「寂光院 (犬山市)」の版間の差分

名称 = 犬山寂光院|

本尊 = [[千手観音]]（秘仏）]]、大随求菩薩|

文化財 = 本堂・随求堂・弁天堂・薬医門(（国の登録有形文化財)）|

'''継鹿尾山八葉蓮台寺寂光院'''（つがおざんはちようれんだいじじゃっこういん）は、[[愛知県]][[犬山市]]にある[[真言宗智山派]]の[[寺院]]の。山号は継鹿尾山（つがおざん）。継鹿尾山八葉蓮台寺寂光院（つがおざんはちようれんだいじじゃっこういん）とであ号する。通称'''継鹿尾観音'''（つがおかんのん）。[[紅葉]]で有名なことから「もみじでら」ともよばれる。

* 本堂　【本尊】（秘仏）:千手観世音菩薩（秘仏）

** 現在の本堂は明治12年（1879年）に、12代当主の時代に再建された。桁行5間、梁間5間、寄棟造、正面1間向拝付、桟瓦葺で、4周に切目縁を廻す。前2間分を吹放しで小組格天井の外陣とし、後方の内陣には禅宗様須弥壇を構え、厨子を置く。軸部は円柱で、組物は出組とする。装飾を押さえた伝統的形式になる本格的な本仏堂建築。平成17年（2005年）に国の[[登録有形文化財]]に登録されている。本尊の千手観音は秘仏で60年に一度の甲子年に限って御開帳される。最近では大正15年（1926年）、昭和59年（1984年）に御開帳があり、例外として「平成大修理」落慶記念で平成22年（2010年）にも御開帳されている。秘仏千手観音厨子の「お前立ち」の像は南北朝時代の作とされている。

* 随求堂　【本尊】（秘仏）:大随求菩薩（秘仏）

** 文化2年銘の擬宝珠、内部柱に天保年間の墨書があることなどから、文化2年の建築と思われる。本堂西に東面して建ち、渡廊下で結ばれる。桁行5間、梁間3間、一軒、入母屋造、桟瓦葺で、4周に擬宝珠高欄付の切目縁を廻す。軸部は角柱で床下部を高くつくり、縁を絵様付持送り板で受ける。側廻りに蔀戸を多用した住宅風の外観は籠堂の性質を示している。平成17年（2005年）に国の登録有形文化財に登録されている。

** 本堂北方の高所にある。弁天像台座裏に文政3年（1820年）の墨書銘があるので同時期の建築と考えられる。ほぼ正六角形の平面をもつ小堂で、前半を吹放しで板床張の見世棚風とし、中央境に格子戸を設け、後方を板壁で囲った内陣とする。柱や屋根を六角形につくり、天井の棹や垂木は放射状に配る。平成17年（2005年）に国の登録有形文化財に登録されている。

** 山門は継鹿尾（つがお）山麓の西側に位置し、庫裏（くり）の正門である。棟札により、天保7年（1836）（1836年）に尾張藩御大工の竹中泉正敏により建築されたことが分かる。薬医門の傑作である。1一間一戸薬医門（やくいもん）で左右に袖塀（そでへべい）、潜戸一戸付、二軒繁垂木、切妻屋根、桟瓦葺である。男梁（おばり）を本柱上の冠木（かぶき）から控柱まで架け渡し、両端に出三斗組（でみつどとぐみ）、中央に平三斗組（ひらみつどとぐみ）を配して、虹梁（こうりょう）を支持し、大瓶束大斗実肘木（たいへいづかだいとさねひじき）で化粧棟木（けしょうむなぎ）を支え、牡丹の笈形（おいがた）を付ける。扉は八双金物（はっそうかなもの）、乳金物（ちちかなもの）、菱形鋲（ひしがたびょう）を打ち、冠木上中央に群猿の彫刻を置き、女梁（めばり）、男梁（おばり）は絵様木鼻付き、背面側虹梁上には龍の彫刻を配する。屋根は現在桟瓦を載せているが、当初は本瓦葺きであった。平成17年（2005年）に国の登録有形文化財に登録されている。

画像:P00-110313-01.jpg|本堂(2011（2011年3月）

画像:P01-110505-10.jpg|お前立ち千手観音(2011（2011年3月）

画像:P00-110313-03S200.jpg|随求堂(2011（2011年3月）

画像:P01-110505-16.jpg|大随求菩薩厨子(2011（2011年3月）

画像:P01-110405-07S200.jpg|弁天堂(2011（2011年4月）

画像:P01-110401-01S200.jpg|薬医門(2011（2011年4月）

画像:P01-110405-12S350.jpg|願いの鐘(2011（2011年4月）

画像:P01-110405-08S200.jpg|馬鳴堂(2011（2011年4月）

画像:P00-110313-04S200.jpg|不動堂(2011（2011年4月）

画像:P00-110313-06S200.jpg|筆弘法大師(2011（2011年4月）

* 継鹿尾山図(（以上犬山市指定文化財)）

* 本堂・随求堂・弁天堂・薬医門(（国の登録有形文化財)）