「伊予丸」の版間の差分

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通信設備は国際VHFのほか、さん橋との入港報などの連絡、僚船との連絡に使用する専用VHFについては、末期にはハンディートランシーバが使用されていた。
 
主機械は車両甲板下に余裕を持って納まる背丈の低い中速ディーゼル機関2台で、定格出力は1台2310馬力であった。このエンジンは[[津軽丸 (2代)|津軽丸]]のうち[[津軽丸 (2代)|大雪丸]]など3隻でも採用されたものと同系列であったが、2台2軸で、マルチプルエンジンではなかった。しかし、機関回転数の毎分600回転を主軸回転数の毎分250回転に減速するため、流体継手付き減速機を装備していた。また、左舷減速機には主軸駆動発電機(330kVA)がつながり、主発電機(700kVA×2)のバックアップと、バウスラスター(300馬力)の電源となっていた。初代[[讃岐丸 (初代)|讃岐丸]][[津軽丸 (2代)|津軽丸]]型同様、機関部の各種機械を遠隔管理する総括制御室も設けられた。
 
車両甲板下は13枚の水密隔壁で14区画に分割され、隣接する2区画に浸水しても沈まない構造とした。更に中央部6区画では二重底だけでなく、側面にヒーリングタンクやボイドスペースを配置して二重構造とし<ref>古川達郎 鉄道連絡船100年の航跡p181 成山堂書店1988</ref>、さらに損傷時の復原性向上のため、舷側ボイドスペースに硬質ポリウレタンを充填した<ref>日立造船株式会社 宇高連絡船“伊予丸”について 船の科学19巻5号p76 1966</ref>。また水密隔壁に水密辷り戸を設けず、隣接する水密区画へ行くには必ず車両甲板まで上る必要があった。