「スペースシャトル」の版間の差分

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Hoeksas (会話 | 投稿記録)
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→‎シャトル派生型打ち上げ機:  en:Shuttle-C 7 October 2011 at 19:40.から加筆
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これらの案に共通するのは既存のスペースシャトルの構成要素を流用する事で開発費を抑え、より廉価に新型の重量物を軌道に投入する能力を持つ打ち上げシステムを開発しようという意図である。しかし、実際には個々の構成要素は新しい目的別には最適化されておらず、従来の構造体を流用する事によって補強が必要になるなど構造重量の増加の一因ともなり、最適化の障害となっている。また、有人飛行用としての高度な安全性を備え、再利用を前提としたシステムを使い捨てとして使用しようとした場合、過剰な安全装置等が貨物打ち上げには不要である場合も多い。その為、結局、新技術を盛り込んで最適化された構造の完全新規開発の機体と比較して無駄が多い事は否めず、生産、運用の過程において高くつく可能性が指摘されている。
 
== シャトルC ==
{{main|:en:Shuttle-C}}
[[File:Shuttle-c launch painting.jpg|thumb|right|シャトルCの夜間打ち上げの想像図]]
'''シャトルC'''は[[NASA]]が提案したスペースシャトルの構成要素を流用した無人貨物打ち上げロケットである。[[スペースシャトル外部燃料タンク|外部燃料タンク]]と[[スペースシャトル固体燃料補助ロケット|固体燃料補助ロケット]](SRB)と[[SSME|主エンジン]]を備えた貨物用モジュールを組み合わせて使用される予定だった。複数のシャトルCの概念が1984年から1995年にかけて提案された。<ref name="globalsec">{{cite web | url = http://www.globalsecurity.org/space/systems/sts-c.htm | title = Shuttle-C | publisher = [[:en:GlobalSecurity.org|GlobalSecurity.org]] | accessdate = 2009-01-20 }}</ref>
 
シャトルCの概念は理論的にはシャトル計画で開発された再利用技術によって重量物打ち上げロケットの開発費を減らす事が期待された。提案は複数回行われ、いずれも既存のシャトルの構造体や使用回数限度の迫った主エンジンや航法コンピュータを流用するというものだった。中にはコロンビア号やエンタープライズ号を1回限りの貨物打ち上げ機として使用する案もあった。チャレンジャー号の事故の前にNASAは年間14回の打ち上げを期待していた。チャレンジャー号の事故の後にはこの打ち上げ頻度は複数の理由により非現実的である事が明らかになった。<ref name="rogers">{{cite web | url = http://history.nasa.gov/rogersrep/v1ch8.htm | title = Report of the Presidential Commission on the Space Shuttle Challenger Accident | publisher = [[NASA]] | date = 1986-06-06 | accessdate = 2009-01-20 }}</ref> シャトルCは無人であるので高い打ち上げ頻度でも整備費が安く安全性に関する要求水準が低いと考えられた。<ref name="harsh">{{cite web | url = http://pdf.aiaa.org/preview/1989/PV1989_2521.pdf | title = Shuttle-C, evolution to a heavy lift launch vehicle | publisher = NASA/[[AIAA]] | date = 1989-07-13 | accessdate = 2009-08-05 }}</ref><ref name="eudy">{{cite web | url = http://pdf.aiaa.org/preview/1990/PV1990_3685.pdf | title = Shuttle-C, heavy lift vehicle of the 90's | publisher = NASA/AIAA| date = 1990-09-25 | accessdate = 2009-08-05 }}</ref>
 
2段階の開発が計画された。第一段階として貨物輸送機の形状と大きさが検討された。NASAによる研究は小型だが最も打ち上げ効率の良い機能的な輸送機を示した。
 
1990年代初頭、NASAの技術者は火星探査用の宇宙船を組み立てる為に地球周回軌道へ80トンの使い捨ての6機のセグメントを打ち上げる為にシャトルCの設計を含む有人火星飛行計画を立案した。代替案は4機の[[サターンV]]を使用する案だった。ブッシュ大統領が2010年にスペースシャトルの運用を終了すると発表した後、これらの提案された仕様は検討対象から外された。
 
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