女性がオーガズムに近付くと、[[陰核亀頭]]が内側へと動き[[陰核包皮]]の下へと隠れ、[[小陰唇]]が黒みを帯びる。オーガズムが間近に迫ると、膣の外側1/3が硬ばり狭窄し、膣全体は長く伸び、広がり、また充血した軟部組織により狭まる<ref>{{cite web| title = Anatomic and physiologic changes during female sexual response | work = Clinical Proceedings | publisher = Association of Reproductive Health Professionals | date = | url = http://www.arhp.org/healthcareproviders/cme/onlinecme/NYNCP/changes.cfm | accessdate = 1 February 2007 }}</ref>。マスターズとジョンソンはこの現象を「テント形成」({{lang-en-short|tenting}}と呼んでいる<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=84}}</ref> <!-- 「バルーン現象」?-->。膣以外では、乳首と{{仮リンク|疎性結合組織|en|Loose connective tissue|乳輪の複合組織}}の筋線維芽細胞が収縮して乳首の勃起と乳輪半径の縮小を引き起こし、これはオーガズムの開始時に最高潮となる<ref>{{cite journal|journal= Sexual & Relationship Therapy |volume= 21 |issue= 1 |pages= 237–249| url=http://www.ingentaconnect.com/content/routledg/csmt/2006/00000021/00000002/art00011 | title=The Breast/Nipple/Areola Complex and Human Sexuality | accessdate=2 April 2011 |date=2 May 2006 | publisher = Routledge | last=Levin | first=Roy | quote=Areola corrugation immediately after orgasm physically signals that orgasm has occurred}}</ref>。それから、[[子宮]]に3-15回ほどの筋収縮が起こる<ref>{{Citation neededHarvnb|dateJ.サドック|A.サドック|2004|p=November 2009751}}<!-- TODO: ブラックリッジ p.395 にありますが、微妙に数字が違うので後で見直し --/ref> [[子宮]]、膣、肛門、[[骨盤]]に一連のリズミカルな収縮が起きる時、女性は十全なオーガズムを体験する。女性の大部分はこれらの収縮を非常に気持ち良く感じる。
<!-- ここまで細々とwebサイトの出典が付いていますが、結局どれもM&Jの受け売りのような。M&Jを基にしたものに作り直した方が良い? -->
 
近年<!-- WP:DATED : 脚注から判断するに「2008年」と書き換え可能? -->オランダの[[フローニンゲン大学]]医療センターの研究者たちは、オーガズムの感覚と、骨盤を中心とし肛門で計測される周波数8-13Hzで発生する筋肉の収縮との相関関係を示した。収縮のこの特有の周波数の存在により、これらの諸筋肉の随意の収縮と自然発生的な不随意の収縮とを区別することができ、これは興奮を計量するに過ぎない心拍数などのような他の測定基準よりも正確にオーガズムと相関していると彼らは論じている。「究極において主観的な経験であるところのオーガズムと強い相関を持つ客観的かつ定量的な尺度としては初めてのもの」を見出したと主張している。8-13Hzで発生する収縮の尺度はオーガズムに特有なのだという。この測定基準を用いることで休息、随意の筋収縮、さらには不首尾に終わったオーガズムの試みなどからオーガズムを区別することが出来ることを発見したのである<ref name = "Kortekaas 2008">{{Cite journal|author=van Netten JJ, Georgiadis JR, Nieuwenburg A, Kortekaas R |title=8–13 Hz fluctuations in rectal pressure are an objective marker of clitorally-induced orgasm in women |journal=Archives of Sexual Behavior |volume=37 |issue=2 |pages=279–85 |year=2008 |month=April |pmid=17186125 |doi=10.1007/s10508-006-9112-9}}</ref>。
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<!-- 日本語版の旧版にあった記述のうち、新版にない部分です。TODO: 検証の上で復帰を検討
オーガズム前後では性器以外の[[皮膚感覚]]や[[視覚]]・[[聴覚]]が鈍くなる。さらに、オーガズム中の[[脳]]はθ波と呼ばれる睡眠初期のときに出る[[脳波]]で充満した状態となり
<ref>{{Harvnb|大島|2009|pp=185-186}}</ref><!- ←このrefはシータ波についてのみ ->、[[ドーパミン]]や[[セロトニン]]と言った脳内の快楽系神経伝達物質も活性化し、[[ドーパミン作動性ニューロン|A10神経]]も反応を強くする。また近年の近赤外光吸収を使った研究では、[[前頭葉]]の血流の著しい減少が見られる。
-->
 
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オーガズム、および実際には性行為全体は、数多くの重要な身体組織の努力<!-- exertion -->を必要としうる身体活動である。1997年に『イギリス医師会雑誌』に掲載された、45-59歳の男性918人を対象とした研究によると<ref>Sex and Death, Are They Related?{{要検証|title=need some more bibliographic info|date=November 2009}}</ref>、10年間の追跡調査で、週に2度以上のオーガズムを得ている男性はそうでない男性に比べ全ての死因で死亡率が半分であった。より明確に[[循環器]]の健康に焦点を合わせた2001年の追跡調査では、週に3度以上の性交を行う男性は[[心筋梗塞|心臓発作]]および[[脳梗塞]]のリスクが50%低かった。(一般に、[[相関関係と因果関係|相関関係は因果関係を意味しない]]ことに注意。)
 
=== 加齢 ===
=== オーガズム不全、不感症 ===
男性女性ともに、加齢するに従ってオーガズムに伴う紅潮、筋緊張、直腸の収縮などは衰え、陰茎や膣の収縮の回数も減少する。男性では通常、歳を取るにつれ、射精する精液の量や飛距離が減少し、射精後の不応期も長くなる<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=201-227}}</ref>。<!-- オーガズムもまた短くなる。このことは一般的には快感の強さには影響せず、ただ持続時間だけが短くなるのである{{要出典|date=2011年6月}}。 -->
オーガズムを得ることができないことは「オーガズム不全<ref name="h_world_pedia">『世界大百科事典』1988「不感症」</ref>」とか「[[不感症]] sexual anesthesia」、あるいは「{{仮リンク|無オーガズム症|en|Anorgasmia}}」<!-- 原文にはinorgasmiaもありますが、anorgasmiaとの訳し分けは困難 -->もしくは「射精{{仮リンク|無快感症|en|anhedonia}}」などと呼ばれる。男性が[[勃起]]と[[射精]]をするがオーガズムが得られない場合、その男性は{{仮リンク|性的無快感症|en|Sexual anhedonia|label=射精無快感症}}であるとされる。
 
=== オーガズム不全 ===
その原因の90%は心理的な原因によるものとされている<ref name="h_world_pedia" />。より具体的には情緒不安、性行に対する嫌悪感や恐怖、(異性に興味が無く)同性愛であること、[[夫婦]]間の不和の問題などが挙げられる<ref name="h_world_pedia" />。少し異なったものとしては、過労(精神的な過労も、肉体的な過労も)挙げられる<ref name="h_world_pedia" />。心理的な要因や過労といった要因があると、[[大脳皮質]]において[[ドーパミン]]系機構へ抑制がかかり、オーガズムが抑制されるのだと考えられている<ref name="h_world_pedia" />。
{{See also|不感症|射精障害}}
<!-- TODO:
この節は大幅な見直しが必要です:
* オーガズム不全全体の話と女性のいわゆる「不感症」固有の話が混線した記述になっており、バランスも崩れています。
** 少なくとも「オーガズムを得たことがない」「以前は得られていたのに得られなくなった」「(膣の)性交では得られない」の3種類の場合分けが必要なはずです。
** 上述のフロイト的「膣オーガズム」が得られないことをAnorgasmiaだと思い込むケースについて加筆<ref>{{Harvnb|ドレント|2005|p=294}}</ref>。逆に男性がそれを「早漏のせい」と悩むケースも。
** 男性のオーガズム障害(anhedonia、早漏、遅漏)を加筆。生理的/心理的/社会的側面に留意。
* 『世界大百科事典』と『日本大百科全書』とで言っていることがかなり違います。小項目百科事典1つだけを出典に記述をまとめるのは危険そうです。全体を医学書出典による記述で置き換えても良いかもしれません。
-->
 
オーガズムを得ることができないことは「オーガズム不全<ref name="h_world_pedia">『世界大百科事典』1988「不感症」</ref>」、「{{仮リンク|無オーガズム症|en|Anorgasmia}}」<!-- 原文にはinorgasmiaもありますが、anorgasmiaとの訳し分けは困難 -->もしくは「射精{{仮リンク|無快感症|en|anhedonia}}」などと呼ばれる。男性が[[勃起]]と[[射精]]をするがオーガズムが得られない場合、その男性は{{仮リンク|性的無快感症|en|Sexual anhedonia|label=射精無快感症}}であるとされる。
<!--オーガズムが求められている<!-- のに得られない -->場合、無オーガズム症は主にリラックスできないこと、もしくは「解き放つ」ことができないことが原因であるとされる。-->これには振舞に対するプレッシャーや、パートナーの満足から切り離して快楽を追求することへのためらいが密接に関係しているようだ。しばしば女性はパートナーの快楽のことが気掛かりとなるあまり不安に陥り、これはオーガズムの遅延に対する焦りとなって現れる。この遅延は、オーガズムによる性的満足に到達できないことへの不満へと結び付き得る。精神分析家の[[ヴィルヘルム・ライヒ]]は1927年の著書『オーガズムの機能』において初めてオーガズムを精神衛生の中核的な概念に据え、完全なオーガズムを得る障害という観点から[[ノイローゼ]]を定義した{{要ページ番号|date=2011年5月}}。
「[[不感症]] sexual anesthesia」や(性欲自体のない)「冷感症」のような言葉は曖昧なため、今日では包括的に「性障害」「性機能不全」などと呼ばれている<ref>{{Harvnb|大島|2009|pp=181-182}}</ref><!-- 「性機能不全」の方は大島2009には出現しません。サドック2004で採用されている表記です。 -->。
 
女性のオーガズム不全の原因<!-- 「その原因」とありましたが、出典は「不感症」のみを扱っていましたので限定します -->の大半は前戯不足のような性的無知<ref name="Nipponica">{{Citation |last=白井|first=將文|year=1996 |date=1996-03-01 |title=日本大百科全書|contribution=不感症|place=東京|language= |publisher=小学館|isbn=978-4- |contribution-url=http://100.yahoo.co.jp/detail/%E4%B8%8D%E6%84%9F%E7%97%87/ }}</ref>もしくは心理的な原因によるものであり、心理的な原因が90%ともいわれる<ref name="h_world_pedia" /><!-- 前戯不足が大半なら心理的原因が90%とはならない…定義が曖昧なために生じた矛盾?要チェック -->。より具体的には情緒不安、性行に対する嫌悪感や恐怖、(異性に興味が無く)同性愛であること、[[夫婦]]間の不和の問題などが挙げられる<ref name="h_world_pedia" />。少し異なったものとしては、過労(精神的な過労も、肉体的な過労も)が挙げられる<ref name="h_world_pedia" />。心理的な要因や過労といった要因があると、[[大脳皮質]]において[[ドーパミン]]系機構へ抑制がかかり、オーガズムが抑制されるのだと考えられている<ref name="h_world_pedia" />。
心理的な原因によるオーガズム不全の治療を試みる場合は、その治療法としては、[[精神療法]]や[[心理療法]]が採用される<ref name="h_world_pedia" />。つまり[[カウンセリング]](セックス・カウンセリング)や[[セラピー]](セックス・セラピー)が有効となる<ref name="h_world_pedia" />と言われる<!--統計的なデータ、EBMデータが示されていないので、ただの医者の側の宣伝である可能性も否めないので、注意深く中立的に表現したほうがよい-->。
 
<!--オーガズムが求められている<!- のに得られない ->場合、無オーガズム症は主にリラックスできないこと、もしくは「解き放つ」ことができないことが原因であるとされる。-->これには振舞に対するプレッシャーや、パートナーの満足から切り離して快楽を追求することへのためらいが密接に関係しているようだ。しばしば女性はパートナーの快楽のことが気掛かりとなるあまり不安に陥り、これはオーガズムの遅延に対する焦りとなって現れる。この遅延は、オーガズムによる性的満足に到達できないことへの不満へと結び付き得る。精神分析家の[[ヴィルヘルム・ライヒ]]は1927年の著書『オーガズムの機能』において初めてオーガズムを精神衛生の中核的な概念に据え<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|pp=382-385}}</ref>、完全なオーガズムを得る障害という観点から[[ノイローゼ]]を定義した{{要ページ番号|date=2011年5月}}<!-- ブラックリッジでは「ノイローゼを定義」とまでは書いてないので、別の出典か『オーガズムの機能』そのものが必要? -->。
上述のように、オーガズム不全の90%ほどは心理的な要素によって起きているが、他にも、生理学的な要素も関与することはある。中枢神経の機能障害によって不感症が起きることがある<ref name="h_world_pedia" />。このケースならば、ドーパミン系の賦活薬やセロトニン系機構の抑制をもたらす薬剤が効く場合もある<ref name="h_world_pedia" />。<!--例えば、オーガズムの遅延や未達は数多くの薬品で見られる一般的な副作用である{{要出典|date=2011年5月}}。-->
 
心理的な原因によるオーガズム不全の治療を試みる場合は[[精神療法]]や[[心理療法]]が採用される<ref name="h_world_pedia" />。つまり[[カウンセリング]](セックス・カウンセリング)や[[セラピー]](セックス・セラピー)が有効となる<ref name="h_world_pedia" />と言われる<!--統計的なデータ、EBMデータが示されていないので、ただの医者の側の宣伝である可能性も否めないので、注意深く中立的に表現したほうがよい ←「心理的な原因が90%」という数字からして怪しいです…無知も心理的原因に含めればそうなるのかもしれませんが。 -->。上述のように、オーガズム不全の大半は心理的な要素によって起きているが、他にも、生理学的な要素も関与することはある。中枢神経の機能障害によって不感症が起きることがある<ref name="h_world_pedia" />。このケースならば、ドーパミン系の賦活薬や[[セロトニン]]系機構の抑制をもたらす薬剤が効く場合もある<ref name="h_world_pedia" />。
精神医学で用いられる薬物はほぼ全てが性への作用に関係し、男性の射精障害や女性のオーガズムの阻害・遅延を起こす可能性がある。例えば{{仮リンク|ベンラファキシン|en|Venlafaxine}}や[[選択的セロトニン再取り込み阻害薬|SSRI]]はセロトニン濃度を上昇させるため男女ともにオーガズムの達成を困難にする
<ref>{{Harvnb|J.サドック|A.サドック|2004|p=768}}</ref>。<!--例えば、オーガズムの遅延や未達は数多くの薬品で見られる一般的な副作用である{{要出典|date=2011年5月}}。: より詳しい記述があったので置き換えました。-->
 
なお、特に同時にオーガズムを得ること<!-- 一緒にイクこと -->やそれと類似した営みに関して、多くの性科学者たちは、[[早漏]]の問題が<ref>{{cite web|url=http://www2.hu-berlin.de/sexology/IES/italy.html |title=The International Encyclopedia of Sexuality: Italy |publisher=.hu-berlin.de |date=1999-01-01 |accessdate=2010-10-15}}</ref>、相互のオーガズムが性的<!-- intimate -->関係の目的や性的満足の印として過度に強調されていた20世紀初頭における科学的アプローチにより促された考え方に密接に関係していると主張している。
<!-- 一緒にいかないと十全なセックスではないという考え方が蔓延したが、それは正しくないということ。{{Harvnb|ドレント|2005|p=295}}にも出て来ます。 -->
 
== オーガズムの機能を巡る諸仮説 ==
{{See also|不感症}}
<!-- TODO:
* 男性のオーガズムについて加筆。現状は女性に偏りすぎています。
* 古代以降のオーガズムの諸説について順を追って記述すること。懐胎に女性のオーガズムが必要と考えたヒポクラテスの説が18世紀までは支配的であったことなど。
* 動物の行動の観察とそこからなされる人間のオーガズムの洞察を見て取りやすい記述に再編。「人間以外の動物」節とも有機的に繋げられればベスト。
-->
男性のオーガズムと射精が受胎に必要である一方<ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|p=258}}</ref>、1770年代に[[ラザロ・スパランツァーニ]]が犬の[[人工授精]]に成功するなどして、受胎に女性のオーガズムは必要とされないことが知られるようになって以降<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|p=371}}</ref>、女性の性的快感には生殖上の役割はないと考えられてきたが<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=90}}</ref><ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|p=409}}</ref><ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|p=259}}</ref>、生殖過程における女性のオーガズムの役割に関するさまざまな仮説が進化生物学らなどにより提唱されている。
 
=== つがい形成と性淘汰 ===
<!-- TODO: つがい形成について加筆――生殖「以外」のコミュニケーション的要素の重要性を知らしめた歴史的意義が大きいので。モリスなどを直接引くだけでなく、重要性を担保するためミュッシャンブレなどの二次資料を用いること。 -->
1967年には[[デズモンド・モリス]]がポピュラーサイエンスの著書『{{仮リンク|裸のサル|en|The Naked Ape (book)}}』において初めて、「女性のオーガズムは男性パートナーとの肉体的な親密さを促進し、つがいの結び付きを強めるために進化したのではないか」と示唆した<ref>{{Harvnb|モリス|1999|p=86}}</ref>。「男性に比べ女性がオーガズムに達するのが比較的難しいこと<!-- p.61 -->で女性は、他の霊長類の配偶者選択において見られるような身体の大きさや攻撃性ではなく、忍耐力、気配り、想像力、知性といった特質を持つ男性を選択するように導かれ、ダーウィン的進化において有利となるのであろう」とモリスは推測・主張した<!-- 『裸のサル』第2章の要約としてはやや大胆かもしれません。 -->。<!--「{{要出典範囲|男女のオーガズムの差異に導かれ、そのような有利な諸特質が種の中で強められていったのである|date=2011-6}}」。「{{要出典範囲|もし男性たちが女性たちと同じようにしてオーガズムにより動機付けられ耽るようになっていたならば、利己心だけで充分であったろうからそうした有利な特質は不要となっていたであろう。|date=2011-6}}」-->
 
=== 繁殖力 ===
モリスはまた「オーガズムが、女性を消耗させ横たわったままにさせることによって精液が漏出してしまうことを防ぎ、受胎を容易にもしている」と主張した<ref>{{Harvnb|モリス|1999|pp=86-87}}</ref>。これは「斧仮説」もしくは「ノックアウト仮説」とも呼ばれるが、今日では極めて疑わしいと考えられている{{要出典|date=2011年5月}}。
 
他の諸理論は女性のオーガズムが繁殖力を高めるのであろうという考えに基づいている。古代ギリシアの哲学者[[アリストテレス]]は、オーガズム中の子宮頸部が吸角のように働き精液を吸い寄せて受胎を助けるのではないかと書いた<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|pp=368-369,393}}</ref><!-- TODO: アリストテレスの原典を探す -->。イギリスの生物学者ベイカーとベリスは女性のオーガズムが[[食道]]が食物を嚥下する能力を上下逆にしたような「吸い上げる」動きをし、望ましい精液を保持し受胎の可能性を高めるのではないか、と示唆した<ref>{{Cite journal|doi=10.1006/anbe.1993.1272 |author=Baker, R. R., and Bellis, M. A. |year=1993 |title=Human sperm competition: Ejaculate manipulation by females and a function for the female orgasm |journal=Animal Behavior |volume=46 |issue=5 |pages=887–909}}</ref>。ベイカーらは女性のオーガズムが{{仮リンク|精子競争|en|sperm competition}}において役割を持つのではないか、と推測した。1994年に[[ザ・ラーニング・チャンネル]]で放送された性に関するドキュメンタリー番組<!-- 微妙ですが、監修がモリスなので一応は情報源になるとして残しておきます -->では、性交中の女性の膣の中に光ファイバーカメラを挿入し撮影を行った。彼女がオーガズムを迎えると、{{仮リンク|骨盤底|en|pelvic floor|label=骨盤筋群}}が収縮して[[ポルチオ|子宮膣部]]が反復的に{{仮リンク|膣円蓋|en|vaginal fornix}}内に溜った精液へと浸り、あたかも精子が{{仮リンク|外子宮口|en|external orifice of the uterus}}へと確実に進むようにし受胎の可能性を高めようとするかのような動きを見せた<ref>{{cite video | people=[[デズモンド・モリス|Desmond Morris]] (host) |date=1994 | title=The Human Animal | medium=TV | publisher=The Learning Channel}}</ref>。{{仮リンク|エリザベス・ロイド|en|Elisabeth Lloyd}}はこのシーンで流されたナレーションがこれを「精子の吸い上げ」の例であるとしたことを批判し、これは{{仮リンク|子宮オーガズム|en|uterine orgasm}}での通常の収縮に過ぎず、繁殖力へのどのような効果も示されてはいない、とした<ref>{{cite web|url=http://mypage.iu.edu/%7Eealloyd/Reviews.html#IHaveSeenVideo |title=Reviews |publisher=Mypage.iu.edu |date= |accessdate=2010-10-15}}</ref>。マスターズとジョンソンもX線撮影による調査に基づき否定的な見解を示している<ref name="MJ-notpump">{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=120-122}}</ref>。
 
また例えば、オーガズムにより骨盤筋肉の収縮により陰茎を締め付けることで男性のオーガズムと射精を引き起こすとも考えられる<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|p=416}}</ref>。
<!-- TODO:「ザ・ラーニング・チャンネル」でなくともこれに関する記述はいくらでもあるので、情報源の置き換えを検討(ただし反論の方も貴重なのでどうまとめるかは思案のしどころです) -->
 
[[排卵]]中には比較的オーガズムに達しやすい傾向があるという観察は、オーガズムが繁殖力の増強に結び付いていることを示唆している<ref>{{Cite news| first=David | last=Adam | url=http://www.guardian.co.uk/life/science/story/0,12996,1501314,00.html | date=8 June 2005 | title=Female orgasm all in the genes | work=The Guardian | accessdate=28 May 2006 | location=London}}</ref>という。
 
<!--他の生物学者たち{{誰|date=2011年5月}}は、オーガズムは単純に性交の動機付けとなり、生殖率を高め、それにより進化の過程で選択されてきたのであろうと憶測している。--><!--「典型的には男性の方が女性より早くオーガズムに達し、このことは女性がより頻繁に性交を行おうとする欲望を促すのかもしれず、それにより受胎の可能性が増すのである{{要出典|date=2011年5月}}」という{{誰|date=2011-6}}{{いつ|date=2011-6}}。--><!-- TODO: 要復帰 -->
 
=== 精子の選択 ===
<!-- {{main|精子競争}} TODO: ベイカーの説の詳しい説明は[[精子競争]]でやる -->
[[進化生物学]]者の{{仮リンク|ロビン・ベイカー|en|Dr Robin Baker}}は『{{仮リンク|精子戦争|en|Sperm Wars}}』において、オーガズムの発生とタイミングは全て、進化的により適した男性の精子を受け取り保持するための女性の身体の無意識的な戦略の一部をなすのであると論じている。子宮頸部は精子と病原体に対する自然のフィルタとなっており<ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|pp=40-44}}</ref>、性交時のオーガズムはこれを回避させるためのボタンとして機能し、性交前の<!-- an orgasm before -->オーガズムは逆にフィルタを強化するというのである<ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|pp=254-312}}</ref><!-- ページ範囲が広過ぎですが、分散して書かれていて切り出しにくいので -->。
 
ただしその論拠となる子宮頸部による精液の「吸い上げ」についてはマスターズとジョンソンは否定的な見解を示しており<ref name="MJ-notpump" />、性科学者のイェルト・ドレントも「内容には多少の疑いをもってかかるべきだろう」としている<ref>{{Harvnb|ドレント|2005|pp=261-265}}</ref>。
 
=== 痕跡説 ===
陰核は陰茎と[[相同]]である――両者は共に同じ胎児構造から発達するのである<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|p=62}}</ref>。[[スティーヴン・ジェイ・グールド]]やその他の研究者たちは陰核が女性における[[痕跡器官 (生物)|痕跡器官]]であり、女性のオーガズムには進化上の機能は特に有していないと主張している。{{仮リンク|エリザベス・ロイド|en|Elisabeth Lloyd}}のようなこの仮説の主唱者たちは、膣での性交を通じて女性がオーガズムに達するのが比較的困難であること、オーガズムの後では受精率が増大することの証拠が乏しいこと、女性がオーガズムに到達できる能力とその女性が性交を行う可能性との間には統計的な[[相関]]が見られないことなどを指摘している<ref>{{cite web|url=http://mypage.iu.edu/%7Eealloyd/Reviews.html#IsntItObviousThat |title=Reviews |publisher=Mypage.iu.edu |date= |accessdate=2010-10-15}}</ref>。
 
科学ライターの{{仮リンク|ナタリー・アンジェ|en|Natalie Angier}}は、この仮説が女性のオーガズムの心理社会的な価値を過小評価していると批判している。キャサリン・ブラックリッジは著書『ヴァギナ:女性器の文化史』においてオーガズムと受胎の成功との間に結び付きがある可能性を示す研究を引用している。ブラックリッジは「女性のオーガズムは痕跡的なもの」とする仮説が、受胎の成功の結果としてもたらされ続けている進化的な利点を無視していると批判している{{要ページ番号|date=2011年5月}}。[[人類学]]者・[[霊長類学]]者である[[サラ・ブラファー・ハーディ]]もまた女性のオーガズムが痕跡的なものであるとする議論を批判し、そのような考え方には[[性差別]]の気配があると書いている<ref>{{cite web| url=http://www.arlindo-correia.com/241005.html |author=Christopher Shea| title=Orgasmic science| work=[[ボストン・グローブ|The Boston Globe]]| date=24 April 2005| accessdate=2011-05-22}}</ref>。
 
=== 個人差の遺伝的基礎 ===
<!-- これは実証的な研究のようなので仮説とは少し違いますが -->
2005年に行われた{{仮リンク|双生児研究|en|twin study}}は女性の3人に1人は性交(膣に陰茎が入る行為)中にオーガズムに達したことがない、あるいはほとんど達することがなく、性交で常にオーガズムに達するのは10人に1人にしか過ぎないことを明らかにした。一般に心理社会的なものであると考えられている、オーガズムに達する能力のこの個人差は、34-45%が遺伝的なものであると明らかになった。4000人の女性を調査したこの研究は[[王立協会]]の学術誌『{{仮リンク|バイオロジー・レターズ|en|Biology Letters}}』で公表された<ref>{{Cite news| url=http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4616899.stm | title=Female orgasm is 'down to genes' | publisher=BBC | date=7 June 2005 | accessdate=28 May 2006}}</ref><ref>{{cite press release | publisher=Primary Care Sciences Research Centre, Keele University | date=7 June 2005 | url=http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-06/rs-sir060605.php | title=Genetic influences on variation in female orgasmic function: a twin study by Dr KM Dunn, Dr LF Cherkas and Prof TD Spector | accessdate=28 May 2006}}</ref>。エリザベス・ロイドはこれを女性のオーガズムが[[適応]]的なものではないことの証拠として引用している<ref>{{cite web|url=http://mypage.iu.edu/%7Eealloyd/Reviews.html#IReadRecentlyThat |title=Reviews |publisher=Mypage.iu.edu |date= |accessdate=2010-10-15}}</ref>。
 
== 人間以外の動物 ==
{{See also|動物の性行動}}
{{節stub|date=2011年5月}}
 
霊長類では雌雄ともに関係部位の素早くリズミカルで強力な収縮が見られ、メスでは交尾中や自慰中に膣の充血、陰核の勃起、全身の筋肉の緊張、心拍数の増加、体毛の起立などが同時に観察される
。霊長類の他でもネズミやウシなど数多くの動物がオーガズム様の反射を示す<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|pp=406-407}}</ref>。
 
オスのオーガズムの機序は哺乳類の大半でも同様である<!-- オーガズムと射精を混同していないか? -->。一部の哺乳類および、哺乳類以外でもアメリカワニ<ref>{{cite web|url=http://www.crocodilian.com/crocfaq/faq-8.html |title=Crocodilian Captive Care FAQ (Caiman, Alligator, Crocodile) |publisher=Crocodilian.com |date=1996-03-05 |accessdate=2010-10-15}}</ref> などには陰核がある。
 
[[生殖]]以外の理由で性交を行っているように思われる種である[[イルカ]]の性とオーガズムに関する研究も行われている<ref>National Geographic's ''Dolphins: The wild side'' documentary (1999), [http://www.imdb.com/title/tt0386415/ IMDb].「性交はカジュアルかつ頻繁に行われ、絆を強め維持する社会的な道具となっている。しかしこうした調和の裏にはイルカの暗い側面も隠れている。強いオスの集団は若かったり小さかったりする他のイルカをいじめるのである。」
[http://www.nationalgeographic.com/tv/press/990202.html National Geographic website]より([http://web.archive.org/web/20090221164719/http://www.nationalgeographic.com/tv/press/990202.html アーカイブ])</ref>。
<!-- イルカのメスの同性愛的行動についてはブラックリッジ p.409にも記述あり。「オーガズム」と直接結び付けて記載するには難しい内容ですが。 -->
 
<!-- 文化面をラストとしましょう -->
== タントラ・セックス ==
<!-- TODO:
{{仮リンク|タントラ・セックス|en|Tantric sex}}は古代インドの性の実践における宗教的伝統である([[密教]]のタントラとは別のものである)。[[タントラ]]においては従来的(欧米的)<!-- traditional: 「西洋的」と言っても良い? -->な性への文化的アプローチとは異った価値をオーガズムに与えている。タントラ・セックスの実践者たちの一部は、オーガズム以前の、放出<!-- emission: 「射精」としても良いが、女性が濡れることも含意している可能性があるので -->を伴わない状態に長時間留まり続けることで性交からオーガズムを取り除こうとする。[[バグワン・シュリ・ラジニーシ]]のような唱道者たちは、これによりオーガズムの感覚が意識的体験の全域へと広がってゆくのであると主張している<ref>{{Cite book| author = Rajneesh, Bhagwan Shree | title = Tantra, Spirituality, and Sex | year = 1983 | isbn = 0880506962 | publisher = Rajneesh Foundation Internat. | location = Rajneeshpuram, Or.}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref><ref>{{Cite book| author = Chia, Mantak & Abrams, Douglas | title = The Multi-Orgasmic Man | publisher = Harper San Francisco | year = 1996 | isbn = 0-06-251336-2}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref>。
「文化圏別に見たオーガズム観」と、現代的なタントラ解釈(neotantra)とを分離して再編。
最終的には文学・精神分析・エソロジーなどの記述などとも統合して「オーガズム観の変遷と文化」を通説したいところです。
-->
{{仮リンク|タントラ・セックス|en|Tantric sex}}は古代インド・[[ヒンドゥー教]]の性の実践における宗教的伝統<!-- の現代的アレンジ? -->である([[密教]]のタントラとは別のものである)。[[タントラ]]においては従来的(欧米的)<!-- traditional: 「西洋的」と言っても良い? -->な性への文化的アプローチとは異なり、オーガズムを性交の目的とは考えない。タントラ・セックスの実践者たちは、数多の体位や性技を用いオーガズム以前の状態に長時間留まり続けることで心身の長い恍惚を得ようとし、オーガズムはその1つの区切りに過ぎないと考える<ref>{{Harvnb|ローソン|pp=108-110}}</ref>。性のエネルギーはオーガズムではなく、至福の悟りへと進むために用いられるのである<ref>{{Harvnb|ローソン|p=42}}</ref>。
 
[[バグワトラセックスやシュリ・ラジニーシ]]のような現代のネオ・タントラ・セックスの唱道者たちは、こうしたアプローチによりオーガズムの感覚が意識的体験の全域へと広がってゆくのであると主張しており<ref>{{Cite book| author = Rajneesh, Bhagwan Shree | title = Tantra, Spirituality, and Sex | year = 1983 | isbn = 0880506962 | publisher = Rajneesh Foundation Internat. | location = Rajneeshpuram, Or.}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref><ref>{{Cite book| author = Chia, Mantak & Abrams, Douglas | title = The Multi-Orgasmic Man | publisher = Harper San Francisco | year = 1996 | isbn = 0-06-251336-2}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref>、西洋文化が絶頂感のオーガズムという目的に焦点を合わせすぎで、性体験での他の時間において深い快楽を味わうことを妨げていると主張しており、これを取り除くことによってより豊かで、十全で、強力な<!-- 2人の -->つながりを得ることができるのだと説いている<ref>{{Cite book| author = Douglas, N & Slinger, P | title = Sexual Secrets: The Alchemy of Ecstasy | publisher = Destiny Books | year = 1979 | isbn = 0892812664}}{{Page needed|date=August 2010}}</ref>。
 
== 文学におけるオーガズム ==
186 ⟶ 259行目:
* 西洋以外の文学、および文学以外の文化領域(特に美術)についても加筆の余地があります。寄せ集めになってもいけないのでどう書くかは難しい部分もありますが。(ドイツ語版の出来が良いようです)
* シェリーに偏りすぎ?
* 紹介されている作家は全て男性です。女性によるオーガズム描写にも触れるべきです。現代文学だと逆にありすぎて困りますが、二次資料に基づいて定番中の定番を。
-->
[[File:Carracci - Jupiter et Junon.jpeg|thumb|『[[ユーピテル]]と[[ユーノー]]』。[[アンニーバレ・カラッチ]]画]]
194 ⟶ 268行目:
<ref>[[オウィディウス]]『[[変身物語]]』 III, 320-21 (translated by Sir Samuel Garth, [[ジョン・ドライデン|John Dryden]], et al, 1717). [[ラテン語]]原文 "''maior vestra profecto est, / quam quae contingit maribus.''</ref>}}
 
ユーノーはこの考えを拒絶する。両者は、女性として7年間を生き「[[愛]]を男女両方で知った者」[[テイレシアース]]に意見を求める<ref>''Met''. III, 323 (translated by A. S. Kline, 2000).</ref>。テイレシアースはユーピテルに同意して女の快感は男の10倍であると答えユーノーの怒りを買い、その場で盲目とされてしまった。ユーピテルはテイレシアースの痛手を和らげるため予言力と長寿を与えた<ref>''Met.'' III, 335.</ref>。『変身物語』以前にも、オウィディウスは『{{仮リンク|愛の技法|en|Ars Amatoria}}』において2人共に満たすことのできない性交を嫌悪すると宣言している<ref>{{pt icon}} ''Jornal de Letras, Artes e Ideias'', Ano XXV/Number 930. May 24 to June 6, 2006.</ref>。
 
[[ロマン主義]]と{{仮リンク|ホモエロティシズム|en|Homoeroticism}}の時代となってもオーガズムというテーマは描かれ続けた。「並外れた守備範囲と多彩さの翻訳者」と称された詩人[[パーシー・ビッシュ・シェリー]](1792-1822) <ref>Webb, 1976, p. 2.</ref>は『フランソワ・ラバイヤックとシャルロット・コルデーの祝婚歌と思われる断片』の中で「いかなる生もかのような死には及ばず」というフレーズを記し、これはオーガズムの[[メタファー|暗喩]]であると考えられており<ref name="Lauritsen">"[http://paganpressbooks.com/jpl/HHREV3.HTM Hellenism and Homoeroticism in Shelley and his Circle]", by John Lauritsen (2008). Consulted on December 10, 2009.</ref>、またこのフレーズの前には「吸ってくれ、吸ってくれ、僕は燃える、僕は燃える!」という明白に[[フェラチオ]]を仄めかした詩行<!-- a rhythmic urgency of the previous lines: 「先行する詩行のリズム的な緊迫」略 -->がある<ref name="Lauritsen" />。シェリーにとってオーガズムは「並外れた魅力を持つ人と共にいながら放置された状態でいることによるほとんど不本意な結果」であった<!-- "the almost involuntary consequences of a state of abandonment in the society of a person of surpassing attractions." 難解ですが、古代ギリシアの同性愛の文脈で、肛門性交などは行わずただ抱き合ったりそばにいたりするだけ、といったことのようです。 --> <ref>Plato, 2001.</ref>。シェリーの生涯最後の恋の相手であった{{仮リンク|エドワード・エラーカー・ウィリアムズ|en|Edward Ellerker Williams}}のことが『セルキオ川の小舟』<!-- The Boat on the Serchio -->で回想されており、これは恐らく「文学における最も偉大なオーガズム描写」であろうと見なされている<ref name="Lauritsen" />{{要検証|date=2011年5月|title=シェリー研究家による出典1つだけで「文学における最も偉大なオーガズム描写」というのは不安です。}}。
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[[精神分析学]]者の[[ジークムント・フロイト]]は『{{仮リンク|自我とエス|de|Das Ich und das Es}}』(1923)<!-- [[:en:The Ego and the Id]] -->において、オーガズムによる性的満足は[[エロース]](生の本能)を使い果たし[[タナトス]](死の本能)へと場を譲るのではないか、換言すればオーガズムによりエロースはその任務を終えタナトスに取って代わられるのではないかとしている<ref>See [[ジークムント・フロイト|Freud, Sigmund]]. "The Ego and the Id". The Hogarth Press Ltd. London, 1949. Quoted by ''Vida Íntima: Enciclopédia do Amor e do Sexo'', Abril Cultural, Vol. 1, 1981, [[サンパウロ|São Paulo]], Brazil, p. 66-67.</ref>。現代作家たちは隠喩なしでオーガズムを表現することを選んでいる。例えば[[デーヴィッド・ハーバート・ローレンス]]の小説『[[チャタレイ夫人の恋人]]』(1928)に、カップルの性行為のあからさまな語りを見出すことができる――「彼が動きはじめると、彼女の中で突然でどうすることもできないオーガズムが目覚め奇妙な戦慄が彼女の内側で波紋となって広がっていった……」<ref>[[デーヴィッド・ハーバート・ローレンス|D. H. Lawrence]], New York: Grove Press, 1969, cited by BANKER-RISHKIN; GRANDINETTI, 1997, p.141</ref>。
 
== 進化生物学などの諸仮説・主張・憶測 ==
<!--
出典が欠如していて、かつ(or だから)わざわざ書くのが奇妙なタイプの記述。
 
性交の際に身体から膣へと[[精子]]を放出する男性のオーガズムは受胎([[妊娠]])をもたらす可能性がある{{要出典|date=2011-6}}。
-->
[[進化生物学]]者たちは、生殖過程における女性のオーガズムの役割(ただし、もしそれがあるとしての仮定であるが)に関するさまざまな仮説を提唱している。1967年には[[デズモンド・モリス]]がポピュラーサイエンスの著書『{{仮リンク|裸のサル|en|The Naked Ape (book)}}』において初めて、「女性のオーガズムは男性パートナーとの肉体的な親密さを促進し、つがいの結び付きを強めるために進化したのではないか」と示唆した。「男性に比べ女性がオーガズムに達するのが比較的難しいことで女性は、他の霊長類の配偶者選択において見られるような身体の大きさや攻撃性ではなく、忍耐力、気配り、想像力、知性といった特質を持つ男性を選択するように導かれ、ダーウィン的進化において有利となるのであろう」とモリスは推測・主張した。<!--「{{要出典範囲|男女のオーガズムの差異に導かれ、そのような有利な諸特質が種の中で強められていったのである|date=2011-6}}」。「{{要出典範囲|もし男性たちが女性たちと同じようにしてオーガズムにより動機付けられ耽るようになっていたならば、利己心だけで充分であったろうからそうした有利な特質は不要となっていたであろう。|date=2011-6}}」-->
 
モリスはまた「オーガズムが、女性を消耗させ横たわったままにさせることによって精液が漏出してしまうことを防ぎ、受胎を容易にもしている{{要出典|date=2011-6}}」と主張した。これは「斧仮説」もしくは「ノックアウト仮説」とも呼ばれる。が、今日では極めて疑わしいと考えられている{{要出典|date=2011年5月}}。
 
他の諸理論は女性のオーガズムが繁殖力を高めるのであろうという考えに基づいている。「{{要出典範囲|例えば、膣のサイズが30%収縮することで陰茎を締め付けるのを助け({{仮リンク|恥骨尾骨筋|en|pubococcygeus muscle}}と非常に類似しているか、恐らくは恥骨尾骨筋により引き起こされて<!-- much like, or parhaps caused by, -->)、男性への刺激を一層高め、より早くより大量の射精を確保するのかもしれない|date=2011-6}}」という{{誰|date=2011-6}}{{いつ|date=2011-6}}。イギリスの生物学者ベイカーとベリスは女性のオーガズムが[[食道]]が食物を嚥下する能力を上下逆にしたような「吸い上げる」動きをし、望ましい精液を保持し受胎の可能性を高めるのではないか、と示唆した<ref>{{Cite journal|doi=10.1006/anbe.1993.1272 |author=Baker, R. R., and Bellis, M. A. |year=1993 |title=Human sperm competition: Ejaculate manipulation by females and a function for the female orgasm |journal=Animal Behavior |volume=46 |issue=5 |pages=887–909}}</ref>。ベイカーらは女性のオーガズムが{{仮リンク|精子競争|en|sperm competition}}において役割を持つのではないか、と推測した。
 
1994年に[[ザ・ラーニング・チャンネル]]で放送された性に関するドキュメンタリー番組<!-- 微妙ですが、監修がモリスなので一応は情報源になるとして残しておきます -->では、性交中の女性の膣の中に光ファイバーカメラを挿入し撮影を行った。彼女がオーガズムを迎えると、{{仮リンク|骨盤底|en|pelvic floor|label=骨盤筋群}}が収縮して[[ポルチオ|子宮膣部]]が反復的に{{仮リンク|膣円蓋|en|vaginal fornix}}内に溜った精液へと浸り、あたかも精子が{{仮リンク|外子宮口|en|external orifice of the uterus}}へと確実に進むようにし受胎の可能性を高めようとするかのような動きを見せた<ref>{{cite video | people=[[デズモンド・モリス|Desmond Morris]] (host) |date=1994 | title=The Human Animal | medium=TV | publisher=The Learning Channel}}</ref>。{{仮リンク|エリザベス・ロイド|en|Elisabeth Lloyd}}はこのシーンで流されたナレーションがこれを「精子の吸い上げ」の例であるとしたことを批判し、これは{{仮リンク|子宮オーガズム|en|uterine orgasm}}での通常の収縮に過ぎず、繁殖力へのどのような効果も示されてはいない、とした<ref>{{cite web|url=http://mypage.iu.edu/%7Eealloyd/Reviews.html#IHaveSeenVideo |title=Reviews |publisher=Mypage.iu.edu |date= |accessdate=2010-10-15}}</ref>。
 
[[排卵]]中には比較的オーガズムに達しやすい傾向があるという観察は、オーガズムが繁殖力の増強に結び付いていることを示唆している<ref>{{Cite news| first=David | last=Adam | url=http://www.guardian.co.uk/life/science/story/0,12996,1501314,00.html | date=8 June 2005 | title=Female orgasm all in the genes | work=The Guardian | accessdate=28 May 2006 | location=London}}</ref>という。
 
<!--他の生物学者たち{{誰|date=2011年5月}}は、オーガズムは単純に性交の動機付けとなり、生殖率を高め、それにより進化の過程で選択されてきたのであろうと憶測している。--><!--「典型的には男性の方が女性より早くオーガズムに達し、このことは女性がより頻繁に性交を行おうとする欲望を促すのかもしれず、それにより受胎の可能性が増すのである{{要出典|date=2011年5月}}」という{{誰|date=2011-6}}{{いつ|date=2011-6}}。-->
 
=== 女性 ===
陰核は陰茎と[[相同]]である――両者は共に同じ胎児構造から発達するのである。[[スティーヴン・ジェイ・グールド]]やその他の研究者たちは陰核が女性における[[痕跡器官 (生物)|痕跡器官]]であり、女性のオーガズムには進化上の機能は特に有していないと主張している。{{仮リンク|エリザベス・ロイド|en|Elisabeth Lloyd}}のようなこの仮説の主唱者たちは、膣での性交を通じて女性がオーガズムに達するのが比較的困難であること、オーガズムの後では受精率が増大することの証拠が乏しいこと、女性がオーガズムに到達できる能力とその女性が性交を行う可能性との間には統計的な[[相関]]が見られないことなどを指摘している<ref>{{cite web|url=http://mypage.iu.edu/%7Eealloyd/Reviews.html#IsntItObviousThat |title=Reviews |publisher=Mypage.iu.edu |date= |accessdate=2010-10-15}}</ref>。
 
科学ライターの{{仮リンク|ナタリー・アンジェ|en|Natalie Angier}}は、この仮説が女性のオーガズムの心理社会的な価値を過小評価していると批判している。キャサリン・ブラックリッジは著書『ヴァギナ:女性器の文化史』においてオーガズムと受胎の成功との間に結び付きがある可能性を示す研究を引用している。ブラックリッジは「女性のオーガズムは痕跡的なもの」とする仮説が、受胎の成功の結果としてもたらされ続けている進化的な利点を無視していると批判している{{要ページ番号|date=2011年5月}}。[[人類学]]者・[[霊長類学]]者である[[サラ・ブラファー・ハーディ]]もまた女性のオーガズムが痕跡的なものであるとする議論を批判し、そのような考え方には[[性差別]]の気配があると書いている<ref>{{cite web| url=http://www.arlindo-correia.com/241005.html |author=Christopher Shea| title=Orgasmic science| work=[[ボストン・グローブ|The Boston Globe]]| date=24 April 2005| accessdate=2011-05-22}}</ref>。
 
[[進化生物学]]者の{{仮リンク|ロビン・ベイカー|en|Dr Robin Baker}}は『{{仮リンク|精子戦争|en|Sperm Wars}}』において、オーガズムの発生とタイミングは全て、進化的により適した男性の精子を受け取り保持するための女性の身体の無意識的な戦略の一部をなすのであると論じている。性交時のオーガズムは、精子と病原体に対する子宮頸部の自然のフィルタを回避させるためのボタンとして機能するのである。性交前の<!-- an orgasm before -->オーガズムは逆にフィルタを強化する{{要出典|date=2011-6}}<!--断定口調で書かない。中立的に書くべき。-->、というのである。
 
=== 個人差の遺伝的基礎 ===
2005年に行われた{{仮リンク|双生児研究|en|twin study}}は女性の3人に1人は性交(膣にペニスが入る行為)中にオーガズムに達したことがない、あるいはほとんど達することがなく、性交で常にオーガズムに達するのは10人に1人にしか過ぎないことを明らかにした。一般に心理社会的なものであると考えられている、オーガズムに達する能力のこの個人差は、34-45%が遺伝的なものであると明らかになった。4000人の女性を調査したこの研究は[[王立協会]]の学術誌『{{仮リンク|バイオロジー・レターズ|en|Biology Letters}}』で公表された<ref>{{Cite news| url=http://news.bbc.co.uk/1/hi/health/4616899.stm | title=Female orgasm is 'down to genes' | publisher=BBC | date=7 June 2005 | accessdate=28 May 2006}}</ref><ref>{{cite press release | publisher=Primary Care Sciences Research Centre, Keele University | date=7 June 2005 | url=http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-06/rs-sir060605.php | title=Genetic influences on variation in female orgasmic function: a twin study by Dr KM Dunn, Dr LF Cherkas and Prof TD Spector | accessdate=28 May 2006}}</ref>。エリザベス・ロイドはこれを女性のオーガズムが[[適応]]的なものではないことの証拠として引用している<ref>{{cite web|url=http://mypage.iu.edu/%7Eealloyd/Reviews.html#IReadRecentlyThat |title=Reviews |publisher=Mypage.iu.edu |date= |accessdate=2010-10-15}}</ref>。
== 人間以外の動物 ==
{{See also|動物の性行動}}
{{節stub|date=2011年5月}}
 
オスのオーガズムの機序は哺乳類の大半でも同様である。一部の哺乳類および、哺乳類以外でもアメリカワニ<ref>{{cite web|url=http://www.crocodilian.com/crocfaq/faq-8.html |title=Crocodilian Captive Care FAQ (Caiman, Alligator, Crocodile) |publisher=Crocodilian.com |date=1996-03-05 |accessdate=2010-10-15}}</ref> などには陰核がある。
 
[[生殖]]以外の理由で性交を行っているように思われる種である[[イルカ]]の性とオーガズムに関する研究も行われている<ref>National Geographic's ''Dolphins: The wild side'' documentary (1999), [http://www.imdb.com/title/tt0386415/ IMDb].「性交はカジュアルかつ頻繁に行われ、絆を強め維持する社会的な道具となっている。しかしこうした調和の裏にはイルカの暗い側面も隠れている。強いオスの集団は若かったり小さかったりする他のイルカをいじめるのである。」
[http://www.nationalgeographic.com/tv/press/990202.html National Geographic website]より([http://web.archive.org/web/20090221164719/http://www.nationalgeographic.com/tv/press/990202.html アーカイブ])</ref>。
 
 
 
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== 参考文献 ==
<!-- FIXME: 男性のオーガズムを中心に扱った文献が用いられていません。 -->
* BANKER-RISKIN, Anita; GRANDINETTI, Deborah (1997). ''Simultaneous Orgasm: And Other Joys of Sexual Intimacy''. Hunter House. ISBN 0-89793-221-8, ISBN 978-0-89793-221-9.
* PARTRIDGE, Eric (2001). ''Shakespeare's bawdy: Classics Series Routledge classics''. 2nd ed., Routledge. ISBN 0-415-25400-0, ISBN 9780415254007.
* [[プラトン|Plato]] (2001). ''The Banquet''. (P.B. Shelley, Trans., J. Lauritsen, Ed., Foreword). Provincetown, MA: Pagan Press.
* WEBB, Timothy (1976). ''The violet in the crucible: Shelley and translation'', 1976. Oxford: Clarendon Press.
 
* {{Citation
|last=マスターズ
|first=ウィリアム・H
|last2=ジョンソン
|author=ヴァージニア・E
|year=1980
|date=1980-06
|title=人間の性反応
|place=東京
|language=
|publisher=池田書店
|isbn=
}}
*: 原書は1970年。謝国権、ロバート・Y・竜岡訳、396ページ。イギリスの女性382人と男性312人を対象に性反応の臨床的調査を行った古典的研究。
* {{Citation
|editor-last=J.サドック
|editor-first=ベンジャミン
|editor2-last=A.サドック
|editor2-first=バージニア
|year=2004
|date=2004-10
|title=カプラン臨床精神医学テキスト
|edition=2
|place=東京
|language=
|publisher=メディカル・サイエンス・インターナショナル
|isbn=4-89592-384-3
}}
*: 1525ページ。[[精神障害の診断と統計の手引き|DSM-IV-TR]]に基づく大部の教科書。第21章「人間の性」にオーガズムとその不全の医学的な記述。<!-- 記事中に登場するヘレン・シンガー・カプランとは無関係 -->
* {{Citation
|last=ドレント
|first=イェルト
|year=2005
|date=2005-05-30
|title=ヴァギナの文化史
|place=東京
|language=
|publisher=作品社
|isbn=978-4-87893-689-0
}}
*: 塩崎香織訳、522ページ。医学的・社会的見地から見た女性器と女性のセクシュアリティの歴史に厚い。記述の情報源が明記されており、信頼性が高く使いやすい。著者はオランダ性科学者協会代表。
* {{Citation
|last=ブラックリッジ
|first=キャサリン
|year=2005
|date=2005-12-30
|title=ヴァギナ 女性器の文化史
|place=東京
|language=
|publisher=河出書房新社
|isbn=978-4-409-20453-6
}}
*: 藤田真利子訳、442ページ。幅広いテーマを扱っているが、生物学的な関心が強め。第7章「オーガズムの働き」(pp.363-426)がオーガズムに割かれている。<!-- 既存研究の紹介をしている部分と、著者の主張や願望が強く出た部分が混在するので情報源としては取り扱いに注意が必要かもしれません。-->
* {{Citation
|last=モリス
|first=デズモンド
|author-link=デズモンド・モリス
|year=1999
|date=20
|title=裸のサル
|series=角川文庫
|place=東京
|language=
|publisher=角川書店
|isbn=4-04-325901-8
}}
*: 原書は1967年刊。日高敏隆訳、292ページ。[[性革命]]の時代に書かれた、動物行動学者の視点からの人間論。第2章「セックス」(pp.56-114)でヒトの性行動を論じている。第2章の参考文献として『人間の性行動』『キンゼイ報告』が使用されている。
* {{Citation
|last=ベイカー
|first=ロビン
<!-- |author-link=ロビン・ベイカー -->
|year=2009
|date=2009-12-20
|title=精子戦争 性行動の謎を解く
|place=東京
|language=
|publisher=河出書房新社
|isbn=978-4-309-46328-5
}}
*: 原書は1996年刊。秋川百合訳、451ページ。約4000人のイギリス女性からの聞き取り調査と約100組のカップルから採取した精液の調査を基に、[[精子競争]]の観点から人間の性行動を解釈。第8章が「オーガズム」。
* {{Citation
|last=ローソン
|first=フィリップ
|year=2000
|date=2000-07-26
|title=タントラの世界
|place=東京
|language=
|publisher=[[青土社]]
|isbn=978-4-7917-5829-6
}}
*: 本園正興訳、266ページ。ヒンドゥー教タントラの一般向け概説書。
* {{Citation
|last=大島
|first=清
|author-link=大島清 (性科学者)
|year=2009
|date=2009-09-20
|title=大脳生理学が明かす「女と男のカラダ」 ヒトの快感を操る脳の不思議
|place=東京
|language=
|publisher=[[二見書房]]
|isbn=978-4-576-09117-4
}}
*: 276ページ。1993年刊行のものの改装改訂新版。性科学者による一般向け書籍。<!-- 一定の信頼はできそうですが、通俗書なので情報源がほとんど示されておらず、取り扱いには注意が必要です。 -->
<!-- 脚注用パレット
<ref>{{Harvnb|マスターズ|ジョンソン|1980|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|J.サドック|A.サドック|2004|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|ブラックリッジ|2005|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|ドレント|2005|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|モリス|1999|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|ベイカー|2009|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|大島|2009|pp=}}</ref>
<ref>{{Harvnb|ミュッシャンブレ|2006|pp=}}</ref>
-->
 
== 関連文献 ==
<!-- {{Expand further}} -->
<!-- TODO: キンゼイ報告、ハイト・リポート、モア・リポートの3調査は孫引きでなく直接使用すべきです。 -->
* Gabriele Froböse, Rolf Froböse, Michael Gross (Translator): ''Lust and Love: Is it more than Chemistry?'' Publisher: Royal Society of Chemistry, ISBN 0-85404-867-7, (2006).
* Komisaruk, Barry R.; Beyer-Flores, Carlos; Whipple, Beverly. ''The Science of Orgasm''. Baltimore, MD; London: The Johns Hopkins University Press, 2006 (hardcover, ISBN 0-8018-8490-X). <!-- 邦訳に期待 -->
* 『オルガスムの歴史』 ロベール・ミュッシャンブレ(Muchembled, Robert)著 ; 山本規雄訳. -- 作品社, 2006.8 ISBN 4861820960 <!-- 「参考文献」とされていましたが実際に使用された形跡はありませんでした(科学でなく文化史の本です)ので関連文献としておきます。原題は『オルガスムと西洋』(L'orgasme et l'Occident)で、オーガズムというより西洋におけるセクシュアリティの歴史の本です。西洋におけるオーガズム観の変遷を辿るという観点からは貴重な文献なので、ぜひ用いて加筆してください(その際には「参考文献」節に移してください)。 -->
 
== 関連項目 ==