「伊集院忠真」の版間の差分

'''伊集院 忠真'''（いじゅういん ただざね、[[天正]]4年（[[1576年]]） - [[慶長]]7年[[8月17日 (旧暦)|8月17日]]（[[1602年]][[10月2日]]））は、[[安土桃山時代]]から[[江戸時代]]初期にかけての[[武将]]。[[島津氏]]の家臣。[[伊集院忠棟]]の嫡男。幼名は源次郎。妻は[[島津義弘]]の次女（'''御下'''（おした））。

忠棟の嫡男として[[文禄・慶長の役#慶長の役|慶長の役]]に出陣し、[[泗川の戦い]]では忠真の部隊は6500以上の首を挙げたとされる<ref>『島津家文書』</ref>。慶長4年（[[1599年]]）、父・忠棟が権勢を誇りすぎていたとして[[島津忠恒]]によって殺害されると、その後跡を継ぐとともに、居城の[[日向国]]庄内の[[都城市|都城]]に立て籠もって、島津氏に対して公然と反旗を翻した（[[庄内の乱]]）。しかし翌年、[[徳川家康]]の仲介のもと、一旦は和睦が成立したが、忠真は再び背いた。これは忠真が島津氏からの支配を離れ、他家へ奉公を希望していたが、忠恒がこれを絶対に認めなかったからであるためと言われる。そのため家康が再度仲介の労を取り、忠恒が[[頴娃郡|頴娃]]1万石を忠真に宛がうことで和睦が成立し、遂に忠真は島津氏に帰属した。忠真は[[島津義弘]]の次女を娶っており庄内の乱後は義弘の屋敷に預けられていたようである。

なおしかし、忠真帰属後も[[島津義久]]・忠恒はこれを警戒し、[[関ヶ原の戦い]]直前、義弘は再三に渡り派兵を催促したが、乱を恐れ大規模な派兵が容易に行えず、そのため義弘は関ヶ原において大大名らしからぬ少数ゆえの苦戦を強いられたといわれている。

慶長7年（[[1602年]]）、関ヶ原の役戦いでの謝罪のために忠恒は伏見へ上洛することになり、忠真もこれに従っていた。しかしが、日向[[野尻町|野尻]]での狩りの最中に忠恒の命により討たれた。法名は真香良庵居士。なお、庄内の乱後、弟の[[伊集院小伝次|小伝次]]、[[伊集院三郎五郎|三郎五郎]]、[[伊集院千次|千次]]、そして忠真の母はそれぞれ別の島津家家臣の屋敷に身柄を預けられていたが、忠真が討たれた日に全員が殺害され、伊集院一族は皆ことごとく粛清された。法名は真香良庵居士。