「インターレース」の版間の差分

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'''インターレース''' (interlace, interlaced scan)とは、[[画像]]伝送において[[データ量]](動画の場合は[[伝送レート]]または[[帯域幅]])を増やさずに描画回数を増やす技術である。'''飛び越し'''と訳すことがある。
 
画像を上(あるいは下など特定の方向)から順に送る'''[[プログレッシブ]]''' (progressive scan) または'''ノンインターレース''' (noninterlace scan) と対になる言葉で、[[ラスタースキャン]]方式において、画像全体を飛び飛びに[[走査]]・処理する。この項ではプログレッシブ・スキャンについても述べる。
 
== 用語 ==
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ただし映像圧縮を行う場合、フレーム単位で圧縮すると、後述の動きの激しい部分では動きのある部分が縞状(コーミング)となり、空間周波数が高くなって静止画としても圧縮しにくくなり、[[フレーム間予測]]も行いづらくなる。フィールド単位で圧縮すると、動きのない部分でもフィールド毎に微妙に映像が異なるため、やはりフレーム間予測が行いづらくなる。そのためインターレースに対応した[[MPEG-2]]では、インターレース動画の圧縮率を改善する複数のモードが搭載されている。一例を挙げると、マクロブロック毎に予測をフレーム、フィールドと選べ、動きのない部分ではフレーム毎に予測し、動きのある部分ではフィールド毎に予測することが出来る。
 
現在のテレビ放送は全て1次元2:1インターレースかさもなくばプログレッシブだが、特別なシステムで2次元4:1インターレースなどが使われることもある。
 
=== 表記法 ===
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=== プログレッシブへの変換 ===
高級なシステムでは、インターレース映像に対し[[プログレッシブ]]化がなされる。これは空いている走査線を残像に頼らず同時に表示する技術でこれにより映像は倍の帯域の60Hzのプログレッシブ動画 (60p) に変換される。これは画質向上というよりは、ちらつき防止の目的が大きい。
 
ただし実際には空き走査線の情報は欠損しているので、上下および過去の走査線の内容から計算することになる。基本的には[[動き検出]]により動きのない箇所は前のフィールドの走査線をそのまま使い、動きのある箇所は上下の走査線から[[補間]]する。最近のデジタルテレビなどの高度な画像処理では、動き補償(動き予測)と言って過去もしくは過去と未来のフィールドからの現フィールドの動きを予測してする'''動き補償'''(動き予測)と呼ぶ手法で、上下の走査線から補間するよりも高解像度な画像を得られる処理を行っている。さらに、[[液晶]]を利用するデジタルテレビでは、液晶の応答性能の低さを補間するために、プログレッシブ動画のさらに数倍の速度で表示を行うなどの技術を導入している。(詳細は[[薄型テレビ#液晶テレビ|液晶テレビ]]を参照。)
 
プログレッシブ化に似た処理に、[[デインターレース]]がある。プログレッシブ化と同様に空き走査線を計算するが、これを2フィールドに1回行う。これにより、[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]での動画再生に適した30Hzのプログレッシブ動画 (30p) に変換される。