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連続体仮説の独立性を証明する最後のステップは、コーエン強制が基数を潰さないことを示すことである。
これには、組み合わせ論的性質としてはこの半順序の反鎖が可算個しかないこと、すなわち[[可算鎖条件]]があれば十分である。
 
==[[可算鎖条件]]==
'''P''' の部分集合 ''A'' が '''P''' の反鎖であるとは、''p,q'' という ''A'' の任意の2要素が、
''両立しない'' (''p'' ⊥ ''q'' と表す。)ことを言う。
両立しないとは、'''P''' の要素 ''r'' で ''r'' ≤ ''p'' かつ ''r'' ≤ ''q'' を満たすようなものが存在しないこと。
 
ボレル集合の集まりの例では、両立しないことは ''p''∩''q'' の測度が0であることであった。
有限部分関数の集まりの例では、両立しないことは ''p''∪''q'' が関数を成さないこと
(すなわち、''p'' と ''q'' が共通の定義域で一致しない振る舞いをしていること)であった。
 
'''P''' が '''[[可算鎖条件]]'''(c.c.c.) を満たすとは、'''P''' のいかなる反鎖も可算であること。
(この一見明らかに不適切と思われるネーミングは、ブール代数に関する結果の歴史的な経緯による。
一部の数学者には"可算反鎖条件(c.a.c.)"と表している者もいる。)
 
Bor('''I''') が c.c.c. を満たすことは簡単に分かる。ここでの測度はいくら足しても最大で1である。
Fin(''E'',2) もまた c.c.c. を満たす。しかしその証明はもう少し難しい。([[Δ-システム補題]]等を使う証明が知られている)。
 
強制法における反鎖の重要性は稠密集合と極大反鎖が同値に捉えられることことにある。
''極大'' 反鎖 ''A'' は反鎖であることを保ったまま拡大することができない。
それはすなわち、いかなる''p'' ∈ '''P''' も ''A''の要素のどれかとは両立しないことを意味する。
極大反鎖の存在は[[ツォルンの補題]]による。
極大反鎖 ''A'' が与えられたとして、''D'' = { ''p'' : ある ''q''∈''A'' があって ''p''≤''q''} と定義する。
このとき''D'' は稠密で、''G''∩''D''≠0 と ''G''∩''A''≠0 は同値である。
逆に、稠密集合 ''D'' が与えられたとして、ツォルンの補題はから極大反鎖 ''A''⊆''D'' の存在が分かり、
''G''∩''D''≠0 と ''G''∩''A''≠0 が同値になる。
 
'''P''' が c.c.c. を満たすとする。''x'',''y'' ∈ ''V'' と ''V''[''G''] 内の関数 ''f'':''x''→''y''が与えられたとする。
''f'' を ''V'' の内部から以下のように近似できる。
''u'' を''f''の名前とする。''p'' を条件で、''u'' が ''x'' から ''y'' への関数となることを強制するものとする。
関数 ''F'' を次のように定義する。
定義域は ''x'' で ''F''(''a'') = { ''b'' : ∃ ''q'' ≤ ''p'', ''q'' は ''u''(''a''ˇ) = ''b''ˇ を強制する } である。
強制関係の定義可能性により、この定義は ''V'' で意味をなす。
c.c.c. により ''F''(''a'') は可算である。
 
要約すると、''f'' は ''G'' によって決まってくる''V'' 内では何か分からないが、単に全く分からないのではなく、
c.c.c. forcing においては、''G'' によらずに、任意の入力に対する ''f'' の値を推定する可算集合を特定することができる。
 
このことから重要な帰結が得られる。''V''[''G''] の中で ''f'':α→β が無限順序数間の全射であるとき、
全射 ''g'':ω×α→β が ''V'' の中にあって、全射 ''h'':α→β が ''V'' の中にある。特に、基数が崩壊しない。
このことから、 2<sup>ℵ₀</sup> ≥ ℵ<sub>2</sub> が ''V''[''G'']の中で成り立つ。
 
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