「汎用ヘリコプター」の版間の差分

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アメリカ空軍とソ連軍について追記。
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=== 海軍 ===
{{See also|LAMPS}}
[[アメリカ海軍]]においては、陸軍のような軽輸送ではなく、[[航空母艦]]艦上での連絡・救難を主任務として汎用ヘリコプターを定義しており、HUないしHJの機種記号を付与していた。ただし現在では、[[対潜哨戒機#哨戒ヘリコプター|哨戒ヘリコプター]]や[[LAMPS]]機が広く配備されたことから、これらの機体に代替されて、汎用ヘリコプターという種別そのものが消滅している。
 
なお、LAMPSは「多目的」(Multi-Purpose)と定義されているが、これは、従来の汎用ヘリコプターの任務に加えて対潜・対水上戦闘任務が加わったことをあらわしており、従来の「汎用」とは異なるものである<ref name="艦載ヘリ"/>。
 
=== 空軍 ===
[[アメリカ空軍]]の保有機材は、基本的に[[固定翼機]]に限定されているが、少数の回転翼機も運用している。これらは、汎用ヘリコプターや練習ヘリコプター、またヘリコプターの特性を生かした特殊な輸送ヘリコプター(クレーン・ヘリコプター)である。
 
空軍の汎用ヘリコプターは、基本的に[[連絡機|連絡]]・[[救難機|救難]]を目的とした非武装機であり、[[飛行場]]や[[射場]]などの[[アメリカ空軍基地の一覧|空軍基地]]に少数機ずつ配備されている。空軍には戦闘捜索救難(CSAR)の専門部隊が設置されているため、汎用ヘリコプターによる救難範囲は、基地の周辺におおむね限定される。機材としては[[UH-1N ツインヒューイ]]を使用するが、老朽化に直面していることから、CVLSP(common vertical lift support platform)計画のもとで更新が予定されている<ref>{{Cite web|author=Stephen Trimble|date=2002年6月11日|url=http://www.flightglobal.com/articles/2011/06/02/357446/usaf-powers-up-for-long-awaited-uh-1n-replacement.html|title=USAF powers up for long-awaited UH-1N replacement|language=英語|accessdate=2011年8月1日}}</ref>。
 
== ソビエト連邦 ==
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=== 空軍 ===
[[ソ連空軍]]の装備は、アメリカ海兵隊と同様の方針を採用しており、小型で[[連絡機|連絡]]・[[観測機|観測]]に重点を置いた機体と、大型で輸送や[[攻撃ヘリコプター|武装攻撃]]に重点を置いた機体の併用とされていた。当初は[[Mi-1 (航空機)|Mi-1]]と[[Mi-4 (航空機)|Mi-4]]、1960年代半ばからは[[Mi-2 (航空機)|Mi-2]]と[[Mi-8 (航空機)|Mi-8]]を運用してきた。なお、1970年代以降、Mi-8の強化改良型である[[Mi-17 (航空機)|Mi-8MT(輸出型はMi-17)]]の実用化に伴い、生産はこちらに切り替えられている。ただしアメリカ海兵隊と異なり、大型のMi-8を汎用ヘリコプターとして運用しており、一部の機体は武装ヘリコプターとして改装されたほか、本格的攻撃ヘリコプターとして[[Mi-24 (航空機)|Mi-24]]を開発する際にもMi-8がベースとなっている。また、Mi-24には兵員ないし担架の収容・輸送スペースが残されていることから、こちらも汎用ヘリコプターとして運用することもできる<ref name="軍用ヘリ"/>。これに加えて、ソ連ではアメリカ海兵隊が保有しない固定翼大型[[輸送機]]並みの大型ヘリコプターを運用した。当初は[[Mi-6_(航空機)|Mi-6]]、後期には[[Mi-26_(航空機)|Mi-26]]が配備され、さらに大型の機体も少数生産された。これらの存在により、西側では大型機輸送用されMi-8クラスのような中型ヘリコプターがソ連では中堅クラスの汎用機としていにわれることとなっていた。
 
ソ連軍にとって小型ヘリコプターはあくまで補助的な地位に留まったため生産も[[ポーランド人民共和国]]など他国に任せており、国内では主力のMi-6やMi-8クラスの機体を重点的に生産した。なお、Mi-8クラスは軍官用と[[アエロフロート・ロシア航空|アエロフロート]]用に重点的に配備され、Mi-6クラスはほぼ軍官専用であったのに対し、小型機は[[農業]]等民生用に多くが使用されている。
 
=== 海軍 ===
空軍以外にも、[[ロシア海軍航空隊|海軍航空隊]]が多数の汎用ヘリコプターを運用した。[[船に搭機]]とて用いられたのは専ら、[[Ka-25 (航空機)|Ka-25]]や[[Ka-27 (航空機)|Ka-27]]といった[[対潜哨戒・救難・掃海用の機#哨戒ヘリコプターであったが(実際には、そうした|哨戒ヘリコプター]]であった、これらは救難や連絡などの任務にも投入され、汎用機の役割も担わされた。少数ではあるが基地配備のヘリコプターKa-27をもとは空軍同様の機種の汎用した艦載輸送ヘリコプターとしてKa-29開発され、[[上陸戦]]に使用するため[[イワン・ロゴフ級揚陸艦]]などに搭載されていた。
 
また基地配備のヘリコプターには、空軍同様の機種の汎用ヘリコプターが充当されていたが、これらの機体は、[[ロシア海軍歩兵|海軍歩兵]]による地上作戦にも使用される。
 
== イギリス ==