「チュ・クオック・グー」の版間の差分

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:{{lang|vi|{{Underline|ch}}, gi, kh, {{Underline|ng}}, {{Underline|nh}}, ph, th, tr}}
 
== 発明と普及 ==
ベトナムでは、公式な書き言葉として、20世紀に至るまで[[漢文]]が用いられてきた。また、[[漢語|漢字語彙]]以外のベトナム固有の語を表記するための文字として[[チュノム]]も、[[13世紀]]に発明されて以降知識人の間などで長年使用されてきたが、習得が難しく統一した規範も整備されなかったため、[[18世紀]]の[[西山朝]]などの一時期を除き、公文書では採用されなかった。
 
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このような状況に終止符を打ったのが、[[1945年]]の[[ベトナム民主共和国]]の独立であり、政府は、識字率の向上を意図して、クオック・グーをベトナム語の公式な表記文字とすることを定めた。現在のベトナムでは漢字、漢文の使用は廃され、ベトナム語はもっぱらクオック・グーのみにより表記されている。(詳細は[[漢文]]、[[チュノム]]も参照。)
 
== 問題点 ==
クオック・グーは起源からしてフランスの植民地権力に近い側の知識人に由来するため、その綴りにはフランス語中心的な視点にたち、必ずしもベトナム語に適していないものもある。ベトナム語で同じ音素であっても、フランス語で書き分けるものやフランス人が聞いて違う音と判断したものは書き分ける。例として音素kは、フランス語の規範にのっとりc、k、quを使い分ける。また、音素ngも場合によってngやnghと書きわけられる。
 
またクオック・グーは中国の[[ピンイン]]や[[注音字母]]と違い、正式な文字として採用されたため、それまで多くの著作を著すのに使用されてきた[[チュノム]]表記越南語や漢文を破滅に追いやったという側面もある。これも、クオック・グーはキリスト教徒や植民地権力が、越南の儒教や仏教、そして越南の文明を、フランス文明、キリスト教、西ヨーロッパ文明へと置き換えるために、漢字漢文の素養を破壊する道具として利用したことに起因する。
 
== 関連項目 ==
*[[ラテン文字化]]
*[[ヘボン式ローマ字]]