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囲炉裏鍋、中国の鍋、画像追加
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{{画像提供依頼|鍋|date=2011年11月}}
'''鍋'''(なべ)とは、[[調理#調理器具|調理器具]]の一種で、[[食材]]に火を通すための物であり、[[煮る|煮物]]・[[茹でる|茹で物]]・[[揚げる|揚げ物]]等の[[調理]]法に利用される、比較的深さがある[[道具]]。英語では深いものをポット (pot)、浅く平たいものをパン (pan) といい、[[フライパン]]などの名称に見られる。
 
「○○鍋」というときは、鍋の種類名称である場合と、鍋を使って食卓上で作る煮物[[料理]]([[鍋料理]])の名称を指す場合がある。
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== 種類 ==
=== 日本 ===
[[ファイル:Tempura nabe with abura kiri.jpg|right|thumb|200px|天ぷら鍋と油切り]]
; 雪平([[在原行平|行平]])鍋(ゆきひらなべ)
: 最も代表的な和風鍋で、蓋のない中程度の深さの片手鍋。[[汁]]の注ぎ口が左右両方に付いている場合が多い。[[煮物]]、[[茹でる|茹で物]]、[[出汁|だし]]取りなど、鍋を利用する[[日本料理]]のほとんどに対応する一種の万能鍋である。蓋は[[落とし蓋]]を利用する。本来は取っ手や蓋、つぎ口の付いた土製の鍋であったが、現在ではアルミ製の軽量な片手鍋であることが多い<ref>http://www.city.asago.hyogo.jp/kyoudorekishikan/shoku/shokuseikatsu/chouri/food05.htm</ref>。木製の取っ手がネジで固定されている場合、取っ手が傷んでもこれを交換することで末永く利用できるよう工夫してある。
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: [[揚げ物]]に用いられる鍋。天ぷら網や温度計などが付属するものもある。
; すき焼き鍋
: [[すき焼き]]に用いられる専用の[[鋳]](鋳物)製の鍋。円形で深さがあまりないものが多い。
; しゃぶしゃぶ鍋
: [[しゃぶしゃぶ]]に用いられる専用の鍋。
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: 丸底で鍋の中央付近に[[鍔|つば]]([[翼|はね]])が張り出している[[竈]]専用の鍋。つばが付いているのは、竈の穴の縁に引っ掛けて[[釜]]が下に落ちないようにするためであり、飾りや[[熱効率]]を高めるのが目的ではない。[[蓋]]は[[木]]製で厚みがある重い物を用いる。
; 囲炉裏鍋(いろりなべ)
: [[囲炉裏]]に掛けるのに適した、柄が付いた丸底の鋳物鍋。[[アルコール]]で熱する焜炉を組み合わせた一人用のものもある。
: [[囲炉裏]]専用の鍋。
; [[文化鍋]](ぶんかなべ)
: [[炊飯]]専用の深さがある両手鍋。材質は[[アルミ]][[合金]]製である。鍋の縁が蓋よりも上にせり出し、重さのある蓋は[[富士山]]の[[裾野]]状の形となっているのが特徴。[[炊飯]]時に蓋の隙間から飛び出した[[水分]]は、せり出した[[縁]]によりせき止められ吹きこぼれる心配が無く、蓋の傾斜に沿ってまた鍋の中に流れ込むよう工夫されている。本来、炊飯に最適化されて作られた鍋であるが、厚みもあり[[熱効率]]が良いことから、[[煮込み]]料理に利用されることもある。過去には家庭の必需品で、[[ご飯]]を上手く炊けることが料理上手の一つの条件であったが、[[電気炊飯器]]の普及により利用者は激減した。
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=== 西欧 ===
[[ファイル:Stock Pot.jpg|thumb|right|200px|Stock pot]]
[[ファイル:Waistless pans.JPG|thumb|right|200px|一般に市販されている寸胴鍋]]
[[ファイル:Cocotte.png|thumb|right|200px|ダッチオーブンの原型、フランスのココット]]
; ソースパン
: 片手の浅鍋。文字通り[[ソース (調味料)|ソース]]作りに多用される。
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=== 中国 ===
[[ファイル:The woks of various sizes.JPG|thumb|right|200px|様々な大きさの中華鍋]]
[[ファイル:Feuertopf_Peking.jpg|right|thumb|200px|北京の火鍋子]]
; [[中華鍋]](ちゅうかなべ)
; [[中華鍋]](ちゅうかなべ、[[英語]] wok)
: [[中華料理]]に利用される、丸底の[[鉄鍋]]。[[炒める]]、[[揚げる]]、[[煮る]]、[[蒸す]]等あらゆる多くの調理を一つの鍋でこなすことが出来る万能鍋である。
:; 北京鍋(ぺきんなべ)
:: [[北京料理]]で利用される片手の中華鍋。
:; 広東鍋(かんとんなべ)、四川鍋(しせんなべ)
:: [[広東料理]]、[[四川料理]]で利用される両耳付きの中華鍋。
; [[火鍋子]](フオクオズ)
: 北京料理用の、中央に[[炭]]を入れる部分と[[煙突]]を組み込んだ銅鍋
; [[沙鍋]](シャークオ)
: 中華料理用の大きな土鍋
; 煲仔(バオザイ)
: 広東料理用の小さな片手付き土鍋
; [[汽鍋]](チークオ)
: [[雲南料理]]用の、下から中に蒸気が入るように突起を設けた土鍋
 
=== 東南アジア ===
; [[中華タイ]]ちゅうかタイなべ)
: 片側に北京鍋と同じ柄を、片側に広東鍋と同じ耳を付けた兼用中華鍋。
 
=== トルコ ===
; [[ジェズベ]]
: [[トルココーヒー]]を作る小型の鍋。
 
=== アフリカ ===
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: [[モロッコ料理]]など[[北アフリカ]]の料理で利用される鍋。[[円錐]]形の蓋が特徴で、食材から出た[[蒸気]]が蓋の上部で冷やされて液化し再び蓋を伝って戻るため、ほとんど水を使わず蒸し焼きができる。
 
=== トルコ ===
 
; [[ジェズベ]]
: [[トルココーヒー]]を作る小型の鍋。
=== その他 ===
[[ファイル:Pressure cooker.jpg|thumb|200px|圧力鍋]]
; [[圧力鍋]](あつりょくなべ)
: 鍋に蓋をして密閉し、蒸気が逃げないようにすることで内部の[[圧力]]を上げ、水の沸点を[[摂氏]]100度以上にして[[高温]][[高圧]]で加熱する鍋。完全に密閉すると内部の圧力が高くなりすぎて危険なので、[[圧力調整弁]]が蓋に装備されており、一定の圧力が保たれる仕組みになっている。
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== 材質と特徴 ==
; [[陶器]] - 土鍋
: 火のあたりが柔らかく、保温性が高いのが特徴。[[おでん]]や[[粥|お粥]]など弱火で長時間煮込む料理に適している。[[陶器]]製のため衝撃を加えると割れる危険性がある。また、急激な温度変化にも弱いので、鍋底に水滴が付いている状態で火に掛けるとひびが入ることがある。土鍋のサイズは号数で表示されるが、号数は[[寸]](3.03cm)と同一なので、7号であれば約21cmとなる。中国でも江蘇を中心に各地で用いられており、「砂鍋」と称する。
; [[耐熱ガラス]]
: 性質は土鍋に近く、中身の様子が確認しやすいという長所が挙げられる。欠点は、やはり衝撃に弱いこと。
: 本体より耐熱性の要求が緩い鍋蓋に関しては多く用いられる。
; [[琺瑯]](ほうろう、ホーロー)
: 鉄や銅製の鍋の上に、[[ガラス]]質の[[釉薬]]の層を焼き付けたもの。腐食に強いことからアルミやステンレスの普及以前に多く使用されたが、土鍋やガラス鍋ほどではないが衝撃を受けると表層が破損しやすい欠点がある。しかし現在でも、金属鍋にはない独特の美しさや、熱伝導率の高い金属を使用しつつ耐食性も強化できるなどのメリットから、比較的高級な製品にニッチを確保している。
; [[鉄]]
: 古くは鍋の材料として最も多用されていた。丈夫で[[熱]]にも強く、[[油]]のなじみがとても良いため,強火と油を多用する中華鍋の材料としては主流である。[[熱伝導率]]も比較的良好である。錆びやすいこと、重いことが欠点。[[鋼板]]を[[プレス]]加工したものと[[鋳物]]製のものがある。いずれも、防錆力を高めるため表面に[[琺瑯]]加工を施した製品が市販されている。
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: [[精錬]]や[[加工]]が難しいことから高価で、鍋の材料として利用されるようになったのはごく最近である。熱伝導率は極めて悪いが、重さは鉄の約半分で錆に強い。一般家庭ではまず使われることはないが、登山など軽量化が求められる状況では重宝されている。
; [[石]]
: 朝鮮[[韓国料理]]などに用いられる。石材としては、[[長水石]]などが用いられる。
 
== 関連商品 ==
* 鍋つかみ([[ミトン]]) - 熱せられた鍋の取っ手を安全に持つための道具。
* [[鍋敷]] - 熱せられた鍋をテーブル等に置くための道具。
 
== 関連項目 ==
* [[テフロン]] - 焦げ付きなどを防ぐ目的で鍋の表面に加工される[[フッ素樹脂]]の商品名。
* [[空焚き]] - 鍋での火災で原因として多い。
 
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[[Category:鍋|*]]