「アダルトゲーム」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
186行目:
|url=http://www.chuable.net/srg/srg_top.html|title=スイートロビンガール|publisher=チュアブルソフト|language=日本語|accessdate=2010-07-28}}</ref><ref>各ヒロインのワード数は約2500なので単純に計算すると150,000円前後になる。</ref>。
 
導入初期は声優業界側の各種取り決めは試行錯誤だった。またアダルトの規制基準が媒体によってまちまちで、媒体ごとに声優を交代させる必要があり、1990年代中期の作品ではメディアミックス展開が漸次進められた結果1キャラあたり4-5人も声優がいるものも存在した。この流れも1999年の法改正(詳細別節)と、ハード間競争がソニーの[[プレイステーション]]・[[プレイステーション2]]が優勢になったことを受け、1キャラあたりアダルト表現まで請け負う声優と、非アダルトの関連作品を担う声優の2名に大別されるケースが多くなった。
 
声優がアダルトゲームに声をあてる場合、声優名を非公開とするか、またはアダルト用の別の[[芸名]]を使うことがほとんどであるが、稀に普段使用している声優名のままでクレジットされていること人物が)。別の芸名を使う場合、一貫して特定のアダルト用の別の芸名を使う者、作品ごとに複数のアダルト用の別の芸名を使い分ける者など、声優によって様々である。そういう風にしてひそかにアダルトゲームに声をあてている声優も多く存在する。他方でアダルトゲームやアダルトアニメに対しては声優を出演させず、ノンアダルト化されたメディアミックス作品への出演ならばOKという姿勢を取る声優事務所も存在する。
 
2010年現在アダルトゲームでは、[[アトリエピーチ]]や[[イエローテイル]](この2社を指してエロゲー界の「桃色黄色」という通称がある)といったプロダクション会社が、制作会社に替わって大まかな選考・スケジュール調整を各声優事務所や声優と行う形態が主流で、事務所の所属者には[[グロス]]単位でオファーが来てまとめて出演というパターンが多い。起用するゲーム会社も、アダルトゲームに声をあてることができて、かつ能力・条件の合う声優の絶対数がまだまだ少ないのと、キャラクターの性格設定がある程度パターン化されたことも手伝って一部の声優にオファーが殺到集中する傾向がある。
 
また、特にアダルトゲームの場合、ノベル形式のアドベンチャーゲームが主流のため、台詞の量がアニメに比して多い。大作では台本はおよそ電話帳[[タウンページ]]2冊前後、メインヒロインではその1.5〜2倍に達する分量があり(ただし、アニメ用と異なり、ゲームスタッフがプリンターとコピー機を駆使して作った簡易製本<ref>{{Cite web|author=恋純ほたる|date=2008-11-13|url=http://blog.livedoor.jp/geek/archives/50762686.html|title=マジスキ 台本印刷中|work=アキバBLOG|language=日本語|accessdate=2009-03-22}}</ref>であることが多く、単純には比較できない。)、これを1人スタジオに籠って収録している。掛け合いによる方式、いわゆる[[アフレコ]]と同様の形式での収録は基本的に行われない。また、大半のアニメ作品が1話あたり30分で分割して収録できるのに対して、ゲームの場合スタジオレンタル料との兼ね合いから短期で集中して収録するため、1日あたりの拘束時間が長くなってしまうため、ゲームの仕事が多く入ると他の仕事は取りにくくなる。逆に、テレビアニメで成功し人気声優となった場合にも、アニメ業界やテレビ局から声優事務所に対して声優の声に対するイメージ保護、端的に言えば「声優をアダルト作品に出演させるな」という要求が発生することもある。
 
これらの都合から、特にテレビアニメで成功している声優はアダルトゲームの収録に呼びにくい、あるいは呼べなくなるという事情もあり、結果として、アダルトゲーム業界で仕事を受けられる声優にオファーが集中する傾向があり、人気となれば年間に50本以上、中堅でも30本前後の作品をこなすで起用される。その結果、アダルトゲームとその関連作品の収録だけで年間スケジュールの大半が埋まってしまう声優も少なくない。
 
ただし、アダルトゲームの声優も非アダルト分野における[[声優#アイドル声優|アイドル声優]]と同様に新たな人材が次々と登場してくる新陳代謝の激しい業界であり、演技力が要求されることも変わらないため、ヒット作と人気キャラクターを得て一時的には全盛と言える人気を得ながらも、長期スパンで見た場合、結局は短期間の泡沫的な人気で終わってしまう者も少なくない。
 
=== 歌と音楽(BGM) ===
209行目:
また、[[1990年代]]の音楽シーンには『メタル氷河期』と呼ばれる、[[ジャパニーズメタル]]<ref>ジャパメタ・和製ヘヴィメタルなどとも呼ばれる。</ref>音楽の著しい市場低迷が起き、数多くのヘヴィメタル系ミュージシャンが、生活と音楽活動の維持の為に[[テレビアニメ|アニメ]]・[[テレビゲーム]]なども含む多ジャンルの商業音楽に進出し、若手もメジャーシーンにほとんど登場できなくなった時期があったが、その軽音業界の歴史的な経緯や影響によるものか、1990年代から2000年代にかけてのアダルトゲーム業界のサウンド面を支えた音楽集団や音楽担当スタッフには、メタル音楽の経験者や[[フォロワー]]が少なからず見られる。その状況下において、ロックよりもかなりハードな[[ドラムセット|ドラム]]や[[ギター]]、間奏部のメロディカルなギターソロ、重低音重視の[[ミキシング]]といったヘヴィメタル的な要素がふんだんに盛り込まれた楽曲が珍しくない事も、アダルトゲームの主題歌・BGMの特徴として挙げられる。その中でも特筆すべきはメーカーであるが[[ニトロプラス]]で、作品によっては歌詞と曲だけ聞かされてもアダルトゲームの主題歌とは到底信じ難い様なハードなメタルテイストの曲を主題歌や挿入歌に据える事も珍しくなかった。他方、アダルトゲームの主題歌であるため、メーカーによってはハードでハイテンポな曲に、本項ではさすがに掲載がはばかられる様な性的表現を含んだ歌詞を組み合わせたケースもあり、たとえメタル調のハードな曲であっても歌詞のバラエティという意味では、ラブソグやいわゆる「[[萌え]]」に属する歌詞がほとんど見られない本家ジャパメタとは比較にならない幅の広さを持っている。また、先述のニトロプラスのものを例外とすれば、メタルテイストの曲であってもほとんど全ての曲についてボーカル担当が女性である事は大きな特徴である。
 
I'veが人気を得た2000年頃以降は、主題歌CDの初回特典としての添付がこの業界では販売促進策として至極ごく然のもたり前手法となっている。だが、これについては、多くのゲームに存在する初回特典の有無による価格差や、アダルトゲームでは初回限定版の発売後に初回特典を除いた「通常版が最終的に発売されないケースが珍しくない事などを鑑みた場合、ゲームと主題歌CDの事実上の抱き合わせ販売の商法であるとして指摘する批判も少なくない。また、この様な事情から、1本1万円前後する事も多い初回特典付きゲームソフトの購入以外には正規・合法的に入手する方法が事実上無い、ある意味で「入手困難」と言える楽曲を多数持つ歌手もいる。ブランド・メーカーによっては主題歌やイメージソング・サウンドトラック類をまとめて収録したCDを別に制作しファンに向けて販売したり、あるいは主題歌を担当した歌手や音楽制作プロダクションの単位でゲーム主題歌をまとめた[[CDアルバム]]が制作されることがあるものの、これらは結局のところ自主制作盤の範疇を出ずに[[コミックマーケット]]などの[[イベント]]の企業スペースや自社ホームページでの数量・期間を限定して発売されるものが多く<ref>商業流通のルートに乗るものも一部に存在するが、この場合でも本来の音楽CDの流通ルートに乗ることができるものはメディアミックス展開の構想が絡んでいるものを例外とすれば少なく、大半はパソコンソフトの関連製品として流通し[[ソフマップ]]などのパソコンショップのアニメ・ゲーム関連CDの売場や[[アニメショップ]]での限定的な取り扱いになっている。</ref>、一度完売したら以降は事実上入手不可能ということもまた多い。
 
アダルトゲームで使用・作成されたBGMは一般向けゲームソフトの[[ゲームミュージック]]同様、広く地上波テレビ放送各局でも音楽素材として幅広く使用されているほか、主題歌が[[カラオケ]]入りすることも珍しくない。[[ドワンゴ]]が、2005年7月から放送した[[着メロ]]配信サイト「[[いろメロミックス]]」の[[テレビ]][[コマーシャルメッセージ|コマーシャル]]の[[バックグラウンドミュージック|BGM]]に、『[[巫女みこナース]]』([[2003年]]、[[PSYCHO]])主題歌の『巫女みこナース・愛のテーマ』が採用された。更に、同曲は2005年12月27日に[[第一興商]]の[[通信カラオケ]]「[[DAM (カラオケ)|cyber DAM]]」で配信されている<ref>{{Cite web|url=http://www.clubdam.com/app/leaf/songKaraokeLeaf.do?contentsId=3769327|title=巫女みこナース・愛のテーマ/ロングバージョン|work=カラオケDAM|publisher=第一興商|accessdate=2010-03-13}}</ref>。