「カールハインツ・シュトックハウゼン」の版間の差分

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この時期には電子音楽の経験を発展させ、リング変調、フィルター、ディレイなどを生演奏に施して音響を変調させる[[ライヴエレクトロニクス|ライヴ・エレクトロニクス]]の手法も積極的に試みられた。6人の奏者のための「ミクロフォニーI MIKROPHONIE I」(1964)は、タムタムをさまざまな方法で演奏し、それらの音をマイクロフォンや電気フィルターを通して変形する。オーケストラ、4つの正弦波ジェネレーターと4つのリング変調器のための「ミクストゥール」(1964)は、オーケストラの音色にリング変調が施され、生の音と混合される。そのほか、「プロツェッシオーン」や「クルツヴェレン」、「7つの日より」など、この時期に作曲された多くの作品は、生の音を電気的に変調することが前提となっている。
 
1966年には来日し、[[NHK電子音楽スタジオ]]にて旋律楽器と[[フィードバック]]のための「ソロ SOLO」(1965/66)と電子音楽「テレムジーク TELEMUSIK」(1966)が作曲された。{{要出典範囲|「ソロ」は独奏者(楽器は任意)の演奏をフィードバックを駆使して変形する作品だが、作曲当初は技術的な制約によりリアルタイムでの処理が出来ず、独奏者と録音テープの共演という形で演奏された|date=2011年10月}}<ref>シュトックハウゼン全集CD45・ライナーノート参照。このCDに収録された2つの演奏も、独奏と録音テープの同期という方式でなされている。</ref>。「テレムジーク」は日本の雅楽([[越天楽]])をはじめアマゾン、バリ島、ヴェトナム、スペイン、ハンガリー、南サハラ、中国など、世界各国の[[民族音楽]]が素材となっている。それらは「相互変調」と呼ばれる手法で変形され、電子音楽の網の目の中に組み込まれる。
 
「テレムジーク」の手法を発展させた2時間近くに及ぶ電子音楽「ヒュムネン HYMNEN」(1966-67)では、音響素材として世界各国の国歌、短波ラジオの音、その他さまざまな音響が取り上げられている。「テレムジーク」や「ヒュムネン」に見られる、世界中の多様な音楽や音響を取り込み統合しようとする傾向を、彼自身は「世界音楽」という言葉で表現しており、同時期の多くの作品にもそうした考え方が反映されている。