「ケルビンプローブフォース顕微鏡」の版間の差分

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== 特徴 ==
試料の表面形状とポテンシャル像を同時に得ることができるため、デバイス表面物性の評価に有用である。この際、取得されるポテンシャル像は、使用する[[カンチレバー]]の[[仕事関数]]との差が[[電位]]像として取得される。[[大気]]中のものと[[真空]]中で利用されるものがある。現在、[[真空|超高真空]]中にて[[原子]]分解能程度まで高感度に観察された例が報告されているが、カンチレバーと試料との間のギャップ制御信号と、ポテンシャル像を得るためにカンチレバーに対して2重の加振を行うために、信号の強度は低下し、ノイズレベルは増加する。つまり[[S/N比]]が悪化する。そのため、高感度観察は非常に困難である。また、仕事関数の変化はプローブの[[酸化]]等の表面状態に顕著であるため、定量的に比較することが難しい。試料表面の仕事関数の分布を電位として捉える際に取得できる最小検出感度は、カンチレバーの[[ばね定数]]や[[Q値]]、[[曲率半径]]などにより求める事ができる。イギリスの[[ケルビン]]が接触電位差として短針と試料との電位差が得られることを発見した事が名前の由来となっている。
 
== 測定 ==
KFMで用いる[[カンチレバー]]は導電性の物を用いる。この際、[[Au]]等を蒸着した物を用いる場合が多い、だだし仕事関数の取り扱いに注意しなければならない。コンタクトモードでのKFM測定の際は、程度問題に寄るが、プローブ先端は必ず削れる事と先端には金属が蒸着されにくいため、Auの仕事関数を用いるべきか、下地の素材かを注意する必要がある。しかしKFMで得られる仕事関数はプローブの仕事関数の勾配が大きくかかわってくるため、蒸着なしの物の方が概念的に分かりやすい。
 
また、KFMの信号を取得する際に、零位法で取得する場合と、仕事関数の違いを直接測定する方法がある。零位法の場合、試料表面と大きくプローブの仕事関数が大きく離れている場合は、仕事関数の差0でフィードバックできない場合がある。仕事関数のフィードバック制御には試料側行う方法とプローブ側で行う方法があるが、絶縁体の試料や導電性の低い試料ではプローブ側で行う必要がある。
 
== 検出感度 ==
試料表面の仕事関数の分布を電位として捉える際に取得できる最小検出感度は、カンチレバーの[[ばね定数]]や[[Q値]]、[[曲率半径]]などにより求める事ができる。
 
 
== 問題点と課題 ==
カンチレバーと試料との間のギャップ制御信号と、ポテンシャル像を得るためにカンチレバーに対して2重の加振を行うために、信号の強度は低下し、ノイズレベルは増加する。つまり[[S/N比]]が悪化する。そのため、高感度観察は非常に困難である。また、仕事関数の変化はプローブの[[酸化]]等の表面状態に顕著であるため、定量的に比較することが難しい。
 
[[category:顕微鏡|けるひんふろおふけんひきよう]]