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'''背中'''(せなか)とは、[[高等動物]]の[[胴]]の[[表面]]の内、[[胸]]や[[腹]]と反対側、すなわち、[[脊柱]]([[背骨]])が通っている側の、半面のことである。特に[[ヒト]]の場合には、胴のくびれ、すなわち[[腰]]よりも下の部分は[[尻]]と称して区別する。ヒトにとっては腹と違い直接目で見ることが難しい部分であるため、背中には裏側のニュアンスがある。「背(せ)」とも言うが、この場合は刃物の「背」のように、転用された表現も多い。一方で身長のことも「背」と言うが、このときは俗に「せい」と発音することがある。
 
==防衛的な面==
背中側は進行方向の反対側である。[[這う]]姿の動物の場合も、下向きに[[四肢]]をのばし、前方に進むものであるから、[[四肢]]も[[感覚器]]も前か腹方向に使うようになっている。そのため、背中側は四肢が曲がりにくく、また感覚器で探知しづらい方向となっている。
 
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この背を強化して防御する方向に進化した例も多い。[[ほ乳類]]では[[アルマジロ]]がその典型である。昆虫や甲殻類などにも背面に比較的丈夫な外骨格を持つ例が多く、それらは普通は背甲(はいこう)と言われる。
 
また、荷物を運ぶ場合、背中に背負うのは典型的な方法の一つである。足は体重を支えるようになっているから、背面側に乗せるのが理にかなっている。ただし、手足は前に向かって働きやすくなっているので、前方で抱え上げる方が都合が良いが、前に大きな荷物を抱えると、運ぶための移動に際して視界の妨げとなるなど負担が大きい。子どもなどを背中に乗せて運ぶ姿勢を[[おんぶ]]という。背面では荷物の湖底固定が困難なので、そのための装置として[[リュックサック]]、背負いかご、[[背負子]]などの道具が用いられる。なお、頭上に乗せる方法も広く用いられ、平地ではこちらが発達し、山がちの地では背中に背負うことが多いと言われる。同物においても、子どもを常時運ぶ同物では[[オポッサム]]、[[サソリ]]、[[コモリグモ]]など背中に背負う例が多い。
 
==見える面として==
多くの動物では腹面を地表などに向けるため、背中は他者から見える側でもある。したがって、同種内でのアピール([[婚姻色]]や[[威嚇]]など)、他種に対する表示([[保護色]]や[[警告色]]など)も、主として背面にあらわれる。したがってその動物の外見的な特徴もそちらにあらわれやすく、[[昆虫標本]]等では、背面が見えるように固定するのが普通である。
 
ただし立ち上がる姿勢を取る動物では、そのような特徴が前方に出る例が多く、砦はのど袋を膨らませたり、尾羽を立てて広げたりと、前方から見た場合に効果のあるディスプレイがなされる。[[ヒト]]において雌の[[乳房]]が性的魅力の対象となっているのも、この例とされることがある。
 
==文化==
『背を向ける』ことは、相手に対する無関心、あるいは無視などの拒否的態度の表れと見なされるのが普通である。背任など、より強い拒否的態度を指すこともある。
 
なお、[[江戸時代]]の[[武士道]]では背中を切ることは卑怯とされ、また背中を切られることは敵に背を向けた、すなわち逃げようとしたことを意味するとして恥とされた。