「こぎつね座」の版間の差分

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'''こぎつね座'''(小狐座、Vulpecula)は[[星座]]の1つで17世紀に[[ヨハネス・ヘヴェリウス]]によって設定された。 当時の名前はギリシャ神話とは関係なく、「がちょうをくわえたこぎつね座」だった。
 
こぎつね座は、[[こと座]]の[[ベガ]]、[[はくちょう座]]の[[デネブ]]、[[わし座]]の[[アルタイル]]から形作られる夏の大三角形の真ん中にある。暗い北天の星座である。
 
== 特徴主な天体 ==
=== 天体恒星 ===
{{See also|こぎつね座の恒星の一覧}}
この星には4等より明るい星はない。
* α星:[[こぎつね座アルファ星|アンカー]](Anser)は、4.44等。[[赤色巨星]]。[[スペクトル型]]は M0III で、[[太陽]]からは297光年の距離にある。8番星とで見かけの[[二重星]]を形成、角度で413.7"離れている。双眼鏡でならこの星を見分けることができる。
 
=== 星団・星雲・銀河 ===
*PSR 1919+21:この星座の中で最初の[[パルサー]]。1967年に、ケンブリッジ大学の[[アントニー・ヒューイッシュ]]と[[ジョスリン・ベル]]によって発見された。彼らは[[クエーサー]]の電波信号を探していたときに、数秒おきに1回の割合で電波を発する非常に規則的な信号を発見した。観測の結果、この信号の強度の変動周期は[[太陽日]](24時間0分)ではなく、[[恒星日]](23時間56分)だったので、信号の発信源は地球上ではないことが明らかになった。この信号はきっかり1.3373秒ごとに発せられていて、あまりにも規則的すぎた。現在ではこれは高速回転する[[中性子星]]から放射される電磁波だと考えられる。このパルサーは「RA(赤経) 19h 19mの近くのケンブリッジ・パルサー」を意味するCP 19191と呼ばれた。現在では PSR 1919+21 と命名されている。
 
== 天体 ==
おもなものとして2つの星雲・星団がある。
* Brocchi's Cluster:[[散開星団]]。洋服掛け(コート・ハンガー星団)とも呼ばれる、肉眼でも見ることのできる。この星団もその名の通りハンガーのような変わった形をしている。
 
* M27([[亜鈴状星雲]]):巨大な[[惑星状星雲]]である。この星雲は形が面白いため、よく観測される。双眼鏡でも見ることができ、視直径は6分角である。双眼鏡でも満月の4分の1の大きさの楕円形に見える。その名の通りの鉄アレイ状に見るには、大口径の望遠鏡が必要である。
 
=== その他 ===
* Brocchi's Cluster:[[散開星団]]。洋服掛け(コート・ハンガー星団)とも呼ばれる、肉眼でも見ることのできる。この星団もその名の通りハンガーのような変わった形をしている。
*PSR 1919+21:この星座の中で最初の[[パルサー]]。1967年に、ケンブリッジ大学の[[アントニー・ヒューイッシュ]]と[[ジョスリン・ベル]]によって発見された。彼らは[[クエーサー]]の電波信号を探していたときに、数秒おきに1回の割合で電波を発する非常に規則的な信号を発見した。観測の結果、この信号の強度の変動周期は[[太陽日]](24時間0分)ではなく、[[恒星日]](23時間56分)だったので、信号の発信源は地球上ではないことが明らかになった。この信号はきっかり1.3373秒ごとに発せられていて、あまりにも規則的すぎた。現在ではこれは高速回転する[[中性子星]]から放射される電磁波だと考えられる。このパルサーは「RA(赤経) 19h 19mの近くのケンブリッジ・パルサー」を意味するCP 19191と呼ばれた。現在では PSR 1919+21 と命名されている。
 
== 由来と歴史 ==
[[Image:Vulpecula-et-Anser-Bode.jpg|thumb|400px|Vulpecula et Anser in Uranographia 1801]]
この星座は、17世紀後半に、ポーランドの天文学者[[ヨハネス・ヘヴェリウス]]によって設定された。この星座はもとは Vulpecula cum ansere「[[ガチョウ]]をくわえた小さな[[キツネ]]」 もしくはVulpecula et Anser「小さなキツネとガチョウ」と呼ばれた。ガチョウは現在のキツネのあごの部分であった。その後、ガチョウは姿からも名前からも消えた。しかし、ガチョウ("Anser")はこぎつね座のα星の名前として残った。 
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「ガチョウをくわえた小さなキツネ」の設定は、[[グリム童話]]の同名の童話が元になっていると考えられる。α星のガチョウは、グリム童話に登場する、キツネの質問に答えるガチョウの可能性がある。ラテン語の星座名 Vulpecula は、本当は「小さい狐」の意味であるが、英語圏の人々はただのキツネだと思っており、この星座を''Fox''と呼んでいる。
 
== 呼称と方言 ==
日本では、'''きつね座'''と呼んだ時代がある。
{{commons|Vulpecula}}