「ルカによる福音書」の版間の差分

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Mumeizin (会話 | 投稿記録)
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== 成立年代 ==
『ルカ福音書』の成立年代は未詳だが、その上限は(「二資料仮説」を前提とするが)『マルコ福音書』の成立時期であり、下限は[[マルキオン]]の正典編纂の試みである。紀元[[8060年]]から[[13080年]]までの間にかかれたことは確かであろう。
 
=== 伝統的な成立時期の説 ===
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=== 成立年代の考察 ===
伝承にもとづいた成立年代ではなく、近代以降の批判的研究の結果からわかることは、『ルカ福音書』が[[エルサレム神殿]]の崩壊後に書かれたということである。現代では『ルカ福音書』と『使徒言行録』は[[80年]]から[[150年]]の間に続けて成立したという考え方が主流である。「パルーシア」(キリストの再臨)にあまり触れないことや、福音が世界の人にあてられているということの強調などからも、伝承にもとづいた成立年代にはやや無理があるといえる。
 
伝統的な成立年代に固執する一部の人々を除けば、聖書学者の間では『ルカ福音書』が[[1世紀]]中に成立したか否かということをめぐっての論争がいまも果てない。[[2世紀]]の成立を支持する人々は『ルカ福音書』が2世紀初頭の古代教会内での異端的な動きに対抗して書かれたとみている。1世紀成立を支持する人々は、2世紀の教会で発達していた位階制に一切言及されないことを証左とする。極端な伝統保持者はルカがパウロの同行者であったという伝承だけをもって1世紀中期の成立を主張している。