「死亡記事」の版間の差分

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不慮の死の除外、一面の例など
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[[ファイル:William Miller obituary, The Graphic, Feb 25, 1882.jpg|thumb|right|200px|死亡記事の例。19世紀に活動した銅版画家[[ウィリアム・ミラー (版画家)|ウィリアム・ミラー]]([[:en:William Miller (engraver)|en]])の死を伝えたもの。]]
'''死亡記事'''(しぼうきじ)とは、[[新聞]]などの[[記事]]のうち著名人の死を伝える内容のもののことである。'''訃報'''(ふほう)とも言い、日本では死亡記事のコーナーは「おくやみ欄」とも呼ばれる。発行者が独自に掲載を決めたものを指し、遺族などが依頼して[[広告]]として掲載されたものは[[死亡広告]]と呼んで区別する。
 
本項での死亡記事は、事故や事件、災害による死亡(不慮の死)は基本的には含まない(事故や事件、災害を扱う記事で触れられるため)。
 
==概要==
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現在の日本の新聞の場合、形式から死亡記事は大きく三つに分かれている。一つ目の類型は定型記事として作成される簡潔な速報、二つ目の類型はニュース性が高い人物の死について見られる一般記事、三つ目の類型は、過去一定期間に死去した著名人の中から特に一部を詳細に取り上げた追悼記事である。第1類型と第2類型の中間的な扱いを設けている例もある<ref>時事通信社、576頁。</ref>。
 
第1類型の定型記事として作成される死亡記事は、様式が新聞社・通信社ごとに決められており、ほぼ共通するものの若干の違いがある。[[#概要]]に基本的構成として記した事項のほか、[[葬儀]]の会場や[[喪主]]が、読者の出席や[[弔電]]の便宜を考慮して[[地番]]や[[振り仮名]]など詳細に記される<ref>時事通信社、573頁。</ref><ref name="kyodo539">共同通信社、539頁。</ref>。新聞の定型死亡記事独特の表現として、氏名に傍線が付されており、「裏罫」「死亡罫」「死人罫(しびとけい)」などと呼ばれる<ref>諸岡、7-8頁。</ref>。
対象は主に大企業の社長や専務などの要職を務めた人やまれにそれらの人の肉親で、多くは社会面の最下段に小さく配置される。主に関係者への連絡としての機能を果たしている。
 
第2類型の一般記事として報じられる場合は、「(故人名)死去」などの見出しが付されて、一般的な文章で構成される。記事の大きさは様々である。故人の関係者のコメントが載せられることがある。対象は知名度が特に高い人物のほかに、社会的問題性や話題性の点から大きく取り上げる例があり<ref name="kyodo539" />、そのままでは小さな定型記事で済んでしまう人物を大きく報道するために、所属組織の今後への影響などを盛り込んだ広範囲の内容として、ニュース価値を高める手法が用いられる<ref>諸岡、161頁。</ref>。掲載位置は社会面のほか、場合によっては(元首相など国家の要職経験者や高い実績を残した元スポーツ選手など)一面記事となることもある。元スポーツ選手の場合にはスポーツ欄に関係者のコメントが載せられることがある。
 
第3類型は近年になって見られるようになったものである。1カ月に2~4回程度、多くは署名記事として取り上げる。[[朝日新聞]]の「惜別・ひと人生」、[[読売新聞]]の「追悼抄」、[[毎日新聞]]の「悼む」、[[産経新聞]]の「葬送」などの例がある。人物評伝をしっかりと書くという点で、欧米の死亡記事に近いという評価もある<ref name="moro171172" />。