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【シナリオ 神聖喜劇】より統合、転記  UTC 2011年8月5日 (金) 09:04; 執筆者 ぐももも桃も 、犬ちゃん、lese
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==シナリオ版==
2004年に、[[荒井晴彦]]によって[[シナリオ]]化された(『[[シナリオ 神聖喜劇]]』[[太田出版]])。映画化はされていない。『'''シナリオ 神聖喜劇'''』は、[[荒井晴彦]]による[[シナリオ]]。[[大西巨人]]の[[長編小説]]『[[神聖喜劇]]』をシナリオ化したものである。[[2004年]]に[[太田出版]]から刊行された。400字詰め[[原稿用紙]]にして750枚ぶんの長大なシナリオ。
===主要登場人物===
*藤堂太郎:食卓末席組
*冬樹照美:同上
*大前田:鬼[[軍曹]]
*村上:理知的な上官
*藤堂の彼女:戦争で夫を亡くした。藤堂と情事に耽る。
*冬木の彼女
*村崎:村上を尊敬
*橋本:冬木と同じく、新平民。「百一」と上官から呼ばれる。
===あらすじ===
{{ネタバレ}}
反戦活動で逮捕され九州帝大法学部を中退した東堂太郎は新聞記者になった後に従軍する。そこで、法的知識をバックに上官に対抗する。冬木という、[[新平民]]で前科者と噂される男に惹かれ、友情で結ばれる。冬木は、湯浅という兵の[[銃剣]]のホルダーをすり替えた事件で嫌疑がかかってしまう。そこで、東堂は、法的知識を駆使して、またしても、上官に対抗する。その甲斐あって、冬木は難を逃れることができたが、すり替え事件の真犯人についてはウヤムヤになってしまう。
 
正真正銘のガンスイと言われる馬鹿が、窃盗を犯した件で、擬似死刑のような目にあっている時に、死刑反対論者であった東堂は我慢ができなくなってしまい上官を制止する叫びを発してしまう。冬木や仲間の兵たちもそれに同調する。この件に対しては、何人かが軽い処分を受けることによって決着がつく。
その他いろいろ。
===用語===
方言や軍隊用語や隠語など、さまざまな知られざる言葉が飛び交うのがこの原作の特徴で、荒井も難儀したと後書きで述懐している。
*'''ガンスイ''':[[元帥]](げんすい)の誤読。それ以上昇進できない、駄目な兵士は、このように皮肉られる。
*'''八厘''':頭が足りない者への蔑称
*'''百一''':百回に一回しか真実を言わない奴。嘘つき
===備考===
太田出版の高瀬幸途からの「[[笠原和夫]]は庶民の立場から戦争を描いたが、荒井さんはインテリの立場から描いたらどうだ?」との誘い文句に乗せられて、原作を未読の段階でシナリオ化を引き受けたと、著者は後書きで振り返る。著者は、仕事を引き受けた時点で、高瀬が「映画化はおまけ」と考えていたと、忖度している<ref>本書あとがき</ref>。
映画化を持ちかけられた澤井信一郎の(付録小冊子における)解説によると、当初から映画化に先駆けてシナリオを出版する計画であり、なおかつ撮影用シナリオはその書籍を基に新たに書く予定であったらしい<ref>本書付属の小冊子にて。澤井信一郎の言葉から</ref>。つまり、本書は、映画製作とはとりあえず独立した出版用のシナリオであるから、[[レーゼシナリオ]]であると言える。また、主要登場人物に、[[島田紳助]]や[[松本人志]]がイメージ・キャスティングされていたこともあるらしい。
荒井の妻が、書店員に「(映画関連書コーナーの棚ではなく)文学書コーナーに本を置いて」と頼んだというエピソードもある。<ref>本書刊行後の『[[映画芸術]]』の座談会で参加者の誰かがそう言った</ref>
[[2010年]]現在で、具体的な映画化実現の話は無いが、企画が頓挫したとの情報も無い。
南[[カリフォルニア]]と[[ラスベガス]]に拠点を置き、脚本形式に「文学最後のフロンティア」<ref>雑誌タイトルの下にサブタイトルとしてそう付記されている</ref>を見出すウェブ雑誌『スクリプト・ジャーナル』編集長クインビー・メルトンは『[http://scriptjournal.studiohyperset.com/issues/1.1/productions-dubious-advantage.php 製作の曖昧な優位性]』という論稿の中で本書に触れた。
===出典===
<references />
===外部リンク===
*[http://hinokuma.blog.ocn.ne.jp/weblog/2005/03/post_12.htm 書評]
{{デフォルトソート:しなりおしんせいきけき}}
[[Category:レーゼシナリオ]][[Category:2004年の書籍]]
[[Category:荒井晴彦の脚本作品]]
 
 
==舞台版==
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[[Category:連載小説]]
[[Category:戦争文学]]
{{統合提案|神聖喜劇|date=2011年7月}} + #転送 [[神聖喜劇]]
- {{文学}}
- 『'''シナリオ 神聖喜劇'''』は、[[荒井晴彦]]による[[シナリオ]]。[[大西巨人]]の[[長編小説]]『[[神聖喜劇]]』をシナリオ化したものである。[[2004年]]に[[太田出版]]から刊行された。400字詰め[[原稿用紙]]にして750枚ぶんの長大なシナリオ。
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- ==本の構成==
- *人物表
- *第一章
- *第二章
- *第三章
- *第四章
- *第五章
- *巻末資料
- *あとがき
-
- *付録の[[小冊子]]([[澤井信一郎]]による解説など)
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- ==主要登場人物==
- *藤堂太郎:食卓末席組
- *冬樹照美:同上
- *大前田:鬼[[軍曹]]
- *村上:理知的な上官
- *藤堂の彼女:戦争で夫を亡くした。藤堂と情事に耽る。
- *冬木の彼女
- *村崎:村上を尊敬
- *橋本:冬木と同じく、新平民。「百一」と上官から呼ばれる。
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- ==あらすじ==
- {{ネタバレ}}
- 反戦活動で逮捕され九州帝大法学部を中退した東堂太郎は新聞記者になった後に従軍する。そこで、法的知識をバックに上官に対抗する。冬木という、[[新平民]]で前科者と噂される男に惹かれ、友情で結ばれる。冬木は、湯浅という兵の[[銃剣]]のホルダーをすり替えた事件で嫌疑がかかってしまう。そこで、東堂は、法的知識を駆使して、またしても、上官に対抗する。その甲斐あって、冬木は難を逃れることができたが、すり替え事件の真犯人についてはウヤムヤになってしまう。
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- 正真正銘のガンスイと言われる馬鹿が、窃盗を犯した件で、擬似死刑のような目にあっている時に、死刑反対論者であった東堂は我慢ができなくなってしまい上官を制止する叫びを発してしまう。冬木や仲間の兵たちもそれに同調する。この件に対しては、何人かが軽い処分を受けることによって決着がつく。
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- その他いろいろ。
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- ==用語==
- 方言や軍隊用語や隠語など、さまざまな知られざる言葉が飛び交うのがこの原作の特徴で、荒井も難儀したと後書きで述懐している。
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- *'''ガンスイ''':[[元帥]](げんすい)の誤読。それ以上昇進できない、駄目な兵士は、このように皮肉られる。
- *'''八厘''':頭が足りない者への蔑称
- *'''百一''':百回に一回しか真実を言わない奴。嘘つき
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- ==備考==
- 太田出版の高瀬幸途からの「[[笠原和夫]]は庶民の立場から戦争を描いたが、荒井さんはインテリの立場から描いたらどうだ?」との誘い文句に乗せられて、原作を未読の段階でシナリオ化を引き受けたと、著者は後書きで振り返る。著者は、仕事を引き受けた時点で、高瀬が「映画化はおまけ」と考えていたと、忖度している<ref>本書あとがき</ref>。
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- 映画化を持ちかけられた澤井信一郎の(付録小冊子における)解説によると、当初から映画化に先駆けてシナリオを出版する計画であり、なおかつ撮影用シナリオはその書籍を基に新たに書く予定であったらしい<ref>本書付属の小冊子にて。澤井信一郎の言葉から</ref>。つまり、本書は、映画製作とはとりあえず独立した出版用のシナリオであるから、[[レーゼシナリオ]]であると言える。また、主要登場人物に、[[島田紳助]]や[[松本人志]]がイメージ・キャスティングされていたこともあるらしい。
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- 荒井の妻が、書店員に「(映画関連書コーナーの棚ではなく)文学書コーナーに本を置いて」と頼んだというエピソードもある。<ref>本書刊行後の『[[映画芸術]]』の座談会で参加者の誰かがそう言った</ref>
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- [[2010年]]現在で、具体的な映画化実現の話は無いが、企画が頓挫したとの情報も無い。
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- 南[[カリフォルニア]]と[[ラスベガス]]に拠点を置き、脚本形式に「文学最後のフロンティア」<ref>雑誌タイトルの下にサブタイトルとしてそう付記されている</ref>を見出すウェブ雑誌『スクリプト・ジャーナル』編集長クインビー・メルトンは『[http://scriptjournal.studiohyperset.com/issues/1.1/productions-dubious-advantage.php 製作の曖昧な優位性]』という論稿の中で本書に触れた。
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- ==出典==
- <references />
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- ==外部リンク==
- *[http://hinokuma.blog.ocn.ne.jp/weblog/2005/03/post_12.htm 書評]
- {{デフォルトソート:しなりおしんせいきけき}}
- [[Category:レーゼシナリオ]][[Category:2004年の書籍]]
- [[Category:戦争文学]]
- [[Category:荒井晴彦の脚本作品]]