「スーク (市)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Yoyo182 (会話 | 投稿記録)
m編集の要約なし
m #脚注
3行目:
 
== 概要 ==
スーク(sūq)は[[市場]]を意味し、語源は、送る、運ぶ、手渡すという意味の動詞ساق (sāqa) からの派生にあたる。総体としての市場を指す場合と、特定の商品を扱う個々の市場の用法がある。
 
元来、[[キャラバン]](隊商)の通る街外れに定期的に立つ交易の市で、祝祭の場でもあり、部族紛争のときも中立性が担保されていた。やがて恒久的なスークが登場し、現在の[[アラブ]]世界では、英語の「マーケット (market) 」とほぼ同じ意味で用いられ、物理的な意味と抽象的な意味の両方を含む。
 
== 種類 ==
スークは以下の5種類に大別される<ref>黒田美代子 『商人たちの共和国』 第2章</ref>。
# 一般的スーク(伝統的市場)
# スーク・ル=ハール(政府公認青物市場)
24行目:
スークはやがて契約や課税という点からも街の行政の中心へ成長した。市の中心部へと位置したスークは、取り引きの場、行政・司法の座、ハーン([[キャラバンサライ]])、[[モスク]]、[[マドラサ]]、[[ハンマーム]]等を内包する地区を形成した。外部から来た商人は、荷物をキャラバンサライの倉庫に入れて数日間宿泊した。
 
アフリカでは今なお、人々はただ座って時を過ごしたり、語らうためにだけスークに集まってくる。アラブ世界の美しく典型的なスークとして、[[モロッコ]]の[[フェズ|フェス]]、[[シリア]]の[[アレッポ]]、イェメンの[[サナア]]の三つがあげられる<ref>黒田美代子 『商人たちの共和国』 序</ref>。
 
== 出典・参考文献脚注 ==
* [[イブン・ジュバイル]] 『イブン・ジュバイルの旅行記』 [[藤本勝次]]・[[池田修]]監訳、[[講談社学術文庫]]、2009年。
* [[イブン・バットゥータ]] 『[[大旅行記]]』全8巻 イブン・ジュザイイ編、[[家島彦一]]訳、[[平凡社]]〈[[平凡社東洋文庫]]〉、1996-2002年。 - 14世紀のスークについての記述がある。
* [[黒田美代子]] 『商人たちの共和国』 [[藤原書店]]、1995年。 - アレッポを中心にスークを研究した書
{{脚注ヘルプ}}
<div class="references-small"><references /></div>
 
== 参考文献 ==
* [[イブン・ジュバイル]]  『イブン・ジュバイルの旅行記』  [[藤本勝次]]・[[池田修]]監訳、[[講談社学術文庫]]、2009年。
* [[イブン・バットゥータ]]  『[[大旅行記]]』 全8巻  イブン・ジュザイイ編、[[家島彦一]]訳、[[平凡社]]〈[[平凡社東洋文庫]]〉、1996-2002年。 - 14世紀のスークについての記述がある。
* [[黒田美代子]]  『商人たちの共和国』  [[藤原書店]]、1995年。 - アレッポを中心にスークを研究した書
 
== 関連項目 ==