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'''僧録'''（そうろく）とは、[[中世]]以後[[僧侶]]の登録・[[住持]]の任免などの人事を統括した役職である。
==中国における僧録==
中国では、[[北宋]]初の右街僧録であった[[賛寧]]の『[[大宋僧史略]]』巻中「左右街僧録」によれば、[[唐]]の[[元和_(唐)|元和]]年間に設置されたのが始まりとされている。端甫法師が最初とする。その後、[[文宗 (唐)|文宗]]の[[開成 (唐)|開成]]年間に始めて左右街僧録が設けられたという。
日本では、[[建武_(日本)|建武]]3年（[[1336年]]）に[[足利尊氏]]の元に[[禅宗]]（[[臨済宗|臨済]]・[[曹洞宗|曹洞]]両宗）及び[[律宗]]（[[真言律宗]]を含む）などを統括していたが、'''禅律方'''（ぜんりつがた）が設置され、[[細川和氏]]、[[藤原有範]]（[[藤原南家|南家]]）、[[六角氏頼]]、[[赤松則祐]]らが任命された。後に[[室町幕府]]の正式な機関となり、[[足利義満]]の元で'''僧録司'''（そうろくし）と呼ばれて[[五山派]]の[[春屋妙葩]]が初代の僧録に任じられた<ref>ただし、[[貞治]]5年（[[1366年]]）に[[高麗]]の使者が来日した際に[[足利義詮]]から仮に僧録の資格が与えられて交渉にあったことはある。</ref>。幕府と[[五山]]のつながりが強まるにつれて僧録は五山の僧侶によって独占され、臨済宗の事実上の最高機関として五山以下の諸寺を統括するようになった。特に[[相国寺]]塔頭[[鹿苑院（相国寺塔頭）|鹿苑院]]<ref>[[鹿苑寺]]（金閣寺）とは別の寺院である。</ref>の[[絶海中津]]が僧録に任じられると、以後義満の塔所が同院に置かれた事もあり、その住持が僧録を兼務するようになり「'''鹿苑僧録'''（ろくおんそうろく）」と呼ばれるようになった。鹿苑僧録は五山以下の諸寺の[[寺格]]決定やその住持の任免、[[所領]]・[[訴訟]]などの処理を行うなど、幕府に対しても大きな影響力を有したが、後に名誉職化して[[皇族]]などが血筋によって僧録に任じられるようになると、僧録と幕府の連絡役であった'''蔭涼職'''（いんりょうしき）が実務の責任者となった。▼
==日本における僧録==
===禅律方と僧録司===
日本では、[[建武_(日本)|建武]]3年（[[1336年]]）に[[足利尊氏]]の元に[[禅宗]]（[[臨済宗|臨済]]・[[曹洞宗|曹洞]]両宗）及び[[律宗]]（[[真言律宗]]を含む）などを統括していたが、'''禅律方'''（ぜんりつがた）が設置され、[[細川和氏]]、[[藤原有範]]（[[藤原南家|南家]]）、[[六角氏頼]]、[[赤松則祐]]らが任命された。後に[[室町幕府]]の正式な機関となり、[[足利義満]]の元で'''僧録司'''（そうろくし）と呼ばれて[[五山派]]の[[春屋妙葩]]が初代の僧録に任じられた<ref>ただし、[[貞治]]5年（[[1366年]]）に[[高麗]]の使者が来日した際に[[足利義詮]]から仮に僧録の資格が与えられて交渉にあったことはある。</ref>。
===鹿苑僧録===
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===歴代僧録===
以下、鹿苑僧録の主な歴代を記す<ref>今枝愛真『中世禅宗史の研究』東京大学出版会,1970年.および財団法人禅文化研究所『新日本禅宗史〈時の権力者と禅僧たち〉』</ref>。
<!----文字変換などが困難であった人名は表記できませんでした。したがって、すべての歴代を網羅しているわけではありません---->
*[[春屋妙葩]]
*[[絶海中津]]
*[[空谷明応]]
*[[無求周伸]]
*[[海印善幢]]
*[[厳中]]
*[[古幢周勝]]
*[[宝山乾珍]]
*[[虎山永隆]]
*[[海門承朝]]
*[[瑞渓周鳳]]
*[[春林周藤]]
*[[竺雲等連]]
*[[東岳]]
*[[竜岡真圭]]
*[[仙厳澄安]]
*[[維聲梵桂]]
*[[惟明瑞智]]
*[[月翁周鏡]]
*[[錦江景文]]
*[[横川景三]]
*[[金渓梵鐸]]
*[[就山永崇]]
*[[宗山等貴]]
*[[清父珠瞳]]
*[[東雲景岱]]
*[[景甫寿陵]]
*[[汝雪法叔]]
*[[春湖寿信]]
*[[仁如集堯]]
*[[江春瑞超]]
*[[西笑承兌]]
*[[有節瑞保]]
===江戸以降の僧録===
[[江戸幕府]]成立後の[[元和_(日本)|元和]]元年（[[1615年]]）、[[寺院諸法度]]が制定されると、僧録・蔭涼職が廃止されて幕府の直接支配が図られた。だが、4年後に幕府によって[[崇伝]]が改めて僧録に任命された。以後、崇伝のいた[[南禅寺]][[金地院]]の住持が僧録を兼務するようになり、「'''金地院僧録'''（こんじいんそうろく）」と呼ばれるようになった。また、曹洞宗の[[関三刹]]のように臨済宗以外の宗派にも僧録が置かれた宗派も存在した。
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