「認識論」の版間の差分

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近代的な意味での認識論を成立させたのは、[[ルネ・デカルト]]である。デカルトは、[[数学]]・[[幾何学]]の研究によって得られた概念は疑い得ない明証的なものであると考え、これを基礎付けるための哲学体系を確立しようと欲した。デカルトは、合理的な学問的知識さえを疑う全面的な[[懐疑主義]]に対して方法的懐疑論を唱え、肉体を含む全ての外的事物が懐疑にかけられた後に、どれだけ疑っても疑いえないものとして純化された精神だけが残ると主張した。
 
そこでは、存在について語る前にどのようにして存在を認識するのかを論じなければならないとされ、形而上学はもはや存在についての第一哲学ではなく、存在の認識についての第一哲学となったのである。このようなデカルトの革命的な主張は、形而上学の中心的な課題を存在論から認識論へ転回させただけでなく、認識に関する様々な物議を醸すきっかけとなった。既に述べたとおりアリストテレス的学問伝統の下においては、認識論と真理論は存在論と分かちがたく結び付いていたのであるが、認識論を存在論に優位させることにより、問題は大きく三つに分かれることとなった。以下に分説する。
 
=== 認識の起源 ===