「大気圏再突入」の版間の差分

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再突入の条件は、適切な軌道離脱タイミングと機体の角度(進入角度とはいわない)。タイミングが僅かでもずれると着陸地点が大幅に変わる。また、角度が浅いと「大気に弾かれる」というのは間違った解釈。有人宇宙船の場合は進行方向に対し斜めの姿勢をとるなどして大気で[[揚力]]を発生させて「[[滑空]]」することで対気速度を落とし、最高温度の上昇を防ぐと同時に宇宙飛行士にかかる加速度を軽減するのが一般的である。
 
再突入時の飛行速度は超高速(例えばスペースシャトルではマッハ20以上)になるため、大気との断熱圧縮による空力加熱によって機体表面温度は1,500度以上となり、周りの希薄空気がプラズマ状態となって明るく輝く。断熱圧縮による空力加熱とは、物体が高速で移動するときに移動経路上の空気を圧縮し続けることで[[断熱過程|断熱圧縮]]と同等の効果によって高温が生じ、機体が加熱されることである<ref>[http://www.rocket.jaxa.jp/fstrc/wrd_h/b23.html 宇宙輸送用語 空力加熱]jaxa</ref>。機体表面と空気との摩擦によっても熱は生じるが、断熱圧縮によって生じる熱に比べれば比較的小さく、あまり考慮されない<ref>川口淳一郎著、『「はやぶさ」の超技術』、講談社、2011年3月20日第1刷発行、ISBN 9784062577229</ref>。高速で飛翔する機体周りの大気は、機体により押しのけられることで発生する衝撃波によって瞬時に断熱的に圧縮され(気体力学的な意味での断熱圧縮ではない)温度が上昇する。この高温に耐える熱防護システム (Thermal Protection System, TPS) が重要であり、[[熱容量]]の大きなポリカーボネートやフェノール樹脂の融解・蒸発により熱を吸収するもの([[アブレータ]])や、スペースシャトルの断熱セラミックスタイルといった耐熱シールドがある。
 
{{要出典範囲|周りの大気との間に生じる空力加熱の熱が機体側へ伝わる経路は、一般的に「輻射」と「対流」の2つがある|date=2011年6月}}<!--「伝導」は含まれないのに「対流」は含まれるのか?-->。輻射は、高温の大気から電磁波輻射で機体へ熱が伝えられる。温度上昇した気体から生じる電磁波の輻射を受けて物体が加熱される。対流は、機体周りの気体の流れによって熱が伝わることである。{{要出典範囲|機体壁面付近の流れは粘性により急激に速度が減少する。速度が減少すると、流れの運動エネルギーが減少し、内部エネルギーに転化され気体の温度が上昇する。境界層と呼ばれる機体壁面付近の低流速・高温度の領域が形成される。境界層は気体により成り立っているので機体壁面への熱伝導はほとんどなく、境界層上流及び外部のエネルギーは強制対流によって(以下、対流と呼ぶ)大きく下流及び壁面へ輸送される(熱伝導ではなく熱伝達による熱のやりとりが行われる)。対流によってやりとりされる熱の大きさは、温度差だけでなく境界層の内部の流れの様子にもよる|date=2011年6月}}<!--要出典範囲の前半部分は「対流」の説明ではなく「空力加熱」の説明では? 後半部分は、まず「強制対流」以外の対流があるのか? 気体だから熱伝導がないというのはおかしい。「熱伝達」というあいまいな言葉で説明しようとしているので意味が分からなくなっている。-->。{{要出典範囲|気流の密度や圧力が高く、境界層における気体のエネルギーの密度が高い場合は空力加熱は一般的に大きくなる。また、境界層内部で流れの乱れが大きな乱流境界層となる場合も強制対流効果が大きく、空力加熱は大きくなる。気体分子の乖離、プラズマ化や壁面との化学反応と言った実在気体効果を考慮するケースもある|date=2011年6月}}<!--「境界層」の説明なのか「空力加熱」なのか、何の説明か分からない。「気体分子の乖離」って何? それって「乖離」ではなく「電離」?つまり「プラズマ」? 急に「壁面との化学反応」って、いったい何についての説明?-->。