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[[ファイル:Threeleggedbird han dynasty.jpg|thumb|300px|[[漢代]]の[[壁画]]。右が火烏(三足烏)。]]
'''三足烏'''(さんそくう、さんぞくう)は神話や絵画などに見られる三本の足を持った[[カラス]]のこと。[[アジア]]、[[アナトリア半島]]、[[北アフリカ]]などに見られる<ref name="Volker, T. 1975 39">{{cite book |title=The Animal in Far Eastern Art and Especially in the Art of the Japanese |author=Volker, T. |publisher=Brill |year=1975 |page=39}}</ref><ref name="Chosun">Chosun.com.</ref>。
'''三足烏'''(さんそくう、さんぞくう、{{ピン音|sānzúwū|サンズゥウー}})は、[[中国神話]]に登場する[[カラス|烏]]で、[[太陽]]に住むとされ<ref>『[[淮南子]]』精神訓「日中有踆烏」</ref>(ただし他の神話もある)、太陽を[[象徴]]する。'''日烏'''(にちう、{{ピン音|rìwū|リーウー}})ともいい、[[月]]の[[ウサギ|兎]]の[[月の兎|月兎]]と対比される。
 
烏を太陽の象徴とする神話は、中国の他、日本や[[マヤ文明]]でも見られる。黒い烏は太陽の黒点を表しているという説もある。
しばしば3本の足をもつとされ、三足烏とも呼ばれる。また、[[金色]]という説もあり、'''[[金烏]]'''(きんう、{{ピン音|jīnwū|ジンウー}})とも呼ばれる。
 
== 三足烏の意味 ==
東アジアでは三足烏の足が3本なのは、[[陰陽]]では[[偶数]]を陰、[[奇数]]を陽とするが、3は奇数であり太陽と同じ陽となるからだといわれている。
 
== 各国の神話 ==
三足烏の伝承は中国近隣の文化圏でも見られる。[[朝鮮]]では'''三足烏'''({{lang|ko|삼족오}} Samjokgo サムジョゴ)と呼ぶ。[[日本]]では'''[[八咫烏]]'''が3本足とされ三足烏と[[習合|同一視]]される。
3本足の鳥の神話は、世界に広がっており、太陽と関連付けられていることが多い。
 
=== 神話中国 ===
'''三足烏'''(さんそくう、さんぞくう、{{ピン音|sānzúwū|サンズゥウー}})は、[[中国神話]]に登場する[[カラス|烏]]で、[[太陽]]に住むとされ<ref>『[[淮南子]]』精神訓「日中有踆烏」</ref>(ただし他の神話もある)、太陽を[[象徴]]する。'''日烏'''(にちう、{{ピン音|rìwū|リーウー}})や火烏ともいい、[[月]]の[[ウサギ|兎]]の[[月の兎|月兎]]と対比される。しばしば3本の足をもつとされ、三足烏とも呼ばれる。また、[[金色]]という説もあり、'''[[金烏]]'''(きんう、{{ピン音|jīnwū|ジンウー}})とも呼ばれる。
火烏は太陽に住んでいるとされる。[[太陽黒点]]を元にした神話であるとする説もある(中国では[[漢|漢代]]までには黒点が発見されていた)。ただし太陽にいるのは金[[ニワトリ|鶏]](きんけい)であるとの神話もある。
 
太陽に住んでいるとされ、[[太陽黒点]]を元にした神話であるとする説もある(中国では[[漢|漢代]]までには黒点が発見されていた)。ただし太陽にいるのは金[[ニワトリ|鶏]](きんけい)であるとの神話もある。また別の神話では、太陽は火烏の背に乗って[[日周運動|天空を移動]]する。ただしこれに対し、[[竜]]が駆る車に乗っているという神話もある。
 
このような物語もある。大昔には10の太陽が存在し、入れ替わり昇っていた。しかし[[尭|尭帝]]の御世に、10の太陽が全て同時に現れるという珍事が起こり、地上が灼熱となり草木が枯れ始めたため、尭帝は[[弓 (武器)|弓]]の名手[[ゲイ (中国神話)|羿]]に命じて、9つの太陽に住む9羽の烏を射落とさせた。これ以降、太陽は現在のように1つになった(『[[楚辞]]』天問[[王逸]]注など)。
 
=== 類似の神話朝鮮 ===
[[Image:Korean three-legged bird mural.jpg|thumb|太陽の中に描かれた三足烏の[[高句麗]]の壁画。左は[[竜]]、右は[[鳳凰]]。]]
烏を太陽の象徴とする神話は、中国の他、日本や[[マヤ文明]]でも見られる。
'''三足烏'''({{lang|ko|삼족오}} Samjokgo サムジョゴ)は[[高句麗]]の建国神話などに見られる。また、火烏ともする。『[[淮南子]]』に「昔、広々とした東海のほとりに扶桑の神樹があり、10羽の三足烏が住んでいた……」と見える。この10羽の3本足の烏が順番に空に上がり、口から火を吐き出すと太陽になるという。 また「日中有烏 而月中有蟾蜍」との記述もあり中国の3本足烏は太陽そのものの象徴であった。『芸文類聚』にも記述されている。
高句麗では天孫の象徴であるとされ、古墳壁画にも3本足の烏三足烏が描かれている。
 
=== 日本 ===
さらに烏に限定しなければ、鳥を太陽の象徴とする神話が世界各地にあることが[[ジェームズ・フレイザー]]により指摘されている。たとえば、[[エジプト神話]]の[[太陽神]][[ホルス]]は[[はやぶさ|隼]]頭である。
{{main|八咫烏}}
日本では三足烏が'''八咫烏'''(ヤタガラス)と呼ばれ[[習合|同一視]]される。[[神武東征]]において[[神武天皇]]を導く役割を与えられている。
 
=== その他 ===
三足烏はエジプト神話の壁画に見られる<ref name="Chosun"/>。これはリュキアやパンフィリアの三足巴から考え出されたとされる<ref name="Volker, T. 1975 39"/>。
 
また、ギリシャ神話の[[アポロン]]の烏である[[烏座]]を描いたものでは時にカラスが3本足の姿で描き表される。
 
== 太陽の象徴と鳥 ==
さらに烏に限定しなければ、鳥を太陽の象徴とする神話が世界各地にあることが[[ジェームズ・フレイザー]]により指摘されている。たとえば、[[エジプト神話]]の[[太陽神]][[ホルス]]は[[はやぶさ|隼]]頭である。
 
== 出典 ==