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=== 神道との関連 ===
上記のように、穢れは元々仏教により日本にもたらされた観念であるが、次第に[[天皇]]を神聖視する神道の考えと結びつき、被差別民は神聖な天皇の対極に位置する穢れた民と見なされるようになったという説がある。だが、[[朝鮮半島]]においても、牛馬の解体・皮革産業に従事する被差別民「[[白丁]]」が存在し、中世[[ドイツ]]でも焚書を牛馬の解体場で行うなどの例があり、この種の差別を神道と直結する説には反対意見もある。また、学者の[[網野善彦]]などの研究により、被差別民と天皇との密接な結びつきが明らかとなっている。天皇を「清め」(不浄なものの浄化)の職能の最高者とみる説もある。[[高取正男]]は仏教の不浄観によって「ケガレ」の観念が変容したと見ている(『神道の成立』)。
 
また、祓いとの関連においては、祓いは本来穢れを除去するものではなく、穢れをもたらした者などが神に対する謝罪などの意味で財物を捧げる行為(天津罪・国津罪などに対する財産刑)を指し、中世においては穢れを理由として祓いそのものが中止・延期された事例の存在が指摘されている<ref>渡邉俊「『春日清祓記』の基礎的考察」『中世社会の刑罰と法観念』(吉川弘文館、2011年) ISBN 978-4-642-02899-8 (原論文は2010年)
</ref>。
 
== 一般の穢れ観念 ==