「タンムーズ」の版間の差分

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60の悪霊に襲われて全身が病に侵され、同様に地上の動物や人間から生殖機能や活気が失われた。
 
イナンナの忠実な召し使いは他の神々に助けを求めたが、応えたのは賢神[[エンキ (メソポタミア神話)|エンキ]]/[[エア (メソポタミア神話)|エア]]のみであった。エンキとエアでは生き残らせる二つの神に違いがあるが、イナンナ/イシュタルの復活という目標は共通していた。エンキ/エアは自身の爪の垢から作り出した従者・クルガッラとガラトゥッラをクルに送り込み、イナンナ/イシュタルに生命の食物と生命の水を与えて蘇らせた。アッカドの文書ではエンキ/エアが送り込んだ従者は自身の想像から作り出した従者・アスシュミナルを送り込み、イナンナ/イシュタルを同様に助けた。ところが、「魂の保存則」によって、クルにイナンナ/イシュタルの身代わりとして残す誰かを探さなければならなかった。彼女は神々ひとりひとりに当たったが、助命を嘆願する神々を強引に身代わりにする程彼女は冷酷ではなかった。そこで見たのが、彼女の王座に居座り、立派な衣服を着て宴会に興じるドゥムジ/タンムズの姿であった。恋女房であったはずなのに、彼は明らかに彼女に消えて欲しくてたまらなさそうだった。俄然イナンナ/イシュタルは彼に死神(demons)をおしつけた。ここでアッカドの文書はタンムズの姉妹ベリリ(Belili)を導入しようとして失敗している。彼女はタンムズの死を嘆いて身に付けた宝石を外し、タンムズ他死者の復活を求める者として、ここで初めて紹介される。
 
ここには混乱が見られる。シュメールの文書の一つにベリリの名前が現われるが、そこではドゥムジの姉妹はゲシュティンアンナ(Geshtinana)という名前になっており、他の老女の名前として用いられている。この老女は他の文書ではビルル(Bilulu)と呼ばれている。