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ネスチンがクローニングされる過程で用いられたのはRat-401抗体であるが,その後はフュージョン蛋白,合成ペプチドなどに対する抗体が作製され,免疫組織化学的研究に応用されている。抗ネスチン抗体は専ら'''stem cell biology''' (幹細胞生物学)のツールとして利用され,効率的に中枢神経系幹細胞を分離回収する手段が模索されている。
 
== 病理診断とネスチン抗体発見応用 ==
 
病理診断の領域では,[[未分化神経外胚葉腫瘍]],[[髄芽腫]],[[膠芽腫]],[[神経芽腫]],[[胎児性横紋筋肉腫]]での発現が確認されている。脳腫瘍の脱分化の指標として注目されているおり,生物学的悪性度との相関が追求されている。また神経細胞とグリアの形成異常とされる腫瘍様異形成病変の幹細胞起源の証明にも用いられている。各研究者により用いる抗体の由来や種類が異なるため,腫瘍のタイプごとのネスチン陽性率は微妙に異なっている。したがって論文を参照するときには抗体の由来を確認したうえで,結果の解釈を慎重に行う必要がある。