「民族区域自治」の版間の差分

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'''民族区域自治'''(みんぞくくいきじち)とは、[[人民政府共和国]]が採用している「[[中国の少数民族|少数民族]]」の統治政策。
 
== 民族識別工作 ==
'''民族識別工作'''とは、[[中華人民共和国]]による、国民に対する民族別の区分作業。中国の国民を構成する諸集団が、いかなる民族に帰属するかを法的に確定させる行政手続きである。[[]]代から[[中華民国の歴史|民国期]]にかけて伝統的に五族とされてきた民族の数は、この工作により、56にまで細分化された。1935年の調査では少数民族の数は400ほどであったが、政府による民族識別工作により統合を推進し、56の民族が公認された。[[漢民族|漢族]]を除く55の「少数民族」は、民族ごとに、その集住地域が区域自治の領域として指定され、その地において、その民族に対し「民族の文字・言語を使用する権利」、「一定の財産の管理権」「一定規模の警察・民兵部隊の組織権」「区域内で通用する単行法令の制定権」などが認められる。
 
== 区域自治単位の種類 ==
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=== 自治区 ===
[[自治区]]としては、内モンゴル自治区(内蒙古自治区)、[[広西チワン族自治区]](広西壮族自治区)、[[チベット自治区]](西蔵自治区)、[[新疆ウイグル自治区]](新疆維吾爾自治区)、[[寧夏回族自治区]]が存在する。中華人民共和国の建国初期には、自治区という名称を有する民族自治行政単位が多数存在したが、それらの多くは小規模なもので、行政制度が整うにつれ、多くが自治州と改称した。現存する5つの自治区はすべて省級の行政単位である。
<!--独自研究
これらの自治区の日本語名として流布している呼称として、内モンゴル自治区・広西チワン族自治区・チベット自治区・新疆ウイグル自治区・寧夏回族自治区がある。これらは中国政府が日本語で発信する文章のなかで用い、また日本社会においても中国について言及する官公署やマスコミにより広く用いられる呼称である。
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|+自治区名の構成と上記説明に基づく日本語訳
|-
!中国名(地名)
!中国名(民族名)
!中国名(所在)
!非漢語名
!colspan="2"|属性
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中華人民共和国の地区級の行政単位としては、[[地区 (中華人民共和国)|地区]]、[[地級市]]、[[州]]、[[アイマク]](盟)の四種がある。アイマクは[[清]]代以来、[[モンゴル高原]]に設けられていた行政単位、州は1950年代半ば以降、地区級の民族区域自治行政単位のみに用いられた行政単位の呼称であるのに対し、地区、地級市は、中国の全土に設けられている行政単位である。
 
* 地級市
: 省級の行政単位と県級の行政単位の中間にある地区級の行政単位の一種で、従来より各省、自治区の中核都市に設置されていたが、近年、各種の地区級行政単位の地級市への転換が大規模に推進されている。
* アイマク(盟)
: アイマクは、清代にモンゴルを中心に施行された[[盟旗制]]に由来する行政単位の呼称で、盟はアイマクに対する中国語の呼称である。内モンゴルにおいては[[中華民国の歴史|民国期]]、[[中華人民共和国の歴史|人民政府期]]を通じてこの呼称が使用されつづけ、現在にいたっている。[[モンゴル国]]でも行政単位としてアイマクという呼称が用いられており、そのままアイマクとカナ仮名書きされるほか、州や県などと和訳されることがある。中国の現行制度では、アイマクは地区、ホショーは県に相当し、二十20世紀末から21世紀初頭にかけ、盟の地級市への再編が進行している。
*
: 州は、数県を管轄する行政単位として、中国において古くから使用されてきた行政単位の呼称であるが、現行制度では、州と名のつく自治体は、すべて民族区域自治行政単位である[[自治州 (中国)|自治州]]である。中華人民共和国の建国初期、中国人民政府の掌握地域の各地で「○○族自治区」として発足し、1950年代半ばに「○○族自治州」と改称されて現在に至るものが多い。各省と、自治区のうち、新疆ウイグル自治区に設置されている。
* 地区
: 地区は、元来は数県を管轄し、中国の全省、自治区内にもうけられていたが、近年地級市への転換がすすみ、現在では[[黒竜江省|黒竜江]]、[[貴州省|貴州]]、[[甘粛省|甘粛]]、[[青海省|青海]]の各省の一部分と、チベット自治区内に残るのみとなった。
 
=== 県級行政区 ===
* ホショー(旗)
: ホショー(旗)は、アイマクを構成する県級の自治体。清末の内蒙古で漢人の入植が進んだ地域に、漢人を管轄する行政機関として州、県が設置された伝統を受け継ぎ、漢人が多数分布する県級の自治体は県、モンゴル人が多数を占める県級の自治体は旗を名乗る傾向がある。
* 自治県
: 民族自治区域内に存在する諸県のうち、自治県の名称を冠するものとしては、以下のような種類がある。
:# いずれかの省において、集住の領域が県規模の場合、自治主体民族の名をした自治県となる。
:# いずれかの民族自治州において、その州の自治主体民族とは別の民族の集住領域が県規模の場合、その民族の名をした民族自治県となる。
: 内蒙古自治区や西蔵自治区内の諸県、四川・青海・甘粛・雲南の各省内のチベット族自治州を構成する諸県で、チベット族が自治主体民族である諸県は、いずれも「○○族自治県」を名乗っていない。
 
== 関連項目 ==
* [[国家民族事務委員会]]
* [[中国の少数民族]]
* [[羈縻政策]]
* [[衛所制]]
* [[土司]]
* [[文化的自治]] - [[オーストリア・マルクス主義#民族理論:文化的自治論|オーストリア・マルクス主義派の民族理論]]
 
== 外部リンク ==
* [http://www.e56.com.cn/minzu/autonomy/zizhizhou.asp 民族自治州]
 
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