「国際宇宙ステーション」の版間の差分

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ISSは大きく3つの部分から構成されている。まず、全体を与圧モジュールと[[トラス (ISS)|トラス]]に、与圧モジュールはアメリカ側とロシア側に区分することができる。
 
ISSの中央部には、進行方向に与圧モジュールが直列に連結しており、さらに枝状にもモジュールが取り付けられている。これと直交して、左右方向にトラス構造物が取り付けられている。与圧モジュールとトラスの交点は、それぞれ[[デステニー (ISS)|デスティニー]]と[[トラス (ISS)#S0トラス|S0トラス]]で、両者は金具で強固に結合されており、ここ以外に与圧モジュールとトラスの結合部はない。
 
=== 与圧モジュール ===
滞在する宇宙飛行士の居住と作業の空間で、内部は地球上と同じ1気圧の[[空気]]で満たされている。[[温度]]、[[湿度]]、成分が調節され、乗員は地上と変わらない軽装で活動することができる。生活に必要な生命維持システムや居住のための装置、ISSの目的である様々な実験装置のほか、ISSの運用に必要なシステム機器なども設置されており、多くの機器はモジュール内でメンテナンスや交換が可能である。
 
基本的な機能を有するモジュールは、列車のように1列に連結されている。先頭から[[ハーモニー (ISS)|ハーモニー]]、[[デステニー (ISS)|デステニー]]、[[ユニティ (ISS)|ユニティ]]、[[ザーリャ]]、[[ズヴェズダ_(ISS)|ズヴェズダ]]の順である。これらのモジュールのうち、ズヴェズダ以外はアメリカの資金で製造され、アメリカが所有権を有しているが、ザーリャはロシアに開発、製造、運用を委託している。ズヴェズダはロシアのモジュールである。一般に、ユニィより前側を「アメリカ側」、後側を「ロシア側」と呼ぶ。
 
アメリカ側モジュールとロシア側モジュールは、設計が全く異なっている。ユニティとザーリャは直接結合することができないため、[[与圧結合アダプタ]](PMA-1)を介して接続されている。電力や通信も、PMA-1を通じて接続されている。
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=== 高度制御 ===
[[画像:Internationale Raumstation Bahnhöhe (dumb version).png|ISS高度の推移グラフ|thumb]]
ISSは最低高度278 km、最高高度460 kmの範囲の軌道に維持される。通常の最大の制限は、[[ソユーズ|ソユーズ宇宙船]]のランデブーが可能な425 kmである。ISSの高度は[[大気]]の抵抗と重力傾斜効果によって絶えず低下しているので、毎年数回、より高い高度に上昇させる(リブースト)必要がある。高度のグラフは、毎月約2.5 kmずつ徐々に低下することを示している(注:高度低下率は、太陽活動による大気層の膨張の度合いにより変化するため変動する)。ブーストはズヴェズダの2基のエンジン、ドッキング中の、スペースシャトル・[[プログレス補給船]]・あるいは[[欧州宇宙機関|ESA]]の[[欧州補給機|ATV]]で実行することができる。高度の上昇は、今後の飛行計画や、デブリの接近状況などを考慮して実施される。このため、まれにではあるが高度を若干下げる事も行っている。ICUISSの組み立て段階では、スペースシャトルができるだけ多くのペイロードをICUISSへ運べるように、高度は比較的低く抑えられている。
 
=== 装甲・放射線防護 ===
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=== 開発中の輸送機 ===
==== オオン宇宙船 ====
{{Main|オオン (宇宙船)}}
NASAは2011年5月にオオン宇宙船(Orion Multi-Purpose Crew Vehicle、MPCV)の開発を発表した。オリオン宇宙船の無人テスト機は2013年7月にデルタIV Heavyロケットで打ち上げられる予定である。また2011年9月に、スペースシャトル後継機のSLSの開発とオリオン宇宙船を搭載した初号機を2017年に打ち上げることが発表された。
 
当初のオリオン宇宙船は、NASAがコンステレーション計画に使用するために2014年運用開始を目標に開発していたが、2010年にコンステレーション計画が中止されると計画が現在のものに変更された。コンステレーション計画においては、6名が搭乗可能で、ソユーズを置き換えて緊急帰還船としても使われる模様であった。また、詳細は発表されていないが無人貨物船型の開発も予定されており、有人型と同様の物資回収カプセルを備えた型と、HTVのような非回収カプセル([[大気圏再突入]]廃棄物処理など)を備えた型のイラストが公表されていた。まずISSに対応した型(ブロック1)が開発され、続いて月飛行に使用可能なブロック2、火星や小惑星への飛行に使用可能なブロック3を開発する予定であった。
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== 費用 ==
2010年までの国際宇宙ステーション計画における各国の支出は、アメリカが6兆4400円(585億ドル)、日本が7100円、欧州が4600円(35億ユーロ)、カナダが1400円(17億カナダドル)である<ref name="kibouhiyou">[http://www.mext.go.jp/component/b_menu/shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2010/07/08/1295296_4.pdf 付録1 国際宇宙ステーション(ISS)計画概要(その3)] 宇宙開発委員会 国際宇宙ステーション特別部会 -中間とりまとめ- 平成22年6月</ref>。2011年から2015年までの5年間の各国の予想支出は、アメリカが1兆8900円(172億ドル)、日本が2000円、欧州が2500円(19億ユーロ)、カナダが250円(3億カナダドル)である<ref name="kibouhiyou"/>。(日本の支出の内訳は[[きぼう]]を参照)
 
== 備考 ==