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'''エポケー'''({{lang-grc|ἐποχή}} epokhế)は、原義において「停止、中止、中断」を意味し、[[哲学]]においてこの語はいくつもの意味をもっている。
 
[[懐疑主義]]においては、エポケーは“suspension of judgment“「判断を留保することを意味する。もし[[真理]]が到達不可能なものだったり、到達しにくいものだったりするなら、判断を急ぎすぎるとかならず誤ることになるであろうからである。
 
[[エトムント・フッサール|フッサール]]および[[現象学]]においては、エポケーは世界の自然命題を「カッコに入れる」ことを意味する。すなわち世界の外的現実についての信念をカッコに入れるのである。ただしこれは世界の実在を疑うという意味ではまったくない。世界の現象を起こるに任せ、純粋な現れとし、そこで現れているものの実在についてはもはや断言しないということである。世界の中で生きられたものが意味している一切を捨象し、生きられたものをそのものとして研究するという点において、エポケーは[[意識]]の普遍的構造を考えるための第一歩なのである(フッサールによれば、エポケーの次の段階が「現象学的還元」である)。