「プシュケー」の版間の差分

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ソクラテスの弟子の[[プラトン]]は、滅びる宿命の身体に属する感覚を超えた知を描き、知を特質とし自己を動かすプシュケーは不滅である、とした<ref name='Iwatetsu' />。
 
[[アリストテレス]]は『[[ペリ・プシューケース霊魂論]]』({{lang-el-short|Περὶ Ψυχῆς}})において、さまざまな生命の生存の原理を論じ、プシュケーとは「可能態において命をもつ自然的物体の[[形相]]」と述べ、プシュケーというのは命の本質である自己[[目的]]機能であり、そして[[四原因説|起動因]]である、とした。また同書でプシュケーは[[栄養]]摂取、[[知覚]]、[[理性]]などの順で階層をなしていると捉え、各階層ごとに説明を試みた<ref name='Iwatetsu' />。より細かく挙げれば、栄養摂取、生殖の能力、感覚能力、欲求能力、場所的移動の能力、表象能力、理性能力などである。
 
アリストテレスは、一時期は生物の種類によって異なるプシュケーの段階があると見なし、(1)植物的プシュケー (2)動物的プシュケー (3)理性的プシュケー の3つを区別した。だが、彼の知識が増えるにしたがい、植物・動物・人間にプシュケーの違いが絶対的にあるとは考えないようにようになり、動物もその程度に応じて人間と同じような理性を持っていると考え、さらにその後になると、植物・動物・人間でプシュケーに区別は基本的に無い、と見なすようになったようである<ref>『ブリタニカ国際大百科事典』第11巻、【生物学】p.221</ref>。