「分解能」の版間の差分

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==光学顕微鏡における定義==
[[光学顕微鏡]]での分解能は、2点分解能をもって定義される。2つの点光源の分解能 <math>\delta</math>は、[[ジョン・ウィリアム・ストラット|レーリー]]の基準によれば
:<math> \delta = \frac{0.61 \times \lambda}{NA} </math>
 
となる。<math>\lambda</math>は光の[[波長]]、<math>\mathit{NA}</math>は[[対物レンズ]]の[[開口数]]。[[可視光線]]で油浸の倍率100倍の対物レンズを用いれば0.2[[マイクロメートル]]程度が解像できるとされる。しかし、照明条件や撮像系によって解像の極限値は変化するので、これが限界ではない。<br>レンズの回折限界を分解能と同等の意味で用いられることもあるが、分解能の定義としては正しくない。
:<math> \delta = \frac{0.61 \times \lambda}{NA} </math>
 
となる。<math>\lambda</math>は光の[[波長]]、<math>\mathit{NA}</math>は[[対物レンズ]]の[[開口数]]。
[[可視光線]]で油浸の倍率100倍の対物レンズを用いれば0.2[[マイクロメートル]]程度が解像できるとされる。しかし、照明条件や撮像系によって解像の極限値は変化するので、これが限界ではない。<br>
レンズの回折限界を分解能と同等の意味で用いられることもあるが、分解能の定義としては正しくない。
 
==走査型プローブ顕微鏡における定義==
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[[走査型トンネル顕微鏡]]では良好な測定条件下では[[単結晶]]試料の[[原子]]の格子間隔に相当する凹凸を得られていることから原子分解能を有するとされる。
 
ただ[[原子間力顕微鏡]]を含む走査型力顕微鏡の複数ある測定法の中にはコントラストメカニズムが判っていない方法もあり、そのような顕微鏡のカタログや論文にある分解能の表現の解釈には注意が必要。超高真空中で行うノンコンタクト原子間力顕微鏡では走査型トンネル顕微鏡に近い解像度が実現されており、絶縁体の原子の格子間隔に相当する凹凸が解像できている
超高真空中で行うノンコンタクト原子間力顕微鏡では走査型トンネル顕微鏡に近い解像度が実現されており、絶縁体の原子の格子間隔に相当する凹凸が解像できている。
 
==電子顕微鏡における定義==
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==望遠鏡における定義==
2点を見分ける最小の角度で定義される。例えば2重星など2つの点光源の分解能 <math>\theta</math>は、レーリーの基準によれば <math>\theta = 1.22\lambda/D</math>である。<math>\lambda</math>は光の[[波長]]、<math>\mathit{D}</math>は[[対物レンズ]]の直径。対物レンズの直径が100 mm100mmの天体望遠鏡の理論分解能は1.3"程度であり、地上から見た月面上の約2.4 km4kmの距離に相当する。天体望遠鏡では、ドーズ(W.R.Dawes)の式が使われ、分解能=116″/口径で求める。また、低倍率からの一般式は、分解能=40″×√(口径/倍率+1)/口径+(82/口径)で求められる。口径100mmとして、倍率20倍ならば5.72″、倍率150倍では1.16″になる。
天体望遠鏡では、ドーズ(W.R.Dawes)の式が使われ、分解能=116″/口径で求める。
また、低倍率からの一般式は、分解能=40″×√(口径/倍率+1)/口径+(82/口径) で求められる。
口径100mmとして、倍率20倍ならば5.72″、倍率150倍では1.16″になる。
 
==回折格子における定義==
分解能 <math>\mathit{R}</math>は、 <math>\mathit{R} = \lambda/\Delta\lambda</math>で定義される。<math>\Delta\lambda</math>は分解できる2[[波長]]の差であり、<math>\lambda</math>はその平均波長。この値は、回折格子の総本数と回折次数の積に等しい。
 
==関連項目==
*[[画面解像度]]
 
{{techTech-stub}}
{{デフォルトソート:ふんかいのう}}
[[categoryCategory:光学]]
{{tech-stub}}
 
[[de:Bildauflösung]]