「列車砲」の版間の差分

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砲の口径と口径長はまちまちであるが、基本的に超長距離射撃を前提とし'''[[カノン砲]]'''('''カノン'''・'''加農''')の中でも特に大口径(20cm以上)・長砲身・大重量・高[[砲口初速|初速]]・大威力なものが使用されることが多く、これらは最大射程は40,000m(40km)以上を誇った<ref>[[野戦砲]]として陸上で用いられる一般的な15cmクラスのカノン砲は、第二次大戦当時最新型の物で最大射程25,000m前後程度。</ref>。また、大口径・大重量の'''[[榴弾砲]]'''や'''[[臼砲]]'''も使用された。列車砲の[[砲弾]](主に[[破甲榴弾]]・[[榴弾]])の破壊力は多大なものであり、左右の射界の確保はカーブの付いたレール上を移動させ対応した。なお、[[軌間]]は路線・国ごとにまちまちであっため、それらの地域に持ち込むには[[鉄道車両の台車|台車]]の交換など[[改軌]]の必要があった。
 
[[File:18inchRailwayHowitzerBocheBusterWWII.jpg|thumb|left|200px|道を利用する第二次大戦期のイギリスの[[BL 18インチ列車榴弾砲]]]]
列車砲は編成を含めてその大きさは格好の目標であり、移動においては線路に制限されるという関係上、[[制空権]]を確保していない状況においてはその運用は困難であった。特に特別な[[複線]]が前提となっていた一部の巨大な列車砲は運用そのものに多大な制限を受けていた。
 
[[第二次世界大戦]]時に出現した大型の[[爆撃機]]はすでに列車砲の砲弾以上の威力のある[[爆弾]]を投下することが可能となっており、また列車砲の最大射程と爆撃機の[[航続距離|航続力]]を考慮すれば列車砲の活躍の場は少なかった。ただし、[[航空機]]には天候・命中率・防空など、その性能を常に発揮できるわけではなく、同様に列車砲も適切な状況で運用した場合には、圧倒的な威力を発揮した。また、地形が許せば[[隧道]][[トンネル]])を利用しての射撃(撃つ時だけ出て撃ったらすぐに隧道内に戻る)で敵の攻撃を避けるといった方法もとっていた。
第二次大戦直後に列車砲を調査した連合軍の評価は、技術的には驚異的だが戦術的には失敗策だというもので、列車砲に注がれた資金、資材、技術者、兵員を爆撃機の開発に回していれば大きな脅威になったが列車砲に回されたおかげで連合軍には有利に働いたと言われた。
 
第二次大戦後の現代においては、兵器や[[戦闘教義|戦闘ドクトリン]]の進化により列車砲自体は廃れたが、[[ロシア連邦軍]]の[[大陸間弾道弾]][[RT-23 (ミサイル)|SS24]]には列車移動が可能なタイプがあり、見方によってはこれは列車砲の子孫とも言える。
 
== 歴史 ==