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== 概要 ==
'''プロペラシャフト'''は元来、[[船舶]]の[[プロペラ]]([[スクリュー]])を取り付ける推進軸のことであるが、船舶以外でも同様に進行方向と平行に配置される動力伝達軸を総じてこのように呼ぶ。
 
プロペラシャフトは[[ベアリング]]によって固定支持されている。陸上を走行する乗り物では[[自在継手]]を持ち、[[サスペンション]]の動作に追従できる構造の物も存在する。プロペラシャフトは高いトルクを受けることから、丈夫な材質で作られている。そのため重くなりがちで、プロペラシャフトの短縮と材質の工夫による軽量化は、乗り物の種類を超えて現在も研究されている。自動車用としては[[繊維強化プラスチック|炭素繊維強化プラスチック]]製のものも近年出現している。
 
自動車用プロペラシャフトは、[[トランスミッション]]のアウトプットシャフトと、ファイナルドライブのコンパニオン[[フランジ]]とを接続する役割を果たしている。自動車用プロペラシャフトには軽量かつねじれ剛性、曲げ強度が必要で、一般に鋼管が使用されている。またシャフトの回転時のバランスを取るためバランスピースが溶接されている。固有振動数とシャフトの回転数が同期すると大きく振動(共振)して破損の危険がある。このときの回転数を危険回転速度と言い、これを常用速度より高く設定されている。シャフトの固有振動数はシャフトが長くなるほど低くなるので、1本あたりの長さが短い方が危険回転速度は高くなる。プロペラシャフトを長くする必要があるときは複数に分割した設計として、中間のシャフトは[[軸受|ベアリング]]で支持される。最後尾のシャフトはファイナルドライブのコンパニオンフランジに接続され、[[差動装置|ディファレンシャル]]のドライブ[[ピニオン]]をまわしている。トランスミッション側はスリーブヨークと呼ばれ、アウトプットシャフトと[[スプライン]]で勘合されているため、[[スラスト]]方向の荷重を吸収することができる。接続部分には走行時の振動による角度変化に対応するため、[[ユニバーサルジョイント]]が利用される。曲がり角度の小さいプロペラシャフトには一般に不等速ジョイントであるフックジョイントが利用される。フックジョイントはヨークと、スパイダー、ニードルローラーベアリングなどで構成されている。フックジョイントには回転するときの[[角速度]]とトルクの変化が180度ごとに繰り返して起こる不等速性があるので、二つで一組に作られトルクと角速度の変化を打ち消すような形でヨークが設置されている。
 
シャフトの固有振動数はシャフトが長くなるほど低くなるので、1本あたりの長さが短い方が危険回転速度は高くなる。プロペラシャフトを長くする必要があるときは複数に分割した設計として、中間のシャフトは[[軸受|ベアリング]]で支持される。最後尾のシャフトはファイナルドライブのコンパニオンフランジに接続され、[[差動装置|ディファレンシャル]]のドライブ[[ピニオン]]をまわしている。トランスミッション側はスリーブヨークと呼ばれ、アウトプットシャフトと[[スプライン]]で勘合されているため、[[スラスト]]方向の荷重を吸収することができる。
== 脚注 ==
 
<references />
接続部分には走行時の振動による角度変化に対応するため、[[ユニバーサルジョイント]]が利用される。曲がり角度の小さいプロペラシャフトには一般に不等速ジョイントであるフックジョイントが利用される。フックジョイントはヨークと、スパイダー、ニードルローラーベアリングなどで構成されている。フックジョイントには回転するときの[[角速度]]とトルクの変化が180度ごとに繰り返して起こる不等速性があるので、二つで一組に作られトルクと角速度の変化を打ち消すような形でヨークが設置されている。
 
== 関連項目 ==