「小唄勝太郎」の版間の差分

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勝太郎は「島の娘」などの流行歌のヒットも多く出したが、[[民謡]]のヒットも多い。殊に「[[佐渡おけさ]]」は、現地の盆踊りで唄われるものよりもテンポを落とし、節や三味線を勝太郎自身が[[端唄]]風にアレンジしたもので、人気を呼び何度も吹き込んでいる。同時期に[[村田文三]]などがレコードに吹き込み普及に努めたいわゆる正調の「佐渡おけさ」とはいあさか趣が異なっていることもあり、地元からは「勝太郎のおけさは、地元のものとは違う」と非難の声が出たこともあった。そこで、勝太郎の唄い方を「勝太郎節」などと呼び、伝承の「佐渡おけさ」とは区別することもある。なお、伝承の節に比較的近い唄い方のものも「おけさ踊り」のタイトルでレコーディングしており、こちらもヒットしている。「佐渡おけさ」のほかにも「[[越後追分]]」や「[[三階節]]」「[[新潟おけさ]]」など新潟県の民謡を次々にレコーディングし、普及に貢献した。「越後追分」も、地元伝承のものとはやや節が異なり、勝太郎が端唄風にアレンジしたものである。
 
新潟民謡以外では「[[会津磐梯山]]」が持ち唄としてよく知られているが、これも地元のもの(カンショ踊り)とは異なり勝太郎が端唄風にアレンジしたもので、佐渡おけさのときと同じように地元から非難の声が出た。有名な「小原庄助さん、なんで身上しもうた…」の囃子も、勝太郎のアイデアで挿入したものであり、元来のカンショ踊りにはこのような囃子は入っていなかった。当時は「身上しもうた」と囃したのだが、戦後は「身上つぶした」と囃すことが多くなっている。勝太郎自身が後年ラジオ等で「私の会津磐梯山は地元のものとは違っていて、わかり易くするために私がアレンジをしたものです」と述べており、地元伝承のものとは異なる旨を言している。ほかに「おばこ節([[山形おばこ]]の勝太郎節)」「[[関の五本松]]」「[[串本節]]」「[[博多節]](ドッコイショ)」「[[磯節]]」など全国各地のお座敷調の民謡を積極的に吹き込み、普及に貢献している。
 
戦前は「新小唄」などと呼ばれた、地方の宣伝や紹介のために作られた[[新民謡]]も多く吹き込んでおり、中でも「東京音頭」「[[別府音頭]]」の2曲は大きな成功を収めた。後者は大分県の地方都市の新小唄であるにもかかわらず、大分県中で流行しただけでなく全国的に知られていた。ほかに「[[大師音頭]]」「軽井沢音頭」「[[スキー音頭]]」「美濃町音頭」「黒船音頭」「早鞆音頭」などを吹き込み、盆踊りの際に盛んに踊られた。殊に「大師音頭」と「スキー音頭」は、平成に入ってもなお盛んに踊られている。