「ニュースピーク」の版間の差分

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== 現実のニュースピーク ==
ニュースピークの構造、たとえば「バッド」を「アングッド」と言い換えるなどには、現実の[[人工言語]](オーウェルは1927年にパリに在住していたころに叔母のネリーこと[[:eo:Ellen Kate Limouzin|エレン・ケイト・リムージン]]と愛人の[[ユジェーヌ・ランティ]]([[:w:Eugène Lanti|Eugène Lanti]])らを通じて[[エスペラント]]と接する機会があったが、エスペラントでは「アングッド」と同様の形容詞の組み立て方がある)や[[軍隊]]などの用語<ref>たとえば、スウェーデン軍には「ofred」(「平和でない」:戦争の意味)や「obra」(「良くない」:悪いの意味)などの俗語がある。またオーウェルはインドで警察に、イギリスでは軍隊での勤務経験がある。</ref>の影響も指摘されている。これに対して、[[田中克彦]]は著書『エスペラント…異端の言語』のなかで、この作品は『言語的に拘束する目的があるという、偏見に満ちた反エスペラントのキャンペーン』であると批判しているが、あくまで田中個人の意見であり、オーウェルが創作の参考とした可能性がある以外(エスペラントを批判したかったのか、など)の詳細は不明<ref>オーウェルは英語を含む、様々言語に関すまつわ複数のエッセイを複数書い著しているが、エスペラントなどを含めた特定言語を批判したもの内容存在していない</ref>で。このため、エスペラントを創作上の参考にする事はったとしても、それ以上の意図は無かったと考えられる。
 
『1984年』で指摘された政府による抑圧や管理は[[ソビエト連邦]]では実際に進行中であった<ref>エスペラント自体も弾圧され、多数の[[エスペランティスト]]が殺害されていた。</ref>。また、ソビエトが崩壊した現在も、形の違う抑圧や思想の統制、あるいは婉曲話法や略語の多用などは多くの国の[[政府]]や[[軍]]や[[政党]]、あるいは権威的存在によって多少の差こそあれ実施されている<ref>[[中華人民共和国]]など一党支配の国家や、権威主義体制国家だけでなく、アメリカやロシアののように強力な軍力を有する国家や、官僚主義的な国家、[[企業]]も同様である。</ref>。こうした婉曲話法は思想統制や管理体制に反発する人々によって「[[ダブルスピーク]]」と呼ばれ非難されている。