「クーロンの法則」の版間の差分

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この実験の成果からこの法則を'''クーロンの法則'''と呼ぶ。また式中の定数 k を'''クーロン定数'''といい、この式で表される力 <math>F</math> を'''クーロン力'''(静電力、静電気力、静電引力)という。
 
クーロンの後にも電気力と距離の関係を求めようとした実験は少なくないが、必ずしも逆2乗則を支持するものではなかった<ref name="shimoda"></ref>。クーロンのねじり天秤は非常に敏感な装置で誤差が大きく、現代に行われた再現実験<ref>P.Heering "On Coulomb’s inverse square law ", American Journal of Physics. Volume 60, Issue 11, pp. 988(1992)</ref>でも距離のベキが1~3乗程度になるという結果しか得られていない<ref name="shimoda"></ref>。クーロンの論文のデータの誤差は3、4%程度だが、実際には数十%もあったと推定され、クーロンは多くの測定の中から最も信頼できと思われるデータだけを報告していたとされる<ref name="shimoda"></ref>。再現実験を行ったヘーリングは、「おそらくクーロンは理論的考察から逆2乗則を信じるようになり、それを実証しようとして実験したのであって、実験から逆2乗則を発見したのではなかろう」と結論している<ref name="shimoda"></ref>。ただしこの時代には[[最小二乗法]]などの誤差論が存在しなかったことにも留意する必要がある。
 
キャベンディッシュの研究資料は1870年に設立された[[キャヴェンディッシュ研究所]]の初代所長[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル|マクスウェル]]によって公表された。マクスウェルはキャヴェンディッシュの方法を改良して追試をおこない、非常に高い精度でクーロンの法則を確かめている。